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段階利益(経常利益、営業利益、当期純利益など)について、段階別にしている理由、どのステークホルダーがどの項目を重視しているのか、などをレクチャーします。

では今日も経営カレッジをやっていきたいと思います。
ガイアックス上田です。

アカネ

ガイアックスのアカネです。

レオ

同じくガイアックスのレオです。

今日はですね、会計の基礎まずは、財務諸表のうちの損益計算書について、お話しをしていきたいなと思っています。

財務諸表は3つ。
損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、 キャッシュフロー計算書(CF)の3つになってます。
レオさんとアカネさんは、この3つが何かわかりますか?

レオ

正直すいません、一切の知識もなく、 なんのことかわからないです。

東京に一人暮らししてる、自分の娘の話を聞くとき、損益計算書とはどんな話だとおもいます?

レオ

損益計算書…収入と支出の話?

そうですね、貸借対照表は?

レオ

えっと…借金の話?

そうですね。
現金貯金いくらあるの?っていうの、借金ないよね?というのが貸借対照表。
大丈夫ですか?
キャッシュフロー計算書は、現金の流れだけを追いかけることなので、少しちょっと別枠になります。
重要なのがPL・BS キャッシュフロー計算書は、おまけ的なものなので、基本はPLとBSを把握できればいいと思います。
いくら収入があって、いくらまで使ってんの?っていう話なんですが、一番最初に、売上があるとして、売上の下に、どんな構造があると思います?

アカネ

そうですね、 売上から原価を引いたものが総利益で、そこから販管費を引いたものが 営業利益だと思います。

はい、今言っていただいた通りです。
総利益とは粗利とも言われます。
これらは、日頃営業をやってる人が、気にするところですね。
事業部長が気にするところは、売上があって原価。
例えばイモ仕入れてですね、焼きイモにして売りました、イモの費用が原価、軽トラでやっているとしたら、ガソリン代といったものが販管費 それで営業利益です。

ちなみに、販管費の下に営業利益、こういったことが続いています。
営業利益というのは、焼きイモをした時の利益が営業利益です。
営業外損益って書いてます。
営業外費用とか営業外収益とか、そういったものがあるんですが、何かというと本業以外の収益になります。
多いのは焼きイモを始めるのに、お金を300万借りました。
その300万円の金利を払っている等です。
はたまたお金が500万あって、それを預けて、金利が入ってきてる、こういったものは営業外損益です。
なぜ営業外損益を、わざわざ別にしてるんでしょうか。
会計というのは法則じゃなくてコンセンサスですね。
信号がなぜ赤青黄色なのか?
海の色が青色ということとは、全く別のロジックで、僕たちがそうしようって決めただけなんですよね。
つまりコンセンサスなんですよ。
じゃあなんでわざわざ営業外損益と 営業利益を別にしたんでしょうか?
アカネさん?

アカネ

そのビジネス自体で儲かっているお金が、いくらなのかを明確にするためですか?

そうですね。
A君とB君がヤキイモやってました A君は1億円の現金を銀行に預けてるから、金利収入があり、結果としてすごく儲かってる。
B君は1億円の借金をしていて その金利を払っているから損してます、だとしたら経営分析ができないわけですよね。
なので、本業の事業だけで、実際売上利益が出てるのかどうか?
というのを見やすくするために、わざわざ営業損益を切り分けるわけです。
営業外損益を織り込んだものが経常利益です。
さて経常利益とはどういう意味でしょうか?

レオ

常に発生する利益じゃないですか?

そうですね 漢字みたらイメージがつきますね。
つまり本業も本業以外も含めて、定時的に出てくるものを織り込んだら、経常利益が出てきます。
経常利益の下にあるべきものはなんだと思います?

レオ

特別損益。

これはどういうものですか?

アカネ

臨時で発生する損益。

そうですね、地震、コロナ、 お金盗まれた、宝くじ当たったとか、特別に発生するもの。 なんで特別損益外します?

レオ

ちょっと分かんない。

アカネ

もし何かその臨時のことが起きなかった時の、会社の状況を見るためですかね。

そうですね。
コロナは、特別損失になる?ならない?

アカネ

難しい。

レオ

特別損益になるのかな 。 例えばZoom、コロナでとても儲かってますよね。

そうですね。

レオ

それはなるんじゃないですか。

アカネ

コロナによっての助成金はなると思います。

そうかもしれないですね。
じゃあコロナで店を閉めて 店舗の撤退費用が発生しました、これは?
特別損益じゃないですか。
そうかもしれないですね。
今感じてもらった通り、特別損益に何が組み込まれて、何が経常利益に入るか?例えば、Zoomの売上はおそらく特別利益じゃなくて、普通の利益、売上なんですよ。
どれが入ってどれが入らないかっていうのは、世の中に一定のガイドラインが作れても、明確な正解、不正解はないんですね。
意味わかります? そんなもの作れるわけないですよね。
会計ってそういう曖昧なところが多数あります。
はい、その下にあるのが税前当期純利益。
当期というワードに注目してください。
意味分かります?

アカネ

当期は今の期間ってことですよね。

じゃあ当期とは、色々あったけど、要は今回の期、例えば1年間、その間どれだけ純利益が出ましたかということです。
つまり経常利益は、何を特別損益に入れるかどうか、すごく自由なので、コントローラブルなのですが、当期純利益はそれに比べると、コントロールがしづらい 全部の費用をともかく、ともかくさっぴかないといけない 。
当期純利益、税前当期純利益になりますが、日本は税金が昔は40%、おそらく20%まで下がっていくと思われます。
今30数パーセントです。
それだけ税金が引かれて最後当期純利益になります。

アカネ

はい。

これはですね、1つ1つの利益、それぞれに意味があるので 丸暗記するんじゃなく、普通に考えたら出てくると思うんですよね。
今あげてきた利益が、これだけあります。

上からもう1回、レオさん全部言っていけます?

レオ

はい、売上、総利益、営業利益、特別損益、税前当期純利益、当期純利益、あっ、経常利益が抜けてました。

特別損失や特別利益をさっぴく前が、経常利益ですね。
頭にいれておきましょう。

じゃあいろいろな利益がありました。
会社にまつわるたくさんの人、 色々いますね。
誰がどの利益を気にすると思います?

レオ

難しいですね。
少なくともCEOでしたら、 総利益は気にしなきゃいけないんじゃなかな。

CEOが総利益を気にするかどうか、答えはYESですね が、しかし、それだけを気にするか?というと 他のことも気にしてるかもしれないですね。
ほかは?じゃあアカネさん?

アカネ

そうですね…うーん、財務の人は、税前当期純利益を気にしそうです。
なぜなら、

会社の中の人じゃなくて、会社の外を含めたら?

アカネ

会社の外の人は、株主の方は経常利益を気にすると思います。
その会社自身の力を見たいので、臨時の時も気にしますね。
ちょっと難しいな、会社が通常運転でどれぐらいの力があるのか。

そうですね、それは一つ事実です。
じゃあ株主は経常利益を一番フォーカスする。 ほかは?
ほかは気にしない?

アカネ

税前当期純利益も気にすると思います。

その理由は?

アカネ

特別なことで何か利益に変化が起きていないか、それを見るために気にするかなと思いました。

それを言い出すと全部気にするんで、本来気にするのは当期純利益、なぜでしょう?

アカネ

最終的な株価につながるから。
会社の価値につながるから。

いや違いますね。
当期純利益というものは、一言で言うと株主のものなんですよ。
鶏があって鶏が卵を産んだら 卵は俺のものなんですよ。
株主からしたらそういう感じなんですよ。
色々言ってるけど今年いくらの現金を生み出したの?
というのが当期純利益で、株主は気にします。
ただアカネさんがいう通り、デフォルトの力として、君たちはどれくらい?例えば投資をする段階では、そういうの気にするかもしれません。
その意味では経常利益を気にするかもしれません、 他は?

レオ

少なくとも、財務の方って全部気にしないといけないですよね。

そうですね、全部気にするでしょうね。
ただ総利益はあまり気にしないかもしれません。

レオ

何でですか?

なぜだと思います?
じゃあ逆に、事業部長は何を気にします?

レオ

事業部長…、営業利益ですかね。

そうですね、なぜ?

アカネ

原価の中に販管費も含めて考えているのかなと、原価を引いた数字ってよりは、販管費その人件費とかも含めて、引いた数字を見ないと、そこで結構大きな差が出るので、営業利益を見て、実際に、そのビジネスが どのぐらい儲けが出ているのか見るのかなと。

そうですね、原価だけ引いて粗利が出たと喜んでるのは、事業部長としては失格で、販管費まで引いて利益がが出てるかどうかも、チェックしなければならないですね。
逆になぜ経常利益や当期純利益を気にしないですか?

アカネ

KPIなってないと言うか、自分のその責任範囲外と捉えているから。

そうですね 会社で例えば事業部が5個あって、それぞれ営業利益を叩き出すのにがんばってます。
会社全体で金をいくら借りてるのか、会社全体で運用資金がいくらあるのか、いくら利益が出ているのか、会社全体で損益が通算された結果、税金がどれくらい引かれるのか、というのは、各事業部長からすると関係ないからですね。
一方で、財務部長からしたら 売上総利益・営業利益の段階までは、事業部判断なので、例えばレストラン経営者が 人件費をたくさん入れて野菜仕入れてきて、レストランで加工しようが、加工した野菜を仕入れてきて人件費を減らそうが、そんなことは好きにしてくれと。

誰がどの利益を気にするのか?
じゃあ銀行は?金融機関は何を気にします?

レオ

金融機関…、経常利益じゃないですか?

そうですね、会社のデフォルトの強さをチェックしたいので、経常利益が多いと思います。
じゃあ税務当局は?

レオ

税前当期純利益なんかなって。

そうですね 経営者が、何を特別利益にいれようが 経常損失にいれようが好きにしてくれと、今期どのくらい利益出したのか、 それに35%をかけて税を徴収するからです。
仕入れ担当者は おそらく総利益を気にするでしょうね。
一方経営者は、多くのステークホルダーが、どういう風に会社を見ているのか?
ということを気にしながら、経営してるので、当たり前ですが全般的に目を配ってるし、それぞれのステークホルダーと対峙するときは、それぞれのステークホルダーが きっとこれを気にしてるよな、と思いながら対峙しています。

じゃあステークホルダーの位置はどこですか?
会社におけるステークホルダー。
重要な順であげると?
どんなステークホルダーがあります?

アカネ

顧客、株主、協働している他の会社、

そうですね。
もっと重要な人がいます。
「お客様は神様だ」、「会社の所有者は株主だ」、他は?

アカネ

従業員。

そうですね、従業員は重要なステークホルダーです。
あと1個。

アカネ

経営者ではないですか?

経営者ではないですね。
一般的に経営者は入ってこないです。
あとは地域社会ですね。
この4つが一般的に重要なステークホルダーです。
それに比べると、金融機関や取引先は劣後する立場にあります。
経営者はどこにいるんでしょう?

レオ

この中に含まれているってことですか?

含まれてるのか、いったい何なのか?

アカネ

それぞれに価値を提供する役割ですか?

そうですね、ちなみに経営ってなんだと思います?

レオ

経営ですか…。

アカネ

会社を維持しつつ、成長させる活動?

そうですね、成長させる必要があるか? というと微妙なんですが、例えば確実に廃れていく石炭鉱山を経営しています。
それが経営じゃないのか?というと違います。
こういったステークホルダーの方々の、利害を調整していくのが経営ですね。
なので当たり前ですが、これらのステークホルダーに経営者は入らないです。

株主・顧客・従業員・地域社会、その他の金融機関はどこに位置しますか?
まず株主は?

レオ

株主は…税前当期純利益、…じゃない、当期純利益。

そうです、税金もさっ引かれた後に存在します。
じゃあ従業員は?

アカネ

総利益ですか?

そうですね、総利益か、営業利益ですね。
人件費が原価に含まれるのか、販管費に含まれるか、シチュエーションによって異なります。
例えば人材派遣業、これは人が原価なので、人代は販管費に入ってきます。
システムエンジニアリングも人月なので原価に入ります。
一方で営業マンは?販管費に入るわけです。
どちらにせよ販管費や営業利益の範囲ですね。
お客さんはどこにいますか?

アカネ

売上ですかね。

そうですね。
地域社会は?

アカネ

税前当期純利益。

そうですね、税前当期純利益から税金を払うのが、ひとつの還元方法なので。
ちなみに金融機関は?

レオ

そうですね、経常利益。

そうですね。

ここでリスクを背負っているのは誰ですか?

アカネ

経営者?

経営者ではないですね。
今経営者はどこにも存在しなかったですよね。

アカネ

株主ですかね。

そうですね、株主と地域社会が、同じような場所にいるわけです。
意味わかります?税前当期純利益が出て初めて、税金を納めるし、税金をさっぴいた後に、初めて株主にお金がいくわけです、利益が出て初めて35%、65%くらいで、株主と地域社会に分配されるわけです。
国がリスクを背負っているとは言いません。
どちらかというと税金を負担できる人から、税金払ってもらいましょうという観点から、利益が出た人に払ってもらっているわけです。
一方、株主は確実にリスクを背負っていて、お金が入ってくるかどうかが、全く不透明です。
どういうステークホルダーにお金をさっぴかれるから、そういう不安定な状態になるんですか?

アカネ

顧客ですか?

顧客は売上ですね、 そこから誰にさっぴかれていますか?

レオ

金融機関?

金融機関もあるでしょう、

レオ

地域社会。

いや地域社会は税金ですから、35%、65%で、同じリスクを背負っているとも言える。

アカネ

従業員。

そうですね、 従業員がけっこう大きな割合をしめています。
以上でPLの説明は終わりになります。
今日のレッスンに全体で、何か質問はありますか?

アカネ

そうですね、今まで、この項目名自体は知っていたんですけど、誰がどこを気にするのかっていう、発想に至ったことがなくって、それをすごく勉強になりました。

レオさん、質問や感想はどうですか?

レオ

会社の業績を知りたい時、 どれを注視すればいいんですか?

一般的には経常利益です。
経営者が積極的に特別利益に回してるリスクがあって、その辺りはしっかり見る必要ありますね。

レオ

ガイアックスでは、 どんな特別損益の事例がありますか?

ガイアックスは、おそらく かなり独特な会計の形にしてるので、残念ながら実力をPL上で、もしかしたら財務諸表でチェックするのは不可能ですね。
実際には投資したが、1年以内に撤退を決めたものを特別損失とか、グループ会社を売却したから特別利益とか、そういったものがあります。

アカネ

具体的に特別利益を調整する時の動機って、例えば資金調達をしたいから、経常利益を上げたいから、特別利益を調整するとか、なんか具体的にどういうシーンがありますか?

そうですね、まさにそうです ただ税務当局は気にしないですよね。
投資家が「この会社もデフォルトの強さを チェックしよう」という場合、経常利益をチェックするというのなら、それをコントロールしようというインセンティブは、経営者サイドで働いて、そっちに寄る可能性はあります。
もしくは、例えばゴーンさんが入ってきました、これから俺が経営しないといけないんだけど、一旦ここでウミを全部出しておいて、来年から利益を出そうというだったら、その年に大きな損失を出すかもしれません。

アカネ

のれんの計上の仕方は、この辺に関わりますか?

そうですね。
のれんの計上の仕方は、特別損益に入ってくることがありますね。
それはまた次回以降にしましょう。
今日はまずは会計基礎の中でも、基本の損益計算書、PLに関して概略を説明しました。
BS、キャッシュフローステートメントに 入っていきたいと思います。
はい、皆様お疲れ様でした!

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