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前回に引き続き、資金調達について扱います。今回は「増資」による資金調達についてのレクチャーです。株式にも様々な種類がありますが、どのようなメリットデメリットがあり、どのように設計しているのかについて扱います。

はい、では本日も経営カレッジ 始めていきたいと思います。
ガイアックスの上田です。

アカネ

ガイアックス新卒1年目のアカネです。

レオ

ガイアックスでインターンをしている 大学3年生のレオです。
よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

アカネ

お願いします。

資金が尽きる際の対応策

今日は前回の続きで、資金が尽きた際の対応策について お話をしていきたいなと思ってます。

資金調達の大きな区分

で、大きな区分としては、借入をする。そして売却をする。 これ前回話しましたね。
で、増資をする。 というのがあります。
今日はこのテーマで お話をさせて頂きたいと思ってます。

BSでの視点

で、簡単に バランスシートを見てご説明しますと、このアセットの部分を売って現金にしていく のが売っていくって事ですよね。
で、売るんじゃなくて それを担保に借りてくるとか、もしくは右側の負債のDの部分を どう増やしていくのかって言うのが、借りてくるっていう事なんですが、今日はその下の方純資産エクイティを どう集めてくるのか、また、Eの部分に加えて メザニンファイナンスっていうのがありまして、それは何かというとDとEの間あたり、メザニンっていうのが 中2階みたいな意味があるんですけれども、DとEの間みたいなのをメザニンファイナンス という風な単語を使っています。
では、早速なんですが、

増資を行う

増資ですけれども、普通の増資っていうのが 第三者割当増資というものなんですね。
で、ちなみに普通株と優先株とか 他にもいろんな種類があるんですが、普通株とか優先株って このあたりわかります?

レオ

すみません。 ちょっとわからないです。

アカネさんとか、ベンチャー業界では よく使う単語なんですけれども。

アカネ

私もちょっとわからないです。

まず、株の増資というのがあります、と。 これは大丈夫ですよね。

アカネ

はい。

で、普通株式というものが あるように見えて、会社法が改正されて株式の名前って 好きに変えられるようになったんですね。
なので、会社が設立した時に作る 株式の名前も好きに決められますし。
あと、株の種類を 作れるようになりました。
なので、普通株っていうのもあれば 優先株っていうのもあれば、A種優先株みたいなそういうたくさんの名前の 株の種類を作ることができます。
で、株1個1個に 特徴をつけることが可能です。
で、基本的には 普通株で増資をしようとしても、なかなか難しかったりするケースが あったりして、で、そういう時にはもうちょっと 株主が得するような優先株みたいな、そういったものを作って調達をしたりする っていうそういうわけですね。
ちなみに株のいろんな設計ができる って言う事なんですが、例えばどんな設計が できると思いますか?

アカネ

聞いたことがあるのは ストックオプションですね。
その買った時の価格のまま 現在の自分の持ってる株を評価できつつ、価値が上がった時に売却できる っていうのを聞いた事があります。

そうですね。 ストックオプションっていうのは、厳密に言うと株ではなくて 株を取得できる権利なんですね。
もっと言えば、ある一定の価格で 株を取得できる権利なんです。
例えば今日100円だとしたら 100円でもいいし200円でもいいし、ま、ともかく今決めた金額で 株を取得できる権利です、と。
で、5年経っても10年経っても、今、この前決めた100円っていう値段は ずっと維持されるので、株価が1000円になったら 100円で取得して、1000円で売り抜けられるっていう そういうような枠組みですね。
ちなみにストックオプションで 取得できる目的となる株式も、これまた好きに設計できるので、普通株を目的にしてもいいし 優先株を目的にしてもいいです。
で、これは資金調達上は、ストックオプションは どういうインパクトがあると思いますか?

アカネ

そうですね、株の割合を そこまで大きく渡すことなく、権限だけを渡すことで その拒否権など権利を失うことなく、メリットを提示できる っていう事ですか?

そうですね、ま、もうちょっと 突っ込んで言うと、いくら会社は現金 いつゲットできますか?

アカネ

今ですね。

新株予約権を取得した人は いつお金を払い込みますか?

アカネ

あ、株を買う時ですね。

と言う事は?

アカネ

未来です。

そうですね。と言う事は ファイナンスの観点からはどうですか?

アカネ

すぐに現金が入らないのであんまり、その現金を手にするためとしては よくないですね。

そうですね。基本的にはその通りで 新株予約権だと現金が取得できない。
と言うか、現金が入ってくるのはいつか っていうのが将来のいつかになっちゃうし、もっと言えば、皆さんが新株予約権を持っていたら どういう時に金を払い込みます?

アカネ

株価が上がった時ですね。

そうですね。ちなみに 経営危機の時に払込みますか?

アカネ

いや、払わないですね。

そう考えると、全然資金調達としては あてにならないシステムなんですよね。
苦しい時は払い込んでこないし、金が余って倒産しなくて よかった安泰だわって時に、初めて払い込んでくるので。
しかも昔の株価なので上がった時に ちょっとしか現金が入って来ないって言う。
ただ、テクニカルには1個、新株予約権というのにも いくつかまた種類があって、基本的にこの新株予約権というものには 金銭的価値があるんですよ。
今例えば株価が100円です。
で、100円で株を取得できる権利10年間。 この権利いくらだったら買いますか?
レオさんどうですか?

レオ

100円で株を取得する権利ですよね?

はい。 今株価100円なんですよ。

レオ

うん。

で、これが明日まで 賞味期限明日までって言われたら、それ何の意味もないよね。 って感じなんですけれど、10年間100円で 株を買える権利なんです。

レオ

そうですね 単純計算で1000円ですかね。

じゃあ、1000円でその権利を買いました。
5年後株価が上がったので 100円払い込んで1株ゲットします。
合計1100円払うって話ですか?
ちなみに100円を超える事はあり得ません。 なぜですか?

レオ

ちょっとわからないです。

アカネさんどうですか?

アカネ

そうですね、この100円が増えるか 減るかっていうところはリスクでしかないので、将来払う金額が今の100円の現在価値を 超えてくる事はないのかなと思いました。

そうですね。もっとわかりやすく言うと、100円払って1株を購入できる権利を 100円で買うぐらいだったら、株を100円で買いますよね。

レオ

うん。

わかります?
後でもう1回100円払い込まないとダメですから 1株ゲットするのに。

レオ

うん。

今150円払ってその権利を買うぐらいだったら 100円で株を買っておけば、株価が1000円になったら 1000円の価値あるし、1万円になったら1万円の価値があるので。

レオ

うん。

たかだか権利ぐらいに 100円は払わないですよね。
そうすると いくらぐらいだと思います?
ちなみに期間が長いと 値段がどうなりますか?
期間が短いと値段はどうなりますか?

アカネ

これって10年後に ってわけではなくて、10年以内に っていう感じなんですか?

はい。10年以内でいつでもOKです、と。

アカネ

でも、期間が長い方が 価値は下がるのかなと思いました。
長くなればなるほど現在価値と離れて 不確実になっていくのかなと思います。

では、例えば100円で株を買える権利 明日までです。
この権利いくらで買います?
例えば今日のガイアックスの株価が 仮に1000円だとしますよね。
1000円で株を買える権利。
ただ、賞味期限 じゃあ来週1週間までです、と。
いくらで買いますか?

アカネ

その権利にあまりお金を払う意味が 見いだせないかもしれない。

その通りですね。 ほぼ価値が見いだせないですよね。
じゃあ例えば 10年間1000円で買えますだと?

アカネ

株が上がる事を期待して 買うかもしれないですね。

はい。実際いくらぐらい払います?

アカネ

30円ぐらいですか。

なるほど。じゃあ、仮に アカネさんがその権利を持っていて、僕が100円で売ってよって言ったら 100円で売ってくれるわけですよね?

アカネ

そうですね、はい。

ちなみに株価がすごく上下動する会社の方が、この新株予約権の価値は上がるわけです。 わかります?
例えば今日1000円だけど もう10年前も1000円だし、しかも1000円がすごく高い時で1020円。 安い時で970円。
電力会社でももっと値動きしますけれど、それぐらい値動きしない株であれば すごくその権利は安いと思います。
一方で、ある時1000円だけど、久しぶりにパソコンを開けて株価見たら ある時は5000円だし、ある時パッと見たら 300円まで落ちてるし、みたいな。
そんな上下動の激しい株だったら その新株予約権の価値は上がるわけです。
ま、そういった事も踏まえて、1000円の株を買える権利っていうのは、まぁ、期間とかその株の 種類にもよりますけれど、まぁ2〜3割ぐらいが 相場かもしれないですよね。
どう思いますか? その金額感に対して。

レオ

質問なんですけれど

はい。

レオ

変動が激しいほど 価値が高まるっていうのは、それはリスクも高い一方で リターンが高い可能性があるからですか?

いえ、違います。 リスクはないです。一言で言うと。
初めに払い込むお金だけが損失なだけで

レオ

あぁ。

株価が下がっても損はしないので。 取得できる権利ですから。

レオ

あ、なるほど、わかりました。

そうすると上下動が激しい株の方が 意味がありますよね。
ここまでの点で 他わからない事ありますか?

レオ

大丈夫です。

アカネ

大丈夫です。

結論的には新株予約権を発行する事で その新株予約権に価値があるので、その価値分、会社としては その権利を投資家に売りつける事ができます。
株価1000円、今1000円です、と。
3年間1000円で購入できる権利。
これを200円で発行して人に売れば 会社としては200円調達できるって事ですね。
ちなみに従業員がよく ストックオプションを取得すると思うんですが、枠組みとしては 一緒なんですけれど、従業員にはタダであげている って言うケースが多いです。
なかなか値段が正確に付け辛いのでね。
この権利っていう物に関しては。
潜在的には価値を持っているけれど、無償にしたからと言って めちゃくちゃおかしいとも言い辛いな、みたいな。
じゃあ話しは戻って株の種類って 他どんな設計ができると思いますか?
例えば借入します。
お金を借りる時って どんな設計ができると思います?

アカネ

でも、1株当たりをいくらにして、何株発行するかってところは 設計できると思います。

そうですね。その通りですね。 値段は設計できますよね。他は?
ちなみに借入の時には じゃあ、いつ返済しますかっていうのもあれば、金利を何%にしますかっていうのもあれば、はたまた返済順位。
会社が倒産した時の返済順位を、一番高くしてくださいとか 一番低くしてくださいとか、あと、担保を付けるかどうかとか、ま、そう言ったような設計ができます、と。
改めて言う事ですが 株式だとどんな設計ができると思います?

アカネ

誰が何割持つのか、ですか?

まぁ、そうですよね。
この普通株と優先株で 例えば、何を違い付けられると思います?
もうちょっと突っ込めば 株ってどんな機能を持ってます?

アカネ

売ったり買ったり 自由にできる事ですね。

そうですね。
でも、売ったり買ったりって 買う人の立場で言えば、何かが価値あるから 売ったり買ったりするんですよね。
どんな権利が 紐付いているんでしたっけ、株。

アカネ

そうですね、配当をもらう権利と

はい。

アカネ

あとはその売買の分の差額 をもらう権利。

そうですね。売買をもらえる権利っていうのは すごく後付の権利と言うか、根源的価値じゃないですよね。
配当をもらう権利があって、それを勝手に買いたい人と売りたい人が いただけの話なので。
ま、配当をもらえる権利。 他は?

アカネ

株を持つ割合によっては 拒否権とかそういった経営に意見する権利。

まさに議決権ですね。

アカネ

はい。

で、もう1個あげるとすると、要は株を持っていると言うのは 会社を所有しているって事なんですよね。
で、会社が解散する時は 負債を全部返済した挙句に、株主にプロラタで分配するわけです。
持株比率に応じて分配するわけです。
その残余財産を取得できる権利 を持っているわけです。
大丈夫ですか?

アカネ

はい。

優先株っていうのはこの辺りを普通の株式に比べて 優先してるって言う話なんですよ。
例えば、普通株に比べて 配当倍もらえるとか、例えば、残余財産に関して優先株の人は、まず、例えば1億円取得して その挙句に分配にありつけるとか。
ちなみにあんまりベンチャー業界で言う優先株に 議決権は優先することはないですね。
どちらかと言うと 財産分与権とかを強くすれば強くするほど、議決権は弱くなっていく って言うのは通例なので。
まぁ、それも設計次第なんですが。
まぁ、お金が厳しい時には そういう形で増資をして凌ぐんですけれども、よく増資ができないケースってあるように 思えるかもしれないですけれど、ま、これも会社によって違うんですが、まず、上場を目指しているのか 目指していないのか。
もしくは、今日時点で上場しているのか していないのか。
そう言ったところで違いがあるんですが、資金調達できない、できないと 言っていますけれど、よくよく話を聞くと 時価総額がすごい高いよ、と。
だから増資ができないんだよ っていうケースもあって、最後、倒産するぐらいなら 時価総額を劇的に下げて、増資をしてしまうっていうのが やっぱり手っ取り早い方法かなとは思います。
その際のデメリットって 何だと思います?

レオ

時価総額を下げた時点で 企業としての価値は下がるじゃないですか?

はい。なので?

レオ

なので?

アカネ

本来調達できたはずの額よりも 調達できる額が下がってしまうので、その分現金も入ってこないってなると 会社の成長も遅くなりますね。

もしも本来調達する額を時価総額を下げて 尚集めたらどうなりますか?
例えば、最後に調達した時 時価総額10億です、と。
でも、それから2年経って 今現金がすごくタイトです。
1億円調達したい。
で、10%株を発行して 1億円調達しようかなと思ったけれど、いやいや、もぅ経営傾いてますよね、と。 10億も付けられません、と。
いや正直、時価総額1億ぐらい じゃないですか?
こうなるとどうなります?

レオ

その調達できないです。

調達できないですか。 まぁ、やろうと思ったらできますよね。
1億って言われている以上は。

アカネ

調達できるのであればデメリットは ないんじゃないかと思ってしまいました。

そうですね、1億って言われたら、結局時価総額1億で 1億調達するわけですから、今ある株式と同等数発行する。
要は50%発行するって事なんですよ。
ま、なので資金調達はできるけれども、経営権、もっといえば、所有権すら、所有権って1株であっても1/100分の持ち分 を持っているわけですけれど、たくさんの持ち分を投資家に 渡さなければならないっていう、デメリットがあるって言う そういう事ですね。
ま、とは言え資金調達が出来ないってことは ないケースが多いなって見ていて思います。
で、それが嫌なだけでね。
実際ガイアックスでも、ま、ガイアックスが やるべき事業のカテゴリーだったら、投資するとかしないとか いつも検討して、まぁ、10個に1個とか 投資していますけれど、いや、どこまででも時価総額下げますよ。 それでも絶対無理ですか?って言われたら、うちがやろうと思っている事業だったら、「いや、どこまででも下げたら、そりゃあ、どこかのタイミングでうち出資しても いいよって思えるタイミングがありますよ。」、って感じなんですよね。
なんかわかります?このニュアンス。
やっても本当絶対勝てないようなビジネス だったら絶対手出さないですけれど。
続いて、 これが普通の第三者割当増資なんですが、それに対して 株主割当増資って言うのがあります。
これは結構会社法的には 別の区分になっていて、何が違うかって言われると、今日時点で 株主さんが例えば3人います、と。
AさんBさんCさんがいて、例えば50%、30%、20%持ってます、と。
この持ってる比率通りに株を払い込んでもらう っていうのが株主割当増資なんですよ。
例えば5株、3株、2株を新規で割り当てて 払い込んでもらうっていうのが株主割当増資。
で、この株主割当増資だと 株式の比率が変わらないんですよね。
で、第三者割当増資だと 赤の他人とかに出してもらうので、株式比率が変わったり、このAさんBさんCさんなんだけど 比率が違う場合は、全て第三者割当増資になっちゃうんですね。
で、株主割当増資の時には 株価がいくらでもいいんです。
なぜかわかります?

アカネ

それぞれの株主の株の1株の価値は 変わらないからですか?

そうですね・・・

アカネ

そうですね。ん?割合が変わらなければ 何株発行しようが同じですかね。

そうですね。はい。
例えば AさんBさんCさんがいて、例えば10株、6株、4株持ってます、と。
で、これを100分割しましょうって言って、10株を1000株にするのって 全然ダメな事じゃないですよね。
全員が100分割されるのであれば 誰も文句言わないですよね。
だから比率が変わらなければ、正直、株価がいくらでも、1円だろうが 1万円だろうが別に誰も文句は言わない。
テクニカルにはそうなんですけれど、実際、株主の立場で、じゃあ、払い込むのかっていう問いが 突きつけられるわけですよ。
今50%、30%、20%持ってます、と。
その株主さんに、皆さんに 今回ちょっと金がなくなりましたので、株主の皆様、プロラタで同じ比率で すみません現金振り込んでもらえませんか、と。
それに相対して 株を発行させてもらいます、と。
で、総額1,000万調達したい と思っておりますので、50%持っている株主さんは500万。
30%持っている株主さんには300万。
20%持っている株主さんは200万。
それぞれ同じ額で振り込んでもらえますか?
で、もらえる株式数は 実はこれこれぐらいになりますって。
ただ、皆さんが払い込まれたら同じ比率なんで って言うそういう話なんですけれど、じゃあ、株主が本当に払い込んでくるかって言うと これまた話は別なんですよね。
で、これがすごく腹立たしい事に、株主割当増資で 株価が劇的に低かったらどう思います?

アカネ

さっきの話のように別に株価がいくらか って言うのは関係ないんじゃないですか?

そうですね。じゃあ、例えば、Cさんが、いや、俺が200万振り込んで 引き続き20%の株式比率をキープできる、っていう風な割り当てを頂いたって言うのは 理解しています、と。
一方で200万手元に現金ないので 俺は払込みません。
とかって言いかねないじゃないですか?
そこまで大丈夫ですか?

アカネ

はい。

払い込まなかった時Cさんの 20%の持ち株比率がどうなるんですか?

アカネ

下がりますね。

そうですよね。これもしも 今回、株主割当増資の時の株価が、劇的に安かったらどうなります?
例えば、今まで 100株の株を発行していました、と。
50株、30株、20株です、と。
今回、株主割当増資で 1000万調達します、と。
1株1円です、みたいな。
で、1000万株発行して、500万株、300万株、200万株を 割り当てる予定です、みたいな。
これCさんからしたら 払い込まなかったら、果てしなく株式比率が 0になっちゃうわけなんですよね。

アカネ

うん。

なので、例えば これまで時価総額5億でした、と。
5億の価値の20%だから 1億持っていたつもりです、と。
で、今回、たかだか 1000万だけ増資をしますって言われて、乗りたくないし 手元に現金ないから乗りたくないけれど、乗らなかったら俺の株が ほぼ0になっちゃうじゃないか、みたいな。
そういうプレッシャーを かけられるって事なんですよね。
実際上あんまり使われないんですが、ロジックとしてはそういう形なので、第三者割当増資とはまた別の株主割当増資 というのがあると言う事ですね。
で、それの更に突っ込んだものが ライツオファリングというもので、株主割当増資なんだけれども、株主割当増資に応じる権利っていうのが 売買できますっていうのが、ライツオファリングなんですよ。
だいぶ難しくなってきましたね。
要は200万振り込むだけで 200万株ゲットできます。
なので、振り込んで下さい。 と言われて、いや、俺振り込むつもりもなかったのに これ振り込まなかったら持ち株比率が下がるし、振り込まざるを得ないじゃないか、みたいな。
まぁ、でも振り込みたくないし、って言うか、この権利 誰かに売れないかな?みたいな。
っていうのが ライツオファリングなんですね。
で、ちなみに上場企業でライツオファリング って言うのはなされるアクションなんですけれど、その権利自体がまた株、株式のように 上場されている状態になって、一般投資家で 売ったり買ったりできるんですよ。
これ払い込んだら買える権利だよ、みたいな。
俺いらないけれど誰かいる?みたいな。
いや、その権利 すごくオイシイから買うよ、みたいな。
じゃあ、売るわ、みたいな。
で、売ったり買ったりして 値段が日々変わるんですよ。
だからガイアックスの株価も コロコロ変わるし、その株主割当増資に払い込む権利っていうのも ずっと値動きする、みたいな。
株主割当増資の払込日が 3ヶ月後とかだったら、3ヶ月間行ったり来たり 行ったり来たりして、で、ある値段になって、で、3ヵ月後にその権利を持っている人が お金を払い込めば、本物の株をゲットできるって言う、そういうなのがライツオファリングです。
これもちょっと難しいんですけれど、まぁ、株主に対して権利を保護する という観点では、第三者割当増資って ちょっとデンジャラスで、新株を得た人に過度に安く 株売ってないか、とか、俺ら損しているんじゃないかって、株主が文句を言えなくはない 枠組みになっている訳ですけれど、株主割当増資とか ライツオファリングって言うのは、株主は平等なのでなかなか文句は言いづらい 枠組みになっていると言う事になっています。

レオ

その権利を売る時の額って 株主の持ち株比率に応じた株価そのままですか?

いえ、まず その権利が1株単位でまた売られます、と。
50%持っている人は 例えば500万個あるし、30%持っている人は 300万個あるし、20%持っている人は 200万個あります、と。
で、この1000万個の割当てを受ける権利が 1個単位で売買されます。
DさんとかEさんとかFさんも入って来て みんなで売ったり買ったりします。
例えば今日時点で ガイアックスの株価が1000円です、と。
で、300円払い込んだら 1株ゲットできますって言う権利。
理論的には700円ぐらいで 売買されるわけですよね。
なので、今日時点の ガイアックスの株価も上下動するし、それに応じてこの権利を買って払い込んだら 1株をゲットできるって言うこの権利も、上下動するって言う そういう感じですね。

レオ

なるほど。

なので、株主割当増資を受けた人は、その権利に応じて金を払い込んで 株を取得できるか、もしくはその権利自体を売却して 現金を手に入れるか、この2つの選択肢から選べる という形になっています。
上場でしかできない 上場企業であるスキームなんですけれど、まぁ、累積でどうでしょうね 50ケースもないんじゃないかな、30ケースとか40ケースくらいかな。
一時期増えたんですが 結構制約を厳しくしたのでちょっと減っています。
ま、ちなみにガイアックスもやっています。
3年かな?5年前、7年前くらいかな?
続いてMSワラント。 これもちょっと難しいんですけれども、新株予約権って 行使されるかどうか不安ですよね。
わかります?
株価が上がらない限り新株予約権ホルダーが 行使してくるかどうか不安なわけです。
で、MSって言うのはMoving Strikeって言う 英語の略らしいんですけれども、行使金額が毎日、例えば株価の9割に 修正されるっていう、そういうような新株予約権なんです。
これだとどうですか?

アカネ

そうですね、いつでも現金に 換えたい時に換えられるのでいいなと思いました。

そうですね。
いつでも新株予約権を株に換えられて、その株を売って現金に換えられるって言う そういう意味ですよね。

アカネ

はい。

なので、その投資家は必ず1割の利益を 掠め取る事ができるわけなんですよね。
このMSワラントを持っていると。
で、例えば投資家が10億あれば 10億全部払い込むと思います。
株価が変わると10億じゃなくて9億とか8億に なっちゃうかもしれないですけれど。
なので資金調達の確度が高いやり方です。
ただ、これ割食うのが誰かって言うと、安値で株を取得させている、1割安値で株を取得させている という観点で、既存投資家が割を食っているって言えば 割りを食っています。
じゃあ、巡り巡ってこれはどう思います? 良いか悪いか?

アカネ

資金調達方法として 短期的にはいいですけれど、長期的には割安で提供してしまって いるので良くないかなと思いました。

そうですね 一般の市場の見方もそうなんですね、結構。
で、まぁMSワラントはどうだろう、今まで数百ケースぐらい あるんじゃないですかね、マーケットで。
日本のマーケットで。 もっとあるかもしれないですけれど。
ただ、ま、正直、投資家としては 1割掠め取れます。
ま、これが10%掠め取れるケースもあれば、7%掠め取れるケースもあれば、5%掠め取れるケースもあるんですが、どちらにしろ その人達は掠め取れるので、その人たちは一定の利益は ゲットできるんですが、ま、その分一定の損失を 株主が被るわけなんですけれど、普通にビジネスを考えたら、そもそもじゃあ今回10億調達する必然性が どれくらいあるのかって言う話で、例えば1億調達する必然性が どれくらいあるのかって言う話で、例えば、倒産しそうって言うんだったら、いや、別にそれぐらい10%ぐらいの手数料を 払っても1億調達した方が、そりゃあ、ヘタして倒産したら これ株主価値0ですよ。
って言うのに比べると格段にマシだし。
そもそもすごい大きなビジネスチャンスがあって 1ヶ月以内に10億調達すると、このビジネスチャンスをものにできる って言うんだったら、正直、じゃあ7%とか8%の発行手数料よりも、正直、10億突っ込んだ後の事業の ボラティリティの方がはるかに高いので、なんかわかります?
ビジネス勝ったら10億が100億になるし、ビジネスに失敗したら10億が0になるので、そもそもこの資金の必然性の方が 重要かなって気がしますね。
ま、ただ、ちょっと手数料の高い調達方法か って言われたらその通りですって言う、そういう感じではあるんですけれどね。

現金確保のための株式交換による買収

あと、増資をするっていう パターンの別パターンなんですけれども、株式交換で現金がリッチな会社の買収 っていうのが、これ増資とほぼ同じ意味なんですが、これは意味わかりますか?

レオ

ちょっとわからないです。そもそも 株式交換の仕組み自体がちょっと不明瞭です。

はい、じゃあ会社を買収する時に、その会社を持っている株主さんに 何か渡さないとダメですよね。
何を渡します?普通は。
例えば、ガイアックスを経営している僕が、レオさんが所有している ある例えばレストランを買収したい、と。
レオさんそのレストラン売ってよって言って。 これが買収ですよね。
オーナーであるレオさんは 何をゲットできます?

レオ

株式じゃないんだ。

何の株式ですか?

レオ

あ、すみません。株式じゃなくて 普通に買収額現金だと思うんですけれど。
違いますか?

そうですね、普通は現金です。
ちなみにガイアックスとレオさんの間で、普通は現金を払って そのレストラン会社くださいなって言って。
売ります、売りますって言って、レオさんが現金ゲットして、ガイアックス社がそのレストランを ゲットするわけなんですけれど、ガイアックスがレオさんに いや、現金じゃなくてうちの株でいい?って言う。
そういう交渉もあり得るわけです。 それはどうですか?

レオ

そうですね、でもやっぱり株価変動するので 現金の方が安心かなとは思うんですけれど。

そうですね。じゃあ、ガイアックスの株 1.3億円分か現金1億かどっちがいいですか?
これだったら?

レオ

うん、そうですね。現時点では ガイアックスの株の方がいいと思います。

例えば、買い手である会社が上場しているか 未上場企業かって、これ重要なわけですよ。
当たり前ですけれど。
上場していれば別にその株をすぐに売れば すぐに現金になるので、かなり現金的な位置付けが近いです。
これ未上場企業だったら、未上場企業の株をゲットしても いつ金になるかわからないから、いや、これは今日時点では 金ですかね、みたいな。
やっぱりそういう回答に ならざるを得ないかもしれないけれど、ま、それもケースバイケースで、いや、別にそっちの株でもいいですよ。
僕も未公開投資したようなものですよね、これ、 って言って。
ま、そもそも今手元に持っているレストランも 未公開企業ですし、それに比べるとステージが上がったかな と思いますって言う意思決定かもしれないので。
ま、ともかく株を発行して 会社を買収してくるって言うのが、株式交換による会社の買収って言う。
会社の買収って言われた時に それ現金ですか?株ですか?って言う、そういうような日本語が 一般的に使われます、と。
で、これが増資と近い効果を発揮してる って言うのは意味わかりますか?

レオ

そうですね、株を売りつけて その分相手が株主になるので、その分払込みしてもらって 調達できるって言う意味で、増資に近いと思いますけれど。 違いますか?

株主になっても払込はしてくれないですよ。
例えば、レオさんに1.3億分の ガイアックス株をレオさん個人に渡しました。
で、レオさんの持っているレストラン株式会社を ガイアックスに吸収しました。
レオさんはガイアックスには お金は振り込んでないですよね。
アカネさんどうですか?

アカネ

そうですね 買収によって連結会計になるので、その買収された側の会社の現金を、自分たちの会社で使う事も できるようになるんですか。

そうですね。連結会計って言うのは会計用語なので ちょっと微妙なんですけれども、要は株式2/3以上取得したら その会社の資産とか好きに使えるし、株主の権利で。
100%子会社になったら 当然のように好きに使えるし、全株配当させてもいいし、親会社に。 なんだったら親に貸付させてもいいし。
で、そもそも買収の時に 子会社として置いておくのか、そもそも合併してしまうのかって言うのは これまた選択肢があって、合併なんかしてしまった日には もう銀行口座も一つになっちゃうので。
ま、一つにはならないですけれど 同じ管理になっちゃうので。
もう色がつかなくなっちゃうので。
なので、経営が苦しくなりました。
なので、ある会社を買収しました。
って言うのは 変な話じゃないんですよね。
もちろん現金リッチな会社を 買収するケースもあれば、収益力が高い会社を 買収するケースもあります。
ま、ともかく現金が苦しい以上は、現金で会社を買収してくるなんて 不可能なんですけれど、要は増資をするのと同様に株を発行して 会社を買ってくると言うような事も、一つは考えられると言う事ですね。

メザニン・ファイナンス

で、次が先ほどちょっとお話した メザニンファイナンスと言うものですね。
で、バランスシートで見ると、上の部分がデットで 下がエクイティなんですけれど、回収権利が強いのは上の方なんですよ。
デットの方が強いんですよね。
エクイティは いつ返ってくるかわかりません。
そもそも返してもらう権利すらありません。
分配順位は最後の最後です。
でも逆に言うと儲けは全部持っていけます みたいな。これが下の方で、上の方はきっちり返してもらいます って言うのが上の方なんですね。
ここまで大丈夫ですか?
で、普通に増資をしようと思っても 増資引き受けてくれない、と。
一方を借入しようと思っても 誰も貸付てくれない、と。
そういう時に出てくるのが 例えば転換社債とかワラント債ってもので、転換社債っていうのは 一応借入でスタートするんだけど、例えば今日時点の株価で投資家サイドが、ま、金返してもらおうかなと思ったけれど 株価が上がったから株に換えておくわ、っていう権利を持っているんですよ。
貸付って言うのはローリスクローリターン なんです。わかります?
出資って言うのは ハイリスクハイリターンなんです。
で、転換社債って言うのは好きなタイミングで 株でも貸付でも投資家が選択できるので、一言で言うとローリスクハイリターンを取れる スキームなんですね、転換社債は。
ワラント債って言うのは 新株予約権のついた社債です。
ま、転換社債と すごい近いと言えば近いです。
例えば1億分のワラント債を取得しました。
株価1000円で行使できる 新株予約権がついてます。1億円分。
で、全部行使したら 1億円向こうに渡るので、向こうからしたら その1億円で社債分返せるので、ま、でも、ワラント=新株予約権と 社債部分が分離されているので、ま、返せるけれど一旦返さないでおこう っていうようなやり取りもできるので。
ま、転換社債よりももうちょっと自由度が高い って言えば自由度が高いんですけれど、ま、転換社債とワラント債って言うのは そういう意味でよく似たものですね。
次に劣後債って言うのは 社債なんだけど、ま、要は借入なんだけれど、既存の借入の人に割って入って 財産分与を要求するもんじゃないですって言う、そういうものなんですよ。
何て言うんですかね、社債の優先順位が低い。 そう言ったものです。
なので、非常に 貸し手が見つかり辛いんですけれど、その分、金利が高いってものですね。
で、これよく使うのは 銀行とかがよく使うんですよ。
で、銀行っていうのは 安全性がすごく問われる業種なんですけれど、それはなぜかわかります?

アカネ

そうですね、一般消費者が お金を預けている場なので、確実に返してもらわないと うまく成り立たないからだと思います。

そうですよね、アカネさんが銀行預金に入れている お金を使ってビジネスを展開しているわけです。
人に貸し付けて利益をあげたり テレビCM打って他の顧客を集めたり、いろいろしているわけです。
そんな中で銀行に問われるのは、アカネさんにちゃんと現金返せますか? って言うのが常に問われているわけです。
なので、銀行が借入してくるって アカネさんからするとドキドキするわけですよ。
借りてきた金でビジネスするって ドキドキするわけですよ。
そんな事しないでエクイティで調達して ビジネス展開してくれよって。
で、なぜ借りて来てビジネス展開するのを アカネさんが嫌がるかって言うと、私と同列なのでもしも会社が傾いた時、債権者一律3割カットで返済しますかって 言われたら私のお金3割なくなる、みたいな。
なので嫌なんですよ。
だからエクイティで調達してくれよ って感じなんですけれど、銀行サイドもそんなバンバン エクイティ発行していたら、株主に怒られますよっていう中で よく使われるのがこの劣後債で、一般投資家よりかは順位が低いです。
なので、預金口座の皆様には ご迷惑はかけませんって言う、そういうような枠組みなので、銀行で要求される自己資本率 みたいなのがあるんですけれど、劣後債の場合は一部が自己資本として認められる って言うそういうルールまであるって言う。
ま、自己資本に認められるって言うのは 変なんですけれど、ま、そもそも自己資本をなぜ BIS規制って言って、政府が銀行に要求してるかって言ったら、一般預金者を保護するために 自己資本比率をルール化しているので、一般消費者よりも下の劣後債なんて もうそういうの別に。
そのルールの理念に法って考えたら、いや、その自己資本に 入れてもらっても大丈夫です。
ってそう言うような位置付けですね。
あと、優先株はさっき言った通り、どちらかと言うと 株の中でも上の方にあるものですね。
比較的現金が返ってくる 可能性の高い株式です。
一般的には上にいっているので 議決権は総体的には下がっています。
ただ、まぁベンチャー業界の時は契約書で 議決権まで結構、刈り取られたりするんですが、コンセプトとしては上にいけばいくほど 議決権はなくなっていくので、で、下にいけば下にいくほど すごいリスクを背負っているから、議決権持ってますって言う そういう話なんですね。
ちょっと話は戻りますけれど、そのデットとエクイティっていうものがあって、要はそれぞれの特徴があって、デットでもいろいろ設計できるし エクイティでもいろいろ設計できるし、もっと言えば デットとエクイティのその間とか、もしくは その両方の要素を組み合わせながら、ファイナンススキームは 組み立てることができますよって言う。
で、前回、いや、アセットがあれば 売ってしまうのも手だけど、そのアセットをベースに借りてくるのも手ですよ みたいな話をしたわけですけれど、そのデットエクイティの方も いろんなバリエーションがあるって事ですよね。
で、そのいろんなバリエーションが あるんですけれど、なぜそうなっているのかって言う 背景を理解しないと、組み合わせようもないし 提示された時に、これってどんなメリットがあって どんなデメリットがあるんだったっけ、って言うのも ちょっと考えられないって言う、ただ、結構ここら辺を 全部組み合わせていけば、パッと会社がある時に、普通の銀行が、いや、これ以上金出すのは 無理でしょって言われても、ひゅるひゅるひゅるって 4〜5000万お金を集めてくる。
もしくはガイアックスの立場で、その条件だったら 喜んで4〜5000万出しますよ、みたいな。
そんな条件に仕立て上げることが可能だ って事ですね。
ここまででご質問ありますか?
大丈夫ですか?

アカネ

さっきガイアックスも 5年前にあったって仰っていたのって、交換、株式交換でしたっけ?

ライツオファリング。

アカネ

あ、ライツオファリング。

レオ

大丈夫です。

ちなみにガイアックスは株式交換買収とかも いろいろやっているし、結構いろんなパッケージを 駆使してるかなとは思います。

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