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資金調達の方法について3回に渡ってレクチャーします。今回は「借りる」「売る」という2つの資金調達方法に着目します。何を担保にして誰から借り入れるのかや、何を売って現金にするのか、など事例を洗い出して紹介します。

はい、では経営カレッジを 始めていきたいと思います。
ガイアックスの上田です。

アカネ

ガイアックス新卒1年目のアカネです。

レオ

ガイアックスでインターンをしている 大学4年生のレオです。よろしくお願いします。

はい、よろしくお願い致します。

アカネ

よろしくお願いします。

では、今日は財務のもっとも財務らしいところ についてお話をしていきたいなと思います。

資金が尽きる際の対応策

財務の最も財務らしいところ。
まさにお金をどうやって ファイナンスするのか?
ファイナンスっていうのは どうつなげていくのか、というようなことを 話しできればと思います。
資金が尽きていく際にどういうような対応策 をするのか?ということです。
まずはこれちょっと誤解を招かないように 整理をしておきたいんですけれども、その資金を集めてくるという事と、

「利益を得る」との違い

この利益を得る という事の違いは、何となくわかりますか?

アカネ

はい、資金を集めるのは 事業の中で生み出すお金ではなくて、また別で集めてきて その中で事業の中で生み出すお金が利益ですね。

そうですね。そうとも言えます。はい。
レオさんはどうですか?

レオ

そうですね、僕も同じイメージで 利益が事業で得られるもので、資金を得る、は単純に 銀行から借り入れをしたりして、お金を集めるという 違いがあると思います。

ちなみに資金を得るのは 現金を得るのは、別にビジネスから資金を 得ていってもいいわけですよね。

レオ

うん。

アカネ

はい。

例えばその利益を得るっていうのは 日常会話での利益ではなく、会計用語としての利益。
この利益を計上する。
どうすれば利益を計上できるのか っていうのは、ちょっと前の回で 会計の回でお話ししたと思うんですが、利益を計上するという事と 現金を取得するっていうのは、例えばどういう時に 差が出てくると思います?

アカネ

売掛金で 利益が計上された際とかですか。

そうですね。一方資金は?

アカネ

現金としては増えないで 買掛金になります。

売掛金ですよね。

アカネ

あ、売掛金ですね。

はい。利益を得るんだったら、売ってさえしまえば 売掛金で利益計上できちゃいますけれど、現金は1円も増えてない、と。
会社で本当に資金が尽きそうな時って、利益は別に要らないんですよ。 当たり前ですけれど。
現金をどう集めてくるのか っていうのが重要なので、時には利益を得ると 相反することだってあるんですね。
例えば利益は失うけれど現金が増える ってどんな事があると思います?

アカネ

そうですね、資産を売ったりしたら 将来の利益は減るけれど、現金としては増えますよね。

そうですね。
ま、そういう長期的な事も 当然あるんですけれども、例えば、普通に仕入れてきた商品を 原価割れで売ったらどうなりますか?

アカネ

赤字なので利益は減るけれど 現金としては短期的には入ってきますね。

そうですね。そのような形で 利益を計上するっていうのは、どちらかと言うとバランスシートを膨らまして いかに純資産を膨らますのか、みたいな、そういう観点が 多かったと思うんですけれども、それと違って現金を得るという事は どういう事なのか、という事を 考えていければなと思っています。

大きな区分

まず最初に大きな区分ですが、これ見て大体わかりますか?
まず、利益を得るとなったら まず、どんなことをイメージします?
どうすればお金って手に入るかなっていうので。

アカネ

まずはそのお金を借りてきて 何かを生み出して、それを売ることで利益が入るのが 一番シンプルですよね。

そうですね。
レオさんどうですか?

レオ

利益っていう点ですか?

いえ、現金です。

レオ

現金だったら今持っている資産を 売却するなどになると思います。

そうですね、ま、あとは 増資をしてくるですよね。
またそれとは別にビジネスをやっている中で、利益を上げていないんだけど、現金を捻り出すっていう考え方もあります。
また、あと最後に助成金とか寄付とか、ま、ちょっと搦め手ですけれども別の手法も あるのかなという風には思っています。
これを一つずつ ちょっと突っ込んでいければなと。

BSでの視点

まずさっきの売るっていうのは、このバランスシートで見ると、何をどうするっていう話でしたっけ?
売って現金を得るっていうのは、このバランスシートを見て 何をどうするっていう話でした?

レオ

例えば 資産Aに入っている不動産を売る。

はい、そうですね。
資産Aにあるものを売って Aの中の一番上にある、現金に切り替えていくって事ですよね。
こう下から上に切り替えていくっていう。
で、あとお金を得る時に主要なやり方になる 借入っていうのはDを増やすっていうことで、で、また借入とまた双璧を成すのが 増資をするっていうもので、増資をするのはエクイティを増やすっていう、そういうようなものですね。
ま、ともかくDとEが伸びれば Aの現金部分が伸びるので、Dがこうやって増えたら Eがこうやって増えたら、Aも増えていくので。
そういうような方法で 現金を手に入れるという事ですね。
で、これをまた時系列的に説明しますと、

時間軸での視点

過去とか現在、こういったものがバランスシートに 表現されているわけですね。
で、そのバランスシートに 過去蓄積した商品とか、過去蓄積して手に入れてきた不動産とか売って 現金化するっていうのもあるんですが、もう1個バランスシートでは 説明できないところで、未来における利益や権利を現金化する っていうのも手法としてはあり得るわけです。
このような大枠のイメージを持ちながら 考えていってもらえたらなと思います。

借りる方法

まず、では 5つの区分がありますが、一つ目の借りるからちょっと 突っ込んでいきたいなと思います。
借りるとなると どういう所から借りられると思います?

レオ

まずパッと思いつくのは 銀行などの金融機関又は他企業ですかね。

そうですね。
ちなみにガイアックスは資金が苦しい時の 投資先さんに貸付を結構していましてですね。
まぁ、ここ5年でもう5件10件、数億円ぐらいは 貸している実績があるかなぁとは思います。
ま、我々もビジネスで やっているわけじゃないので、免許とか取ってやっているわけじゃないので、ビジネスに関連させた貸付に なってはいるんですけれども、そういった形で貸すこともあります。
他、誰に借りることがあり得ると思います?

アカネ

個人の方、資産家の方に 借りることもあると思います。

そうですね。 あとは個人で言えば経営者本人ですね。
会社が苦しくなって経営者から まぁ、持ち出しで一旦貸付しておきます、っていうのはよくある話なので。 そういう事もあるかなとは思います。
で、このあたりは前回も お話しましたけれども、バランスシートが非常に 借入比率が高かったとしても、実際の時価総額が大きければ、特にガイアックスとかは 実際の時価総額が大きければ、まぁ、結構全然リスクをないとふんで 貸し付けることはできるかなとは思います。
まぁ、そういったのもあるんですが、そういった部分、要は借りる手法ですね、で、ちょっとここが すごい重要なんですけれど、会社全体でお金貸してくださいって言って 例えば3000万借りました、と。
で、これ以上は貸すの無理です みたいな話になって、他の金融機関に行っても まぁ、これ以上は無理ですね。
もう3000万借りてらっしゃいますものね みたいな話が多いんですけれども、実際はもっと色々スキームを組めば 借入する事が可能になってくるんですね。
で、そもそも3000万を貸付けた時に、どんな評価どんな分析で貸付けたのか 知らないですけれど、ざっくり会社全体に貸すっていうのは、まぁ、なんて言うんですかね、いろんなリスクを鑑みて、もしくは色々分析をせずに ざっくりと貸しているだけあって、限界ほど借りている というわけではないんですよ。

BSで見る借りる際の担保の考え方

例えばじゃあ物を担保に入れて 金を借ります。と言った時に、このバランスシートを見て どんな事が考えられますか?

レオ

例えば会社の土地や不動産を 担保に入れてお金を借りる、などといったケースが 考えられると思います。

そうですね。今AとDとEの どこにフォーカスしました?

レオ

Aですね。

そうですね。
要はAの物を売ったら 現金になるわけですよね。

レオ

はい。

それ大丈夫ですか?
で、ちょっと売りたくないって言ったら、別の言い方すると、売れる物であれば 借りて来られるんですね。
質屋に持って行って 預かってくれる物っていうのは、別の言い方すると 中古品マーケットで売れる物なんですよ。
正直、売ってもいいし 金借りてきてもいいんですよ。
で、売値をベースに それに7掛けとか8掛け、金貸してくれるって言うのは あり得るはずです。
ま、どうしてもって言ったら 売り切っちゃったらいいんですけれど。
でも売ると結構問題がある っていうケースもあるので、売りたくなければ、ま、それこそ質屋さんに入れて 金借りてくるのと同様に、で、質屋に入れて金借りる時って、持って行った人の信用って 関係ないんですよね。わかります?
持って行ったこのロレックスの時計が、どれだけ信用があるかっていう方が重要で、持ってきた人がどんな人であろうが あんまり関係ないと言うか。
例えば売掛金を担保に金を貸す。
これもよくある話しで ファクタリングって言うんですが、で、売掛金が入ったら返してくださいね。
これはどこが貸す方からすると 審査ポイントになると思います?

アカネ

将来その分を支払う 取引会社ですかね。

その通りですね。
昔ある会社が上場したんですが、そこの会社どんな事をしていたかって言ったら、ドンキホーテみたいな小売店に物を 卸している会社がいっぱいあるわけですよ。
で、そういった物を卸している会社は、例えばドンキホーテとかから 現金が入ってくるのは、売掛金なので1ヶ月後2ヶ月後で 結構資金繰りが厳しいんですよね。
でも、その小さい会社たちは 信用もなければ資金繰りも厳しくて、この会社大丈夫かって感じなんですけれど、ドンキに納品した物を ドンキさんが支払うっていうのは、ドンキさんの信用なので、そのドンキさんへの売掛金を担保にすれば 結構イージーに金を借りられます、っていう。
そういうようなビジネスですね。
確かその後ドンキさん自身が出資をしてとかって、また今は全く別の資本で やっていますけれど、そういうような形で 連携してやってはいますね。
これも同じくガイアックスでも、取引先っていうか出資先支援の時に、売掛金があるんだけど 現金がないです。
倒産しそうですって言われたら、じゃあ売掛金を担保に金貸すって言うのは 比較的イージーな意思決定ですね。
ましてや売掛金になっていないケースでも 手を出すことがあって、例えば官公庁へのお仕事って 3末になんか締めて、5末に入金があったりするわけですよね。
夏に一生懸命頑張って費用を使って、秋にさらに費用を使って 一生懸命頑張って、みたいな。
そういったものが実は3末納品だから 売上にもなってないんだけど、まぁ、とは言え 月次のサービス提供はきっちりしている、と。
で、めっちゃ厳しいって言われたら、ま、なぜ現金がなくなったのかって言うのも 明らかにわかりますし、で、確かに官公庁のお仕事って 売掛の期間が長いし、ま、正直売掛になる前の期間も長いので、ま、ちゃんとコンペで 官公庁から仕事を取っていて、しっかり納品している って言う事であれば、それに見合う分を 貸し出すっていうのは、すごくリスクは低いと 判断しがちではありますね。

レオ

売掛金を担保に借金をする っていうケースが一般的なんですか?

いや、さっきレオさんがおっしゃった通り、不動産とかを担保に金を貸す っていうのも全然あり得はします。
ただ、アセットってどういう順番で 並んでいるかって言うと、流動性の高いものから 並んでいるんですね。
一番上が現金なわけです。
で、売掛金って言うのはホント 現金の一歩手前なんですよね。
そういった物はすごく現金として みなしやすいって事ですね。
ま、同じく別に在庫を担保に 金貸してもいいんですけれど、じゃあ、在庫が売れるのか? 売った先がお金を入金してくれるのか、とか、そういう事を考えると、売掛金よりかは 大分割り引いていかないといけないし。
ま、在庫を担保にするって言うのはちょっと そもそも売れるのか疑惑があるので、なかなか難しいですね。
あと、株式を担保に金を貸す って言うのも全然いいですけれど、まぁ、だったら株売っちゃえば みたいな気はしますけれどね。
まぁ、こういった 目に見えるアセットだけでなく、先ほども言った通り、将来の事業を担保に金を借りてくる っていうやり方もあるわけです。
ま、将来の利権の事業を 売ってしまったらいいんじゃないの、って言ったら 売ってしまったらいいんだけど、一旦、別で資金繰りを改善させたら この事業を売る必要もないので、一旦、金が欲しい、と。
ついてはこの将来の事業を担保に金借りてこよう みたいなのはなくはないでしょうね。
分かりやすく言うと優良子会社があって バランスシートはすごい小さいです、と。
ただ、もうビジネスとして すごく儲かっています。
エクイティ・ファイナンスすれば 時価総額5億はつきます。
っていう会社を担保にすれば、まぁ、4億借りられるかって言ったら 別ですけれど、まぁ、5000万くらいは 借りて来られるかもしれないですよね。
もう1個、借りて来るって言うので リースというスキームがあるんですが、リースというのは意味はわかりますか?

アカネ

分割払いみたいな イメージがあります。

そうですね。分割払いみたいな感じですね。

リース等の借りる方法

レンタルみたいなイメージがあったり、分割払い みたいなイメージがあるんですが、リースっていうのは どういうものかって言うと、まぁ、例えばコピー機。 複合機が50万します、と。
で、50万に2%。
例えば1万円。 2%の1万円を60ヶ月払えば、5年間使っていられます。
で、5年経った後は もうなんか5万とか払えば、その物自体が自分の物にできます、みたいな。
ここまでは大丈夫ですか?

アカネ

はい。

レオ

はい。

じゃあ、リースを使って どう資金繰りを改善出来ると思います?

アカネ

現金の流出が先送りになるので その分利益が増えると思います。

はい。利益ではなく?

アカネ

現金としての資産。

現金が増えますよね。

アカネ

はい。

利益が増えるかどうかは 全く別の議論なので。

アカネ

はい。

純資産が増えるっていうのは 現金が増えるという意味をさしてないというか、純資産が増えると利益が増えるは ほぼほぼイコールの単語なんですけれど、今議論しているのは、純資産を痛めても 利益を痛めても現金を手に入れればいい、っていう話なので。
それこそ100万で車買ってくるか、100万の2%の2万円で 月額で借りられたらいいですけれど、10万円で車借りてくるか、明らかに月額10万で車借りるくらいだったら 100万で買い切った方が安いんですけれど。
一旦、現金という観点では、10万で済ました方がいいですよね っていうそういう話です。
で、これは購入する時に 適用できるんですけれども、購入した後にも適用できるんですね。
意味わかります?

レオ

購入した後にですか?

はい。

レオ

クレジットで言う分割? 分割で購入したみたいな話とは違いますか?

そうです。
購入する時に分割で購入する っていう事は可能なんですけれど

レオ

ああ。

一旦現金で買ってきた例えばIphoneを、これやっぱり分割払いにさしてもらえません? みたいなことが可能なわけですよ。

レオ

うん。

で、一旦払った現金が一括で返ってきて で、月額払うっていう。
で、改めてですけれどリースの対象になる ような物は一体何なのかと言うと、物が流通するような物です。 なんか意味わかります?
車とかコピー機とか 例えば家の家電一式とか。
こういった物に関しては リースを組むことが可能だし、購入時リースを組むことが可能ですけれど、購入後もリースを組むことが可能です。
ただ、可能っていうのは、あとはそのリース会社が仲良いかどうかとか、リース会社が儲かるような枠組み、要は2%っていうのは、例えば100万円で2%の2万円を60ヶ月払う って事は120万円なんですね。
で、100万円の物を120万払うって事は、5年間で金利を20万払うような ものなんですけれど、ま、それは2%じゃなくて2.2%払いますとか 2.3%払いますとかっていう、そういう話ができるかどうかとか そういうのが総合的にあり得ると言う事です。
あともうひとつは これもちょっとまた別の話ですけれど、お金を借りてくるスキームの中に 更に別のスキームで、ノンリコースローン っていうのがあるんですね。
これはどういうものかって言うと、会社が物を担保に 金を借りてきたら、その物を最悪現金化して お金を返さないとダメなんですよね。
そこまで大丈夫ですか?

アカネ

はい。

仮にその物を現金化した時に、借りた金額に届かなかった場合、どうするかって言う話なんですよ。
どうすると思います?

アカネ

金利を上げてでも 返済期間を先延ばしにしてもらうとかですかね。

そうですね。 返済期間を先延ばしする。
これ別の言い方をすると、その会社が返済義務を負ってる って事なんですよね。
例えば1億円の売掛金を担保に 8000万借りてきました、と。
ところが1億円の売掛金を 払う予定だった会社が飛びました、と。
じゃあ、どうなりますかって言ったら、いやいや、貸した金は返してくださいよ って言うそういう話なんですよ。
一方でその本体に対して遡求してくる。
つまり、担保に入れて物を借りたんだけど、自分自身に対して 遡求してくるものではなくて、遡求してこないのが ノンリコースローンってものなんですよね。
例えば、1億円の不動産を担保に 8000万借りました、と。
で、最悪の時は その物件は持って行ってもらって結構です、と。
いや、物件売ってみたら 6000万にしかなりませんでした。
いや、今回はノンリコースローンなので、それでおしまいです って言うそういう話ですね。
これはどう思います?

アカネ

逆にもしその物件が 8000万よりも高い金額になっていても、その分はじゃあ 得するってことですかね。貸した側は。

ま、一般的にはそれはないですね。
責任追及の時に遡求してくるか どうかって話ですね。

アカネ

であれば貸す側がすごいリスクを 負っていて損なのかなと思いました。

そうですね。おっしゃる通りです。
ま、だからこそ結構見込みの高い資産、具体的に言うと 不動産とかにしか適用しがちではないです。
他は信じられないので。
なかなかノンリコースローン にはならないですね。
別の言い方をすると、ノンリコースローンって不動産の事だよね ぐらいの勢いはあります。
例えば、経営者が会社を作りました。
その会社で金を借りてきます。
これ別の見方すると、連帯保証に入らない限りは ノンリコースローンなわけですよ。
経営者個人からするとね。
連帯保証が入ると会社で返しきれないと、お前が代表者で100%株主なんだから、お前が返せよって 追求されてくるって言う。
そういう意味では、株式会社は昔は 遡求されていましたけれど、創業者に。
最近は創業者の立場で言えば、ノンリコースローンが実現できるように なってきたとは言えると思います。
あと例えば 不動産ローンとか特にマイホーム。
マイホームのローンとかも本当に、例えば6000万の土地を買って 6000万の土地を担保に5000万借りました、と。
これ本当に遡求する必要があるのかな とは思いますけれどね。
多分アメリカとかだと遡求しない形式も 結構多いんじゃないかなと思います。
はい、では続いて 借りるの別パターンなんですけれども、

返さないという方法

お金がしんどくなってきたら 返さないというそういう方法があります。
で、まず倒産と言うのは いったい何なのかって言うと、倒産っていうのは 曖昧単語なんですけれども、手形が落ちないのが2回続いたら、もう手形も発行できなくなって、いわゆる倒産と言われます、みたいな、そういうドキュメントもあるんですけれども、今時、手形を使っている取引も 減ってきているし、最近だと国かどこかも 手形推奨しない、みたいな、そういうもう現金取引にしましょうよ ぐらいのノリになってきているので、あんまり現実的じゃないんですよね。
で、そういう意味で 倒産ってなかなか難しくて、本当に自己破産したり、外部から破産宣告を要求されて、第三者破産かな をされるって言うことになりますけれど、それもあまりないので、要はお手上げしたら倒産なんであって、一旦金を返さない=倒産 ではないんですよね。
この返さないという手法に関しては どう思います?

アカネ

前回倒産のレクチャーがあった時は ひどい話だなぁとは思いつつも、倒産した方が貸し手は デメリットがあるので、全く返さないって言うよりは 少し額が下がってでも、返してもらった方がいいっていう風に 力学が働くのかなとは思います。

そうですね。
ましてや当社が扱っている 唯一の商品の仕入先に対してお金を返さない。
要は買掛金を支払わないぐらいだったら、金融機関に金返さない方がいいですよね。 なんかわかります?
この、僕が今まわしている ビジネスプロセスをぶっ壊すぐらいだったら、金融機関の金を返さない方が、このビジネスプロセスぶっ壊したら もう二度と返ってこないので。
で、金融機関がもう今 アカネさんが言ってくれた通り、交渉が可能だと言う事なんですよね。
で、最悪返さないということが 借りている方はできるんですね。
それはめちゃくちゃ最強なんですよ。
最強って言うのはやっぱり、金を貸す方が強いのか 借りた方が強いのかって、やっぱり借りた方が強いんですよね。
社員と会社どっちが強いかって、いや、いつでも辞められる権利を持っている社員 ってやっぱり強いんですよね。
何かあったら辞めたらいいので。
会社って首切ることが 事実上不可能なので、もう全く勝ち目ないんですけれど そういう意味では。
同じように そういう強い立場にあるからこそ、まず、いやこれちょっと返せないので、5年返済のところ10年返済 にしてもらえませんかって言ったら、まぁ、一言で言うと 飲む確率が高いですよね。
最悪返さんぞ!っていう そういう脅し込みなので。
一方5年返済を10年返済にしてください って言って、はいはいわかりました、ともならない。
なぜ5年返済だとうまくいかなくて、10年返済だと うまくいくのかっていう、そういうロジックとか 事業計画とか、少なくとも机上のプランがないと 話には乗ってくれないけれど、机上のプランがあれば 乗ってくれる可能性はあります。
それで引っ張りながらも なお金が返せないとなると、どこかで返さないっていう 通告をするんでしょうね。
もうリスケいっぱいいっぱいまで してもらいましたけれど、このリスケでも無理です、と。
で、一旦返せません、と。
で、例えば 1年経てばちょっと現金が改善するので、そうなったらもう1回 返済開始させてもらいます、みたいな。
これも現金の取り合いなので、その借りている銀行さんの銀行口座に 現金を入れた状態でそんな交渉したら、いやいや契約書上現金って 押さえられることになっているので、うちの銀行に入っている口座の銀行現金は 押さえちゃいましたって言って負けちゃうので、あくまで現金を別の口座にしたり、取引先からの入金を 別の銀行にするということにしてから、初めてそういう超絶強気な、ただ、そうしたら最後、もうその銀行とは永久に 貸してもらえることもないし、場合によれば他の銀行から貸してもらえることも ないと思いますね。
がしかし、それを超えて 現金を維持する必要性の方が高いので、やらなければならない時は やらなければいけないと思います。
ま、永久にって言いましたけれども、やっぱり資本主義社会は未来志向なので、ま、禊、例えば5年とか10年経って 隆々とビジネスモデルが改善されて、金を貸したら儲かるっていう風になったら、じゃあ本当に過去のやり取りの不正で 貸さないのかって言うとそうではなくて、やっぱり儲かるなと思ったら 貸してくるので。
結果的にはそういうものは 全然アリかなとは思います。

レオ

それって結局本当に返さない っていうケースって多いんですか?最終的に。

いや、世の中で倒産する会社なんて いくらでもあるので、返さないなんてありますよね。

レオ

裁判に持ち込む事って 難しいですか?

いや、持ち込んだところで 無い袖は振れないので。
会社が倒産したら もう取り立てられないですよね。
バランスシートの アセット部分を現金化して、その現金をプロラタ、比率に応じて、金を貸してくれていた人に 分配するんですけれど、税金がまず取られて その次社会保険取られて、そのあと従業員の給料、ま、これちょっと順番 違うかもしれないですけれど、そういうの取られた後の一般債権者に プロラタで分配されます。
それでおしまいですね 倒産処理は。
裁判したって それが改善されることはないので。

レオ

うん。

で、もっと言えば金利取っているので 倒産しないと変ですよね。
金利10%で 100社に貸していますって事は、5社ぐらい倒産するのかなと見込んで、お前ら10%金利取っているんでしょ ってそういう話なので。

レオ

なるほど。

はい。では続いて売る方について 話を進めていきたいと思います。

売るという方法

売るっていうのは、さっき借りるとまぁ結構近いんだなっていう 印象は持ってもらったと思うんですけれど、まぁ、ともかく売れる物は何でも売って、現金に変えていくっていうことを、

BSで見る売るという方法

検討する必要が出てくるのかな という風に思います。
で、特によくあるのが 在庫を安くして売っちゃうって事ですね。
そうすると赤字が出ちゃいます。
しかし現金が入ってきます。
ま、ここから問題なのが、会社の決算が赤字になると 銀行は金を貸してくれなくなるので、もしくは財務条項っていうのが 銀行と結んでいるケースがあって、赤字になったら全額一括返済してくださいね みたいな契約を結んでたりするので、あんまり会計上のPLを汚すと そういうのに引っかかって、全額一括返済を 求められたりします。
ま、でもこれも巡り巡って そこもまた交渉なので、いや、財務条項に引っかかっちゃい ましたけれどもそれは無理です、と。
で、基本の これまでの契約通り支払うので、もうちょっとお目こぼしを って言ったら大体通ります。
リスケが通るかどうかわからないけれど、財務条項に引っかかったけれど 全然大丈夫なので、これまで通りの返済で お願いしますっていうのは、まぁ、結構通るし、正直銀行の担当者からしても、まぁ、僕も詳しくは 知らないですけれど、財務条項に引っかかりましたって事を、わざわざテーブルにあげて来られる方が 面倒臭いっていうか。
そんな一括返済できるわけないのに、契約書として巻いているだけで、一応権利としては持っています って言うだけで、実際はそんなこと現実不可能なので。
まぁ、他は売れる物なんでも持っていく っていう意味で言えば、ま、不動産売ったりとか 株式売ったりとか、子会社売ったりとかっていうことも あるのかなと思いはします。
だからもちろんお金が苦しくなったら、バランスシートを見て 何か売れる物はなかったっけ?
もしくはバランスシートに載ってない物で 売れる物なかったっけって考えますし、例えばガイアックスの投資先で 資金繰りが厳しくなったら、いや、僕らも出資できるなら出資するし、貸付できるならば貸付するけれど、まぁちょっと、うちとしても これ以上リスクは背負えないなって時には、相手方のバランスシート見て、いや、俺らが買える物って なかったっけ?っていう。
そういうのをチェックして、買える物があったら買います、みたいな。
そういうのはあるかも しれないですけれどね。
はい、では次にあるのが、

「売る」の先入金の取引

売るっていうことの販売行為について、もうちょっと突っ込んで いきたいんですけれども、通常のビジネス外で バランスシートに載っかっている物を、売るっていう考え方もあるんですが、通常のビジネスで現金を得るっていうのも もちろんあるわけなんですね。
で、経営が苦しくなった時によくやるのが、先に現金を得る形で売る っていうことなんです。
これは例えば どんなことかわかりますか?

アカネ

何か前払金のような形で実際に取引が 発生する前に入金してもらったりとか、あとはECサービスみたいに 都度で前払が発生するモデルにするとかですかね。

そうですね。
で、もっとえげつないのは、もう大量のボリュームにしてディスカウントして 大量で買ってもらうって事ですね。
例えばアカネさんが ワーケーションのビジネスやってました、と。
5泊6日2万円です、と。
これ、消費者向けに売ってます、と。
資金繰りが厳しくなったら どうすると思います?

アカネ

そうですね、1ヶ月住んで 1ヶ月ホテルに泊まってくれたら、とか伸ばしたりとかですかね。 今の話だと。

そうですね、売れる可能性のことも考えると そういう売り方ではなく、1週間で2万円で2週間泊まってもらって 2万円で済むという、その宿泊券を20回まとめて買ってくれれば、定価40万ですけれど なんと半額の20万で売ります。
ってそういう感じです。
そうするとどうなりますか?

アカネ

先に現金が入ってきます。

その後どうなっていくと思います?

アカネ

でも、その後暫くは入ってこないので、原価割れしてる可能性が高いので 厳しくなりますね。

そうですね。
ま、ホントしんどいですよね。
原価の支払いが来たら、多分、そんな半額で売ったら 原価割れしているので、本当、問題の先送りですよね。
詐欺っていうのは こういうところでよく発生していて、詐欺って言うのは何かと言うと、まず現金をおさえる取引を 詐欺師はしてくるんですね。
当たり前ですけれども。
先にサービスを納品してくる詐欺師とか いないわけですよ。
サービス納品しますよって言って 先現金ゲットして、ドロンするのが詐欺師なので。
で、詐欺とは言えないけれど 果てしなく詐欺っぽいものがあるわけですよ。
例えばエステとか英会話とかの大量販売。
60回券で40回分で買えます、とか。
で、それは詐欺です と言い切るとちょっと問題があるので、詐欺です とは言い切れないけれど、もう果てしなくデンジャラスですよね。 わかります?
会社が倒産しそうになっていったら どうするかって言ったら、おい、みんな、50回券安売りでいいから 売って売って売りまくれって、号令が入ってくるわけですよ。
何だったら1個売るだけで ボーナス5万円払うよ、お前にって言って。
で、現場の営業マンが もうボーナス欲しさに、バンバンバンバン50回券とか 100回券を売り始めるわけですよ。
もうゲームオーバー直前て感じ。
いや、何かの事情で大量券を 安売りしているケースがあると思いますが、もう大量券を 安売りしているという時点で、あ、もうこの会社ヤバいな と判断した方がいいと思いますね。

レオ

でも、それって サービスの質が良かった場合、購入者からしたら 詐欺にはならないんじゃないですかね。

あ、もちろん詐欺にならない可能性も あるんですけれど、50回券買って5回ぐらい使ったところで 倒産するというのが、かなりの確率だっていうそういう話です。

レオ

なるほど。

じゃ、これ詐欺で立件できるかって言ったら できないですね。
ビジネスジャッジって言うのは かなり聖域になっていて、ビジネスジャッジで経営がミスって 倒産しました。
これが過剰に法的責任を 追及されない枠組になっているので。
ま、そこら辺 詐欺師も良くわかっているので、ちゃんと会社にしてビジネスジャッジで、ま、嘘でもいいからって言ったら アレですけれど、事業計画とか建てて、これは詐欺のつもりはございませんでした っていう枠組みにしてしまえば、じゃあ、これ法的に責任を追及できるか って言ったら不可能でしょうね。
ビジネス失敗しちゃいました って言うだけになると思います。
ま、もちろん利便性の観点から そういった物を売るケースもあります。
例えばネット上のサービスとかで、例えばピクスタさんとか、我々企業が写真素材を買う時に 500円振り込んで下さいって、マジ勘弁してくださいよ って感じなんですよね。なんかわかります?
300円のクレジットカードとか マジ勘弁、みたいな。
だったら10万円分クレジット買うから、その10万円分でどんどん素材買って、それが減っていくような形に させて下さいとか、あと、SUICAとかもそうだと思います。
もう面倒臭いから先払いしておいてください って言うそういう話で、ただ、じゃあ会社に対して どういう影響が出るかっと言うと、めちゃくちゃ資金繰りが良くなります。 当たり前ですけれど。
お客さんから、みんなから10万ずつ預かったら、ま、本当に資金繰りが 改善するって言うか。
はい、ここのところ大丈夫ですかね?

レオ

大丈夫です。

アカネ

はい。

将来の事業を売る

次に売るの最後ですけれども、その将来性に関して売る っていうのがあります。
ま、これはどんなのかって言うと、事業とか子会社株式を売る っていうのもあるし、前もちょっと話しましたけれど フランチャイズ。
地域の営業権とかにも表現できるんですけれども それを売ってしまうとか、特許とかもしくは事業提携の時に 大手企業に金を払ってもらう。
なぜ大手企業は払うのかと言うと、そのエリアに対する可能性を 契約書上大手企業さんに引き渡すから、何かお金を払ってもらうっていう 枠組みは作れるとは思います。
今の大体わかりました?
何かわからない事あります?

レオ

大丈夫です。

アカネ

大丈夫です。

例えばガイアックスでグループウェアで iQubeっていうのをやっています、と。
で、例えばこういうマーケットに グループウェアを売ってきているんですけれど、こっちのマーケットは あまり攻め込んでいません、と。
で、正直我々 そこ攻め込むつもりはありませんので、そこを御社強いので営業網を持っていて。
事業提携して売りませんか、と。
で、売ってもらったら利益の6割 持って行ってもらって結構です、と。
その代わり初期でその提携費用として いくら払ってください、みたいな。
こういう感じで資金を得るわけですね。
もちろんそのグループウェア事業を 売ってしまうとか、そのグループウェア事業を持っている、子会社の子会社株式ごと売ってしまう みたいなのもあるんですが、そういうような形で売る事は可能です。
ま、ちなみにあるベンチャー企業が、そのiQubeという グループウェアを開発していたのですが、いくつか事業をしていて 結構その会社の資金繰りが結構厳しくなって、で、実は社外取締役の黒崎さんに 今はなってくださってますが、当時は向こうの会社さんに タッチされてらっしゃって、お話頂いて、ちょっと資金繰り厳しいんだけど っていう話から、じゃあ、ガイアックスの方で iQube事業を買いましょうかって言って、iQube事業を買って現金をお渡した っていうような経緯はありはします。
はい、 資金が苦しい時どうするか?
借りると、あと、売るに関して ちょっと突っ込んできました。
以上のところでご質問ありますか?

アカネ

その借りたお金を返さない って言う結果になった時に、今後が信頼として借り辛くなったり、別の金融機関からも 借り辛くなったりとかしないんです?

しますね。なので、それも ケースバイケースなんですけれど、僕が銀行の営業マンだとして お客さんに金貸しました、と。
で、毎月返してもらってます、と。
話し聞いたら別の銀行のお金を 返し渋りしているなんて聞いた日には、もう二度と貸さないですよね。
なので、無理です。
ただ、じゃあ金融機関から金を借りるのは、ビジネス上絶対必要かって言うのは またケースバイケースで、今からビジネスを作っていきます。
しかも資産が結構必要なビジネス って言ったら絶対必要ですけれど、ある程度ビジネスサイズがあって、で、頑張って経営しているけれど、なんか厳しくなって 現金がなくなって困りました。
そういう時であれば 経営改善して、やっぱり事業で お金を稼げるようにしないといけないので、まぁ、しょうがないんじゃないですか。
しょうがないって言うか、ま、金融機関とは 当面お取引できないですけれど、それを超えていくしかないでしょうね。

レオ

この将来性を売るっていうのが 曖昧な単語なんですけれど、それは将来の事業を売る みたいな話ですか、つまり。

そうですね、将来性のある何かの可能性を 現金に変えるということですね。
例えばフランチャイズって言うのは すごくわかりやすいんですけれども、すごく儲かる焼肉屋を作りました、と。
で、これを全国500店舗自社でやったら めちゃくちゃ利益が大きいです、と。
一方で1店舗出すのにやっぱり3000万とか かかるからもう店出せません。
って言うか手元の本部としての現金ありません。
こういう時どうするかって言ったら、誰かこの儲かるビジネスやりませんか?
これだけ儲かる枠組みはできてますよ。
で、加盟金として 800万払ってください、みたいな。
そして出店費用も そっちで負担してください、みたいな。
そうなるとどうなるかって言うと、その会社が出店したそのエリアで 儲けられなくなるんですね、本部自身が。
よくこれは問題になりますけれど、本部がフランチャイズ店の横に 直営店出してきたとかって言って、議論になったりするんですけれど、まぁ、ホントは例えば 船橋市みたいなエリアを売っちゃっているので、そこには本部も他の人も 参入できません、みたいな。
で、船橋市の中では好きに事業を やってもらって結構です、みたいな。

レオ

なるほど。

ま、でも可能性を売るって言うのは 例えばいろいろなやり方があって、ま、ホント 儲かるビジネスになってさえいれば、その儲かるビジネスに絡んでいる人、川上 仕入先とか 川下 顧客とか、その提携先とか、そういったところに条件変更して この儲けをもっとシェアするから、お金ワンタイムで くれません?って言ったら、まぁ、乗って来ますよね。
はい、他はどうですか?
ま、資金が尽きつつある中で、どういう手を打つのかって言うのは、他にもいろいろ手法があるのですが、一旦ここで 今日のところは終わりたいと思います。
はい、では以上になります。 ありがとうございました。

レオ

ありがとうございました。

アカネ

ありがとうございました。

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