優先株式増資の際に、企業価値が…

事業部の成績を考えるとき、利益の「額」だけで見ても、投資対リターンの「割合」だけで見ても不十分なところがあります。双方のメリットデメリットを補完する「EVA」という指標についてレクチャーします。
目次
はい、では、経営カレッジ 始めていきたいと思います。
ガイアックスの上田です。
ガイアックス新卒1年目のアカネです。
ガイアックスでインターンをしている 大学3年生のレオです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
はい、ではファイナンスの企業の評価、を引き続きやっていきたいと思いますが、企業の評価で使われる指標で、ちょっとわかりやすい 話の順番としてわかりやすいので、事業部の評価を ちょっとしていきたいなと思います。
で、今日はEVAと言う、そういった指標を 学んでいければと思うのですが、それの使い勝手とか なぜこういったものがあるのか、とか、そのようなところを 突っ込んでいければと思います。
利益事業が評価されるべきか?
まず、ある事業部が 1000万円の利益事業を作りました、と。
毎年1000万利益を叩き出しています、と。
すごく立派な事業部なんですが、じゃあ、これを どう評価したらいいと思います?
何を見て評価したらいいと思います?
これはすごく素晴らしいことですか?
素晴らしくないことですか?
事業部単体のPLで これだけ利益が出ているんだったら、素晴らしいことじゃないですかね。
そうですよね。
これだけの情報を与えられて ダメだとは言えないですよね。
例えば会社で ある会社が1000万の利益を出しています。
これは即座にその会社は素晴らしいですか?
それとも何とも言えないですか?
例えばROEとかに照らし合わせてみる 必要があると思うので、自己資本に対して どれだけの利益が生み出されたか、とかを、一緒に見る必要があると思います。
なので一概には いいとは言えないと思います。
その通りですね。100億突っ込んで 1000万の利益出してますって言われたら、何をしているんだ っていう話になりますからね。
事業部ごと利益例
例えば A事業が500の利益、B事業が1000の利益 C事業が1000の利益を出しています、と。
じゃあ、これを見て どう序列をつければいいか?
これを見て どういう情報が足りないと思うか?
いかがですか?
そうですね、先ほど言ったように どれほどの資本を突っ込んだか、という情報が 足りないのではないでしょうか?
投資額に応じた評価が必要
そうですね、100億円の投資で 作ったとしたら全く意味がないので、その辺りを考えることが重要ですね。
投資額と利益額をどう指示するか?
じゃあ各事業部には、適切な利益を出させるためには、例えば、マネージメントサイドから どういう指示を出せばいいと思います?
つまり1000万の利益を出してじゃ だめなわけですよね。
そうですね、この予算に対してこれだけの 利益を出してくださいっていう指示ですかね。
予算に対してはありますよね。
先ほどの投下資本に関してはどうですか?
予算と投下資本が ほぼ同じような気がするんですが。
あっ、なるほど。
予算と言うのは売上予算と言う意味ではなく 使ったお金と言う意味での予算。
はい、そうです。
そうですね、例えば1億の予算で 事業立ち上げていいよって言われて、1億のお金を使いました、と。
その1億に対して どれだけ利益を上げてるのかっていう事を、ちゃんと考えろよ っていう指示が必要って事ですよね。
はい、そうです。
具体的に数字も入れて例えばで言うと どんな指示が出るでしょうか?
事業のフェーズによる気がしました。
まぁ、そうですね。掘るような事業だったら とりあえず利益上げずに売上規模伸ばせよ。
とは、言われるとは思いますけれど、もうちょっと小慣れたビジネスだとして、独占すれば利益がいっぱい出てくる、みたいな、そういうようなビジネスじゃなくて、普通の飲食店とか普通の小売とか、そういうような感じだとしたら どうですかね?
そうですね ちょっとわからないんですけれど、例えば、1億円投下したなら、まぁね 1000万ぐらいは利益出せよって感じですかね。
なるほど。ま、変じゃないですよね。
事業部ごと利益と投資額例
例えば投資額が4000万投下をして 500万利益を出したA事業部と、1億円投下して 1000万利益出したB事業部と、5億円投下して1000万利益出した C事業部があります。
これは序列をつけるとすると どうなりますかね?
そうですね、比率で言うと ABCの順ですか。
そうですね、じゃその マネージメントサイドだとして、各事業部に何て言うんですかね?
お前ら投資額に対する比率が一番高いように 頑張れよっていう感じですかね。
A事業部は利益率がまだ良い方なので、もっと売上を伸ばそうよ みたいな感じかなと思いました。
まぁ、そうですね。このシチュエーションに なったらそういう指示を出しますよね。
そもそもどんな命題を与えますか?
何を最大化せよって言います?
投資に対する利益率。
率?
はい。
と言う事は
率じゃなくて、利益の絶対数ですかね。
利益の絶対数。それぞれ お互いの意見に対して突っ込んでもらえます?
そうですね、どっちも不完全だな っていう印象はあるんですけど、利益の絶対数だけだったら いくらでも投資してってなってしまうので。
うん。
率だとしたら?
率だったとしたら 小規模の方がいい数字を作りやすい。
まぁ、そうですね。 みんながこぞって100万の投資で、100万の利益上げてきても困るから、みたいな。
投資額と利益額の指示において適切な指標は?
いろいろ指標があるんですが、利益と言うのは投資額を考慮していない。
もちろん減価償却がくるものに関しては、減価償却を差っ引いた上で 利益出てますかっていう感じになるんですが、自己資本的なものとか 減価償却を伴わない投資、例えば土地を買って その土地を貸して儲けてますって言って、土地は減価償却しないので 利益を圧迫しないわけですよね。
例えば、売掛金が 10億必要なビジネスです、と。
現金10億必要なんだけど それを減価償却しないので、そういう意味では 投資額としては膨らんでいるにも関わらず、利益ではそれを考慮しないので、投資額が大きくても利益が悪化しないという 観点で言えば非常に使い勝手が悪い、と。
一方キャッシュフロー。
キャッシュフローは例えば 1億の土地を買ってそれでビジネスを回して、減価償却しなくても 1億土地を買った段階で、投資キャッシュフローで マイナス1億が出てくるので、そういう意味では、利益よりキャッシュフロー の方が評価しやすいかもしれないですよね。
例えば、売掛金で1億寝るビジネスを 立ち上げたら、営業キャッシュフローで マイナス1億出てくるので。
ただ、とは言え イマイチな理由があるんですが、どこら辺がイマイチだと思います?
逆に減価償却が反映されないので 最初の成績が妥当ではない。
まさにその通りですね。
キャッシュフローの方が事実で 利益の方は解釈ではあるんですけれど、毎月、毎年の業績はどうなの? って言う業績推移をチェックするのに、編み出した手法が まさに減価償却という手法で、1年目に300万の車買ったからって言って マイナス300万の成績付けられたら、事業部長もたまったもんじゃないって言う。
5年で使うから 60万ずつ減価償却しましょうよって言う、そういう考え方の方がいいよねっていう観点で 利益という概念が出てきたわけで、キャッシュフローはそこら辺を 織り込んでいないので、まぁ、その点で 評価しづらいなっていう感じです。
そしてROEは先ほどお話出た通り 率だけを追求しちゃうので、規模が全く考慮されない。
まぁ、そう考えると利益の絶対額と ROEの両方を追いかけるのが、
利益の弱点
良さそうに見えてくるわけなんですが、という話が出てくるのも、利益という指標は結局この投資額を織り込めない と言う観点がイマイチと言う事なのですが、別の言い方すると キャピタルコストを織り込めないっていう、そういう意味があるんですね。
各事業部で算出するのは 何利益だと思います?
営業利益ですか?
なぜですか?
今、営業利益か経常利益か どっちかなって悩んだんですけれど
ちなみに営業利益と経常利益の間には どんな費用が主にくると思います?一般的に。
例えば金利とかですかね。
その通りですね。 レオさんもだいぶバッチリ覚えてきましたね。
じゃあ、営業部における金利って どう算出できると思います?
例えばガイアックスっていう会社があって 三井住友さんにこれだけ借りています。
三菱UFJ銀行さんにこれだけ借りています。
例えば、みずほさんにこれだけ借りています。
一方でいろんな事業をやっています。
例えば、TABICA(タビカ)っていう事業を やっています。
例えばオンライン就活っていう 事業をやっています。
それぞれの事業の利益を算出するにあたって 金利ってどう算出したらいいと思います?
そこは算出が難しいと思います。
そうですね、そういう意味では営業利益までで 止めておくっていうのが一般的なわけです。
一方で会社全体で見ると、経常利益までいけばデットサイドの キャピタルコストは、織り込んだ数字が出てくるんですね。
事業部で言えばそこはちょっと よくわからないんですけれども、
会社全体で見れば、経常利益のタイミングで 金利を差っ引いたものが出てくる、と。
でも、経常利益にしろ 当期純利益にしろ、この利益が苦手としているのは何かと言うと、投資家が出したお金の期待リターンというものが 織り込まれていないんですね。
繰り返しですけれど、100億の資本金の会社が1000万利益出しました。
これが褒められるべき事なのか と言われたらそんなことないですよ、と。
一方で1000万投資した会社、1000万お金を調達してできた会社が 1000万利益出しました。
もっと言えば800万の利益しか出していません。
それでもさっきの会社より はるかに優秀なわけですよ。
この株主の期待リターンというものを 超えているのか超えていないのかって言うのが、当期純利益レベルまでいっても 表現できていないというのが、利益としての弱点なんです。 ここまでは大丈夫ですか?
はい。
CFの弱点
で、そこでキャッシュフローは キャッシュフローで使えないですね、と。
ROEの弱点
そしてROEは割合だけなので これはこれで使えないですよ、と。
事業部ごと利益と投資額とROI例
で、事業部でいくとROEではなく、ROIと言う投資対リターンって言う 曖昧日本語が適切になってきて、このRが何を表してるかって曖昧なんですが、事業部で投資した総額、先ほどアカネさんが言っていた 予算に対してリターン、まぁ、事業部だから営業利益を 適用するのが適当だと思いますが、そういった形で数字を出すと こういう風になってくるんですが、これでもちょっとわかりづらいですね というところで、
EVAとは?
まぁ、出てくるのが、このEVAというものなんですね。
利益から資本コストを差し引くという、そういうような考え方です。
で、これは会社全体にももちろん適用できますし、各事業部にも適応できる。 そういったような考え方です。
今の説明でなんとなくわかりました?
なんとなくわかりました。
ちなみにどんな計算をすれば このEVAというものが出てくると思います?
もうここに表記してあるような、資本コストを出して利益から引く っていう単純な計算式ですか?
はい。この資本コストのワック WACC これは一体どんなものでしたっけ?
加重平均資本コストですよね。
そうですね。
資本構成でデットとエクイティの それぞれの割合と、割合かける調達額を 足したものですよね。
割合かける調達額?
はい。
割合かける調達コスト。
はい、違いましたっけ?
あっ、そうです。調達コストの比率ですね。
はい。
7割、借入で、仕入れていて 借入の金利が3%です、って言うのと、3割はエクイティで仕入れていて、エクイティの期待値は20%です って言われたら、まぁ、それぞれの加重平均を足し込む。
で、算出する加重平均キャピタルコスト。 率ですね。率がワック。
加重平均すると3%と20%なんだけど、まぁ、5%ぐらいに着地します っていうのがワックですね。
覚えていると思いますけれども、金利の方は税効果が適用できるので、安いので、1 引く T(TAX)、 税率分、割引ける っていう風になっています。
EVAを会社全体で算出する時は 簡単なんですよ。
最終利益から集めたエクイティかける 株主の期待リターンの絶対額を差し引いて、プラスなのかマイナスなのか って見るだけでいいんです。
これは大丈夫ですか?
はい。
はい、大丈夫です。
で、それがそのトラディショナルなPLというものの 営業利益、経常利益、当期純利益の下に、EVAなんていうものは存在しないんですけれど、現実として、 集めた資本かける期待リターンを差っ引いて、プラスかマイナスかって見るって、 超わかりやすいし、そのプラスを出すことこそが、まさに株主のリターンに資しているということが、率じゃなくて絶対値として わかりやすいって言う話なんですね。
で、次にこのEVAという概念を事業部に 当てはめようと思ったらそうは簡単にいかない。
そもそも事業部ごとに 当期純利益は存在しないので。
あくまで営業利益までしかないので。
その営業利益の段階から、あなたのところが使っているお金 まぁ例えば、1億投下しましたよね、と。
この1億の投下は正直、借り入れで回したのか 増資で回したのかわかりません、と。
でもうちの会社全体で見れば 7割が借入、3割が増資で集めていて、それぞれの期待リターンがこれだけだから まぁ、加重平均すると7%です、と。
じゃあ、1億に対して7%加重平均すると、だいたいコストがかかっているので、700万ぐらいは利益を 出してもらわないと困ります、と。
で、営業利益から700万差っ引いたものが 黒字なのか赤字なのかで、あなたのところを評価します って言うのがEVAの考え方です。
今のはちょっと 税金の部分を省略したんですが、営業利益じゃなくて正式に言えば税引き後、Net Operation Profit After Taxって言う、独特のこれまた指標なんですけれど、税引き後営業利益。
例えば、1000万利益を出したら 税引き後で算出すると、税率掛け合わした65。 じゃ、650万の利益なんだ。
それにWACCかける使用資本を差っ引く と言うのが正しいやり方で、現場では正しいやり方でされますけれど、レクチャーではちょっとそこら辺の 税金っていう部分はちょっと省略して、ちょっとお話をしたいなと思います。
事業部ごと利益と投資額と資本コスト例
そうすると 例えばどうなるのか、仮に加重平均資本コストが5%だとしたら、A事業が4000万に対して5%の200万、キャピタルコストかかっています、みたいな。
B事業が1億の投資に対して 500万キャピタルコストがかかっています。
C事業は5億に対して キャピタルコストが2500万かかっています。
これを営業利益から差っ引いて、黒字なの?赤字なの?っていうのを見る。
事業部ごとEVA例
それがEVAになってきます。
じゃあ、結果として こういう形になるんですが、これを見てマネージメントだったら 各事業部長に何て言うと思います?
Cの事業部はもう少し利益率を 上げるなりした方がいいですよね。
そうですね。 もしもこれ、このままだったらどうします?
このままだったら 事業部として縮小する。もしくはもう・・
そうですね。
はい。
絶対クビですね。 事業部の言い分としては何て言ってきそうですか?
今は投資する時期とかですかね。
そうですね。まぁ、そこまで 言えれば立派ですけれど、つまり、過去5億円投資しました、と。
今、利益1000万しか出してないのは 何故かって言うと、本当は1億ぐらい利益叩き出せるけれど 投資しているから1000万なんです。
今は投資の時期なんですっていう風に 返してくるってことですよね。
まぁ、それはそうなんですが、最初はそこまで言わないですね。
何がダメなんですか って言ってくると思うんですよ。
会社の中でも稼ぎ頭ですよ、うちの事業部。
確かにB事業部と並ぶぐらいですけれどもね って言いかねないですよね。変ですか?
レオさんとアカネさんは 本日EVAという概念を学んだので、あーC事業部ダメだな ってわかると思うんですが、昨日までのトラディショナルなPLまでの知識の レオさん、アカネさんだったとしたら、C事業部のマネージャーをやっていて、投下資本に対して利益率が悪い っていうご批判は受けますけれど、とは言え1000万の利益叩き出してるんですよ って言ってそうじゃないですか。
うん。
このEVAっていう資本コストまで、ま、株主側の期待リターンまで織り込んで 差っ引くことによって、初めてマイナスである と言う事が出てくるわけなんですよね。
このマイナスであるという事が、それこそ、わかりやすい話ですけれど、赤字事業だったら 撤退した方がいいよねっていう、日本語と果てしなく等しくて、EVAが赤字なら撤退した方がいいよね ってなるわけです。
この撤退って言うのは、投資した5億円が 例えば土地を買っていて、撤退すると5億円が返ってくるっていう、そういった前提で 話はしているんですけれども、返ってこないような投資だったら、まぁ、正直意味はないんですが、で、早々に撤退して売却して 5億円の現金を手に入れて、で、株主に返したり 借入を返済した方が会社として、もしくは株主のリターンとしては増える というような事が、EVAから見えてくるわけです。
じゃあここまでてご質問ありますか?
EVAを計算する時に使う資本コストは 減価償却をしたものですよね。現金ではなくて。
資本コストはバランスシートの アセットサイドを見るんじゃなくて、デットとエクイティサイドを見て、資本コストを算出するんですけれど、えっ?各事業部の投資額の話ですか?
そうですね、事業部ごとに出す時。
あーはいはいはい。わかりました。
WACCは会社統一なので うちの会社のWACCは5%ですって言ったら、それで事業部全部、統一になるのですが、それぞれの事業部がいくらお金使いましたか って言うのは、また別ですよっていう話ですよ、と。
で、まさにその投資額を算出するのが ちょっと大変なんですけれども、投資額じゃないんですよね。
使用資本なんですよね。
もうちょっと別の正しい言い方をすれば。 何かわかります?
ちょっとあんまりピンときてないです。
例えば、売掛金で1億寝てますって言うと、それは1億使ってるよね っていう話になるわけですよ。
で、減価償却を込むか込まないかと言えば、減価償却の方は利益の方を 悪化させる要因になっているので、使用資本の方は、でも織り込む必要がない って言うのがEVAの考え方ですね。
つまり減価償却すれば使用資本は減っていく という考え方で大丈夫です。
わかりました。
その代わり分子の方の利益が減っていくので。
ふんふんふん、そうですね。
EVAの良さ
では、このEVAの良さって言うのは、ま、これ、ちなみにEVAっていうのは 一般名詞じゃないんですよ。
スチュワート社って言うところ だったかな、確か。
が、商標を取っている指標なんですよ。
何かわかります?
サランラップみたいな。 なんか一般名詞じゃない、みたいな。
はい。
まぁ、だからEVAかっこR っていつも出てるんですが、でもそのともかく、資本コストを差っ引いて いや、最終利益じゃないよね、と。
資本コストも差っ引いたEVAの方が、まぁ、指標としていいんじゃない? って提唱して、それもなんか商標を取っちゃうって言うのは、すごいなっていう感じなんですが、ま、そういうところが すごく良いなと言う風に思っています。
そしてこのEVAの良さは、資本コストも盛り込めるし、各事業部でも適用できるっていうのは 凄く良いなという風に思っています。
で、まさにここに書いていますけれど、割合でなく純額で表現できる。
事業部に適用できる。
で、資金を投じて資産が膨れるのに適合する。
これ、別の言い方をすると、キャッシュフローで評価しようと思ったら、資金を投じた瞬間に大赤字になっちゃうので、別にキャッシュフロー的に赤字でも、資金を投じて資産が膨れ上がったとしても、それに応じた利益を叩き出せればいいよね って評価されるので、そういう意味でもいいなと思っています。
EVAの使い勝手
で、ガイアックスの場合、どういう形でこのEVAの感覚を 使っているかと言われると、管理会計。社内、ま、だから 社外に発表する数字じゃないんですよ。
財務諸表の中に構成される指標でもないし、そもそもPLに入ってる指標でもないので、社内の管理会計で使ってます、と。
独立採算とかに使っています。
で、会社において独立採算って言いますけれど、まず普通に会社を作ったら 独立採算なんてものは出てこないんですね。
3事業部があります。
売上利益があって 税務申告して税金納めます。
って言うだけの話の時には、各事業部がいくら売上上げて、各事業部がいくら利益上げたのかなってのは 普通に出てこないですよ。
普通の財務会計以外に 管理会計を繰り出してきて、それぞれの事業部の 社内売りとかを全部記録して、で、それぞれの事業部の社内売りとかを、会計ソフトに普通に打ち込んだら 変になるわけですよ。
この会社の売上が 爆発的に広がっちゃうわけなので。
その会計ソフトとは別のソフトウェアとか システムに打ち込んで、で、それを組み合わせながら、管理会計としてPLが出てきます、と。
で、そうすることによって、独立採算ということが この会社の中で実現できるんですけれども、バランスシートまで作ってるか って言ったらこれまた話は別で、バランスシートまで作ってない会社も 多いわけです。
独立採算をやっている会社と やってない会社があります。
やってる会社もありますし やってない会社もあります。
やってる会社の中でも、バランスシートまで ちゃんと独立採算してるかってか、独立事業部ごとにバランスシートを しっかり作ってるかって言うと怪しいです。
ちなみにガイアックスの場合は作ってません。
がしかし、ガイアックスは 既にカーブアウトとか、初めから別会社でやれば いいんじゃないのみたいな感じで、どんどん別会社にしているので、まぁ、肌感で言えば ガイアックスが取り組んでいる、事業の半分は別会社なので、半分はPLも存在するし、別会社になった瞬間 バランスシートも存在するので、まぁ、そんな状態かなと思っています。
ただ、繰り返しですけれど、半分の事業部の社内にガイアックス社に 属している一事業部の場合は、残念ながらバランスシートはありません、と。
そのバランスシートの物がないんですが、それは簡易的に算出しているって言うのが、今日時点の手法にはなっています。
まぁ、ちょっと改めてなんですが、ガイアックスの場合、管理会計独立採算時に EVAっていうのを使っていて、ノリで言うと、事業部営業利益の下に キャピタル・資本コストを差っ引いて、差っ引いた結果どうなっているのか っていうのを見にいってます。
これまた別の話なんですけれど、ガイアックスグループはどんどん各事業部が カーブアウトしていくんですけれども、そのどれだけ資本使ってるのって言う その感覚はカープアウトした時に、いや、ガイアックス社が この事業を作り出すのに、いくらお金使ったよねっていう、そのいくらというものに引き継がれている というような形になっています。
独立採算上での利用方法
これがガイアックスの場合の、独立採算のシートなんですが、事業部の月次売上があって総利益があって 営業利益があって、すごくざっくりしているんですが、資本コスト、使用資本かける1%、使用資本かける1%、これ月次の数字なので 年間で言えば12%ですね。
使っている資本の12%分を差っ引いた後 事業部の経常利益を算出して、各事業部に今月の決算はこうですよって言って、開示してるって言う感じになっています。
使用資本算出方法例
ちなみに その使用資本はどう算出するのか?
さっきのアカネさんの質問なんですが、これもすごく省略して簡略化して出しています。
まず、明確な資産があれば そのバランスシート上の簿価、あんまり明確な資産はないんですけれど、もしもあればそれを入れています。
で、売掛金とか在庫とか管理するの面倒臭いし、各事業部に分かれてないので、月商の3ヶ月分使用資本として使っている っていう風に出しています。
で、過去累積の最大赤字。
これも使用資本として足し込んでいます。
この3つを足し算したものが、各事業部の使用資本だという風に簡略化して ガイアックスではやって、それかける1%が毎月金利的な感じで、営業利益の下で差っ引いて 経常利益という形で出します。
経常利益って書いてますけれど、僕らのなんか マネージメントサイドの肌感は、EVA的存在だという風な認識なんですけれど。
はい、以上でEVAの説明は 終わりたいと思いますが、ここまででご質問ありますか?
EVAはどの企業も 採用しているんでしょうか?
まず、各事業部の独立採算で バランスシートを用意しているかと言われたら
うん。
新興マーケットに上場しているぐらいの会社は してないでしょうね。
うん。
むしろ売り上げが数千億とか一兆とか そういった規模の各事業部で、バランスシート作っているし、そこまでいかないとちゃんとした数字は 出てないような気がしますね。
うん。
その上でEVAっていう指標を 使っているかどうかに関して言うと、その各事業部って言っても、例えば、研究開発部門があって 製造部門があって、で、マーケティング事業部があって 営業チームがあって、各支店があってっていうような会社。
要は単品をそのビジネスプロセス上 事業部分けてます、みたいな会社であれば、正直、EVAを算出する、あんまり意味はなくて。
なぜかわかります?
うん、ちょっとわからないです。
じゃあ、EVAが悪いからって言って 製造部門をクローズさせるわけにはいかないので。
よりコングロマリットな会社とか商社とか、もしくはホールディングカンパニーで 複数の事業を持っている時に、EVAまで見にいっていると思います。
うん、なるほど。
なので、商社とかは当たり前のような概念 として使っているとは思いますね。
うん、わかりました。 ありがとうございます。
はい。
先ほど資本コスト1%で 計算していたと思うんですが、それは細く変動するものを 簡単にして計算されているって感じですか?
そうですね、まぁ1%って言ったら 年間12%ですよね。これどう思います?
そうですね、どうなんですかね。
上場している会社は こんなもんなんですかね?
突き詰めて言えば 借入比率がどうなのかとか、借入条件がいくらなのかとか、その株主の期待値は どれぐらいのリターンなのかとか、そこら辺を織り込んで計算するので 何とも言えないんですが、ま、年間、加重平均で十数%って言うのは、まぁ、そんなものかなと思って 抵抗なく採用しています。
うんうん。
ただ、実態はそこまで株主リターンのコストを 織り込んでいると言うよりかは、上場している時の上場コストとかを 足し込んでいった結果、まぁ、それぐらいは取っておかないと、擬似的なホールディングカンパニーの管理部門 としては採算合わないよねっていう感覚で、それ位の数字を設定しているので。
ふん。
ですが、まぁまぁそんなもんじゃないですかね。
なるほど、ありがとうございます。
ちなみにできたばっかりの会社の 期待リターンて何%ぐらいだと思います?株主の。
15%とかですかね。
それは上場企業水準ですね。
20%。
まぁ、できたばっかりっていうのが どこを指すのかわからないんですけれど
はい。
ほんと出来たばっかりとかって 50%とか100%とか当たり前ですね。
うん。
例えばガイアックスがアカネさんが今 法人化するかどうか悩んでいるレベルでやる、ワーケーション事業の会社に出資するとしたら、ま、例えば3000万出資しました、と。
5年経って5000万になりましたって言って アカネさんに胸張られても、おいおい、ちょっと違うよって感じ。
なんか、投資した3000万が、いやいや、何か、3億とか5億になるのを 期待しているんだけど、みたいな。
なんかそういう それぐらいのボラティリティがあるって言うか。
ま、そういう意味ではガイアックスの事業部も すごい若い事業と、まぁ、それなりに売上利益が 安定している事業があるので、それに一律のEVAを適用していいのか、一律のキャピタルコストを適用していいのか って言う疑義はあるんですけれど、ま、一旦の目安としてこんなものでいいか って言ってやっている感じですね。
なるほど、わかりました。
そこまでビジネスの現場でEVAという単語とか 概念が出てくるわけじゃないんですが、まぁ、わかっていて欲しいのは、当期純利益というものに関しては 資本コストが入っていないんだということ。
あと、実際ビジネスを回すとなると、借入の金利は経常利益の所で 差っ引かれているけれど、株主から集めたお金の一定期待値リターン パーセンテージをかけたものを、クリアするぐらいの利益を 上げていかないと。
まぁ、別に利益を上げなくてもいいんですが その分、株価を上げていかないと。
株価を上げてるって言うか、1回掘ってもいいんですけれど、その分それぐらいのペースで企業価値を 上げていかないといけないんだなって言う事を、なんとなく頭で理解してくれたら いいかなって言う風に思います。
はい。
はい。
じゃあ今日は以上で 終わりたいと思います。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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