優先株式増資の際に、企業価値が…

多くの会社は資本金を公開しています。資本金とは何を表しているのか、いかにその数字を捉えたらいいのか、についてレクチャーします。
経営カレッジを始めたいと思います。
ガイアックスの代表の上田です。
同じくガイアックスのフジです。
同じくガイアックスで インターンをさせて頂いている、明治大学3年生の小林レオです。 よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
これまでやってきてアカネさんどうでした?
すごい勉強になるので、結構楽しみな時間になっています。
レオさん、前回のバランスシートは理解できました?
はい、なんとか。たくさんメモって。
バランスシートの構成って何がありました?
流動資産、固定資産、流動負債、固定負債です。
そうですね。資産と負債ですよね。
もう1個ありましたよね。
純資産です。
そうですね。資産って言うのが、自分の持ってるものを全部一覧にして、負債っていうのが 自分が借りてるものを全部リストアップして、残りの部分が資本です。
今日はそこの部分をやっていきたいと思います。
資本、純資産の部ということが何なのかということを、確認していきたいと思います。
資本に関して何でもいいのでわかること、こうじゃないかと思えることを 言っていってもらっていいですか?
資本金が多い方が安定した会社、っていうイメージが一般的にあると思います。
資本金、そして安定した会社だというイメージがある。
そうですね、他は?
機械とか工場の設備とかは資本に含まれますか?
含まれないですね。
資産に含まれますよね。 そういったものは全て。
それで自分の借金を引いたものが 純資産ですよね。
ちょっと繰り返しになりますけれども、資産というのは、自分の持ってるものを 全部並べるんですよね。
負債というのは自分が借りてるものを 全部並べたその差額なので、差額、例えば利益って何ですかって言った時に、いもの売上ですって言われたら違いますよね。
いもの売り上げと いろんな費用を引いた差額が利益です。
だから利益を指指すことは非常に難しいんですよね。 計算上の産物だから。
例えば売上であるいもを指すことも可能だし、費用であるガソリンを指すことも可能なんだけど、利益を指差してって言われたら、計算上で出てきたものだから させないですって。
資本もそういうことなんですよ。
じゃあ、100円お金を拾いました。
資本はどうなりますか?
100円ですか?
資本はどうなんだろう?
それ難しい・・・ 100円増えるんですか?
100円増えますね。なぜ増えますか?
何も自分は失うことなく現金がやってきたので、
そうですね。
資産が増えて何も失ってないので。
じゃあ、いきなり損害賠償請求があって、裁判で認められて 1000円支払い義務が発生しました。
資本は増えますか?減りますか?
減りますね。
減ると思います。
減りますよね。
会社を作った時は、自分がお金を払い込んで 100万円とか例えば払い込んで、その100万円から純資産がスタートするんですね。
ただ、その100万円が 例えば食材に化けたり、例えばお金を借りてきて、現金と借入が増えたり、いろんなトランザクションを繰り返していくと、どんどんはじめの100万円とは、関係がないような状態に近づいていきます。
結果的にスタートの100万円+利益の蓄積、まあ、損失が出たらその分減っていくんですが、そういう計算上の産物が時系列で着地したもの、と言うのが資本になります。
もう1個は、資本というのは、株主のものなんですね。 これ意味わかります?
例えば100万借金して 100万の物件を買いました。
この物件は株主のものかと言うと、株主が盗んだら金を貸してくれた人に悪いというか、その100万の物件持っていったらダメでしょって言う。
ただ、そこが賃貸収入を発生させて、100万の現金を導き出し、そしてその物件を売ったら100万になって、借金は返しましたと。
手元に100万円だけ残っています。
逆に言うと資本に100万円計上されています。
それはまるまる株主が持って行っていいんですね。
純資産の部をもうちょっと、
ブレークダウンしてみると こういう形になっています。
そもそも純資産の部、資本という部分を、日頃イメージしないので、その内訳をなかなかイメージしづらいと 思うんですけれども、ともかく総額としては、資産と負債の差額が総額です。
その中で一番最初に、資本金というのがあります。
例えば100万円で作れば 100万円の資本金があります。
その後、一番最後に利益剰余金とありますけれど、利益が出たら増えていって、赤字になる所がマイナスになっていって、要は資本金の分が減るということですね。
もう1つは、例えば100万円出資しました。
会社を作った時に。
半分の50万は 資本金に入れないといけないんですが、半分の50万は、資本剰余金の方に入れることが可能です。
増資をして行く時に、全額を資本金に入れる必要はなくて、一部を、半分未満なんですが、一部を資本剰余金に入れていくことが 可能になっています。
ここまでは大丈夫でしょうか?
それはどういう理由で 半分を資本剰余金に入れるんですか?
そうですね。また別の質問で、資本金というのは一体何なのか、ということが重要になってきます。
資本金というのは一体何でしょうか?
、
会社を作る時に最初に用意するお金。
最初って、 でも増やしたり減らしたりもできるので、
そうですね。資本金は会社を作る時に、最初に出すけれども 増やしたり減らしたりできると。
なぜ「資本金」何ていう項目を用意してると思います?
もう純資産の部以上でいいじゃないですか?
なぜ資本金なんてわざわざ作ってると思います?
その会社の安定性を見れるからですかね?
どこまでが、
会社の安定性を?
見るため、
見るため、例えば資本金1億です。9000万の赤字を出しました。 あ、レオさんどうぞ。
会社の将来性かなと思ったんですけれど。
会社の将来性。 会社の将来性ではないですね。
なぜ会社の将来性だと思いました?
資本金をまず最初に用意して、起業するなら資本金によって、その会社がどう成長していくのかとか、将来性が見れるのかなと思ったんですけれど。
全く関係ないですね。
1000万で会社を作りました、A君が。
B君が1000万で会社を作りました。
A君もB君も資本金が1000万です。
A君はその1000万で 非常に売上利益をあげてるし、どんどん成長しています。
B君はお金を使い切っちゃって、倒産しちゃいました。
同じ資本金1000万なので、未来を表すものではないですよね。
B君が倒産する前に資本金1000万で、現金1000万だったんだけど、900万の赤字を出してしまいました。
残り100万円しかありません。
でも資本金は両方1000万です。
アカネさんの先ほどのコメントに戻りますが、こういう状況があるんですが、どう思いますか?
安定性は見れないんですかね。
安定性は見れないですよね。
それでは何のために資本金というのは わざわざ項目としてあるのでしょうか?
アカネさんのコメントに近いんですけれども、今の純資産の厚さを表すものではなく、今の安定性を表すものではなく、いつかわからないけれども 少なくとも立ち上げ以降において、累積これだけのお金が積まれましたよ、ということだけを表明しているわけですよね。
ですので1億円の資本金があって、今、残り1000万の資本 純資産しかない会社かもしれないし、100円で作った会社なんだけれども、今、純資産額が1億円あるかもしれないし、そういったことはわからないんですが、少なくとも株主が払い込んだお金として、100円なのか、1億円なのかっていうのが、明示されてるわけなんです。
じゃなぜそう言ったのものが明示されているか?
例えば、純資産の部を、当社の安全性を説明するために、使ってもいいんですけれども、純資産の部って言うのは日々変わるわけですよね。
分かります?
例えば100円で仕入れて200円で売った瞬間に 純資産額が変わるわけです。
そんな日々変わるものを回避できないし、まあ、1年間で締めてもいいんですけれども、1年間で締めても1年ごとに 数字が変わっていくわけです。
それに比べると資本金っていうのは、明示的に変えない限りは変わらないので、このビジネス社会において、会社の安定性、信頼性、規模を、予想させるものとして、資本金っていうのは使われています。
逆に言うと、資本金以外に、外部に明示されてるものはほぼない と思ってもらって大丈夫です。
それは上場していない企業の場合 っていうことですか?
そうですね。上場していれば 1から10まで開示してますけど、上場していない場合ですね。
資本金て、見栄えを 自分でコントロールできたりもするけれども、その情報しか出ていない ってことですね。
そうです。売り上げがいくらなのかなどは どこにも出ていません。
商工リサーチとか、そういったところが調査した結果ですね。
経営者にヒアリングしたりして、数字が明らかになってるケースがありますけれど、基本的にはそういった情報は表には出ず、資本金だけ表に出ているんですよね。
ニュアンスとしては、人で表すのは難しいですが、例えば4年生大学卒みたいな、そういったものかもしれないですよね。
4大を卒業したからと言って、今、真面目なのか、今、知識が溜まっているのか怪しいものですけど、中退したけれど、こっちの方が 頭いいみたいな人も全然いますけど、まぁ、1つの表明として4大卒です、みたいな。
資本金が大きいと どういう効果があると思いますか?
今の話を聞く限りは 見栄えが良くなるとは思って、そこを重視している人にとっては 良い評価を受け取れる。
その通りです。では他は?
レオさん、
単純に使える金が、資本金が大きければ大きいほど、大きいサービスを作れる可能性が高くなる。
そうですね。設立した当初は 1千万の資本金で1千万の現金がある会社より、1億円の資本金で 1億円の現金がある会社の方が、レオさんが言うとおり 色々なことができる可能性があります。
でも、設立して10年20年経ったら 結局現金がどうなっているのか、累積の損益がどうなっているか 全く分からないわけです。
つまり、1千万の会社と1億の会社で、どっちが現金が多いかどうかも、全く不透明になっているわけです。
そのような中で資本金が大きいと どういう効果があるでしょうか?
繰り返しになりますけれども、外形的に会社のサイズとか安定度を測るのが、良くも悪くも資本金しか存在しないです。
資本金は登記簿謄本を取り寄せれば見られるので、資本金しかわからないです。
例えば、会社の中で信用を与える可能性、信用を与える事ってありますね。
例えばお客さんから仕事が来ました。
先にお金を振り込んでもらいますか?
それとも商品を納品してから、お金を振り込んでもらえますか? どちらですか?
先ですね。
先に振り込んでもらう。
企業間取引においては、先に振り込んでもらうことはレアです。
企業間取引においては 先に商品を納品してから、請求書を出して払い込んでもらいます。
この時相手に信用を与えている というのはわかります?
どういうことですか?
先ほどおっしゃったように、資本金の額によってその会社が安定してるとか、信頼を示していると言う事じゃないですか?
そうですね。 レオさんが仕事を取ってきました。
例えばオンラインでお祭りをやるから、その運用をガイアックスさんに任せたい。
そのビジネスの規模は1000万です。
サービスを提供してくれれば 翌月に1000万払います。
レオさん及びガイアックスは こういう申し出に対して、どういうようなことを考えますか?
こちら側が資本金1000万で、そのオンラインフェスを開催するってことです?
いえ、資本金は関係ないです。
むこうがオンラインのお祭りをサポートしてくれれば、1000万払いますと言ってるんです。
そういう案件をレオさんが取ってきました。
ガイアックス及びレオさんは どういうことを考えるでしょうか?
相手が本当に払えるかどうか じゃないですか。
そうですね。
相手が本当に払えるかどうか、そうじゃないと怖いですよね。
相手が大手テレビ会社でした。 どうでしょう?
ある程度知っているなら 信用はあるのかなって言う、
そうですよね。
では、相手が昨日会社設立した アカネさんの個人会社でした。
これだと?
信用できないです。
信用できないですよね。 その時は何て言います?
お断りします。
お断りする。
もしくは先に1000万払ってもらいますか?
なるほど。
こういった判断を会社としては、どのようにしたらいいんですか?
経理部にノートがあって、そうですね。
資本金で一定程度、共通のルールを作るというのが一般的なやり方です。
それでも多額になってくると 資本金は信用できないので、信用調査を入れるとか、もしくは初めての取引だったら、300万までは信用を与えてもいいけれど、300万を超えるんだったら 先払いしてもらうとか、いろんなルールがあるんですが、そう言ったルールの中に資本金という単語が 使われることは多々あります。
他は、資本金が大きいとどうなりますか?
企業買収とか そういう会社の価値を見定める時の、観点の1つとなると思います。
そうですね。企業買収とかの観点の1つ になるかもしれませんけれども、本当に面談前に使うくらいですね。
面談して真面目に商談を進めようと思ったら、こんな外形的な資本金は信じずに、ちゃんとバランスシートを見て、ちゃんと純資産があるのかないのかを チェックします。
例えば4大卒かどうか、書類選考くらいでは使うかもしれませんけれども、実際採用するとなると4大卒だから大丈夫だ なんてことはないわけですよね。
仕事ができるのかねってフタを開けないと、実際採用しないので。
それで言うとまさに採用の時とかに、エントリーする人が増えそうですね。
そうですね。 転職とか新規で就職する時に、資本金で見て小さいと大丈夫かなって、不安になるかもしれないですし、まぁ学生さんは気にせず、就職するかもしれないですけども、親御さんがこんな小さい資本金の所で大丈夫かね みたいな。
そういうことを突っ込んでくる かもしれないですよね。
ただ、あくまで実態を表したいので、資本金は、過去累積の振込額なので。
他に、例えば国が会社に対して、色々な法律とかルールとかを適用する時に、会社のサイズを表すものとして、資本金というのを採用します。
例えば大きな会社が粉飾決算していたら、社会的なダメージって大きくなるんですよね。
ところが アカネさんが昨日作った100万円の会社なんか、粉飾していようが何かしていようが 社会的にダメージは何もないわけですよ。
さっきの話にのって、資本金が大きい方がいいのか、資本金を小さくして、資本準備金に入れた方がいいのか、このあたりをもうちょっと ステップを進めていきたいと思います。
次に配当のルール、純資産の部は、究極的に言えば株主のものになるんですけれども、ここは大丈夫ですか?
持っているものから借金を引いたものは、株主のものなんですけれども、これを株主に渡す方法、例えば配当とか自社株買いというのがあるんですが、これにはある一定のルールがあります。
どんなルールがあると思いますか?
純資産の部っていうのは株主のものなんだから、株主が好きに持って行っていいでしょ、と思うかもしれませんが、実態はそうではありません。
どんなルールがあるでしょうか?
経営者が配当に回すのか、投資に回すのかという意思決定をする。
そうですね。
もちろん経営者が意思決定をします。
では、全額配当に回しますか? 純資産の部を。
どうなんでしょう。
全額回してしまったら、将来投資に回せなくなるので、あまり聞いたことはないです。
でもそれは会社の方針次第ですよね。
ルールとしては純資産の部が、資本金を上回ってる時に配当に回すんです。
意味わかりますか?
純資産が資本金を上回った場合。
ちょっとわからない。
純資産っていうのは一体何でしたっけ?
株主がいつでも取れる。
はい、理論的にはね。
そして純資産というのはバランスシートの中で、どういう風に算出されますか?
アカネさん、
資産から負債を引いたものです。
そうですね。資産から負債を引いたものが 純資産ですよね。
つまり、会社として今どれくらい純粋な資産があるか、負債を全部支払っても、残ってる資産がどれだけあるか、これは純資産です。 資本金は何なんでしたっけ?
資本金はあるタイミングでの現金ですかね。
そうですね。
会社が設立した時や後から増資を経て、払い込まれた分量を表していて、何よりも外形的にこの会社が 信用できるかどうかっていうのに、使われている指標ですよね。
純資産の部が仮に1000万に毀損していたとしても、過去に1億円振り込まれていれば、1億の資本金になってるんですよね。
外形的にはこの会社1億円の資本金だから そこそこ信頼できるのかな、みたいな印象をみんなは持ってるわけです。
そんな時に純資産の1000万を、配当に回すのが許されないことなんです。
なんやかんや経営をやってきて、累積の純資産が1億5000万になってます。
外形的には資本金1億ですって言い放っています。
こういう時に差額の5000万は 配当に回すことが可能なんです。
難しい?
わかりました。
アカネさん何か質問ありますか?
知らなかったのですごいびっくりしました。
実は純資産が8000万で資本金が1億で、資本金を割り込んでいって、配当できないにもかからず、もしも万一配当しちゃったら どうなると思います?
監査で引っかかりますか?
引っかかってどうなると思います?
現金がなくなる。 そもそもどうやって配当するんだろうと思いました。
現金はありますよ。 例えば8000万あるかもしれないですよね。
資本金が1億って言っているだけで、純資産が8000万なだけで 現金があるかないかはあるかもしれないですよね。
でも会社としての安全性は 低くなっていきますよね。
そうですよね。1億の資本金だと言っているのに、しかも8000万の純資産しかないのに、そこから更に現金を配ったら、純資産が先減っちゃうんですよね。
ただ、それをやっちゃいましたと。 さあどうなるでしょう?
誰がダメージくらいます?
株主ですね。
株主はなぜダメージをくらうんですか?
将来的にダメージをくらう。
会社の価値が下がっていくので。
そんなことないですね、会社の価値が下がった源泉は、現金が僕の手元に来たから 会社の価値が下がっただけで、株主としては一言で言うと損はしないですね。
経営者です。
経営者、なぜ経営者が損します?
余剰がないのに配当に回して 損しかしないじゃないですか。
経営者は基本的には損とか得っていうのは あんまりないんですよね。
ステークホルダーでもない。
ステークホルダーの誰が損するかっていうのを、調整する役目、係なので。
従業員ですか?
従業員でもないですね。
従業員でもありますけど 従業員でもないです。
繰り返しですけど資本金1億あるぞって言って、結果として純資産が1000万になってても、1億円の資本金を信じて取引するのは、世の中よくある話なんです。
ただ、そんな中で株主が残りの1000万から、現金引っ張ってきちゃダメよ、っていうルールがあるだけなんですね。
ここまで大丈夫ですか?
つまり資本金分の外形的に言ってる、信頼の目安である資本金を割り引くことの行為を、誰がダメージをくらうかというと、資本金を信じて取引をしているたくさんの方々、がダメージをくらうんです。
わかります?
例えば各自が1億円払い込んで会社を作りました。
翌日に9000万配当で引き出しました。
実際には会社に1000万しかありません。
でも、資本金1億ですって言っています。
こんな状態で取引をしたら 世の中じゅうの会社がダメージをくらう。
それは許されないと言っているんです。
ただ、その許されないことを仮に 万が一したらどうなるか?どうなると思います?
その会社自体が 周りの会社に対して信頼を失っていく。
周りの会社もダメージを受けて 倒産とかに繋がる。
例えば配当した現金を株主に返せっていうのは、物理的に不可能なんです。
例えば僕が作った株主僕だけの会社なら 物理的に可能ですけど、株主が1万人いて配当1000円から1万円 みんなに振り込みました。
それを返せと言うのは不可能なんですよ 現実的に。
なので、もしも余裕分がないのに 配当可能利益と言われる、そう言う余裕分がないのに配当したら、経営者、取締役が連帯して配った分を、払い込まないといけないんです。
こういうルールになっているんですが こういうルールに対してどう思います?
取締役の責任だとしたら 妥当じゃないですか。
そうですね妥当と言えば妥当ですよね。
ちなみにこれって どうやって金集めて払うんですか?
どうやって? もう一度お願いします。
配当分を払う時にどう払うんですか? 普通に借金して払うってことですか?
借金して払うことも可能ですけれども、例えば1億円の資本金で会社を作りました。
みんなが1億円払い込みました。
会社に1億円の現金があるので、そこから3000万振り込むことは可能ですよね。
ただ、その3000万を株主に返すと、1億円の資本金の会社ですって言っているのが、割り込んでいるのに配当してるって言うのが 問題だって話です。
で、一般的に経営者というのは 実はあまりリスクを背負っていません。
会社が倒産したところで、経営者がリスクを背負う必要はないです。 一般的に。
よほど会社が事件を起こしたとしても、よほど酷い経営者でない限り、それはもう予期不可能でしたということで、経営者が責任を問われる 個人的に経営者の責任を追及されることはないです。
ただ、この配当可能利益を割り込んで配当した時は、ダイレクトに経営者が責任を取るので、これは結構慎重になります。
わかっていて割り込んでしまうような配当をするポカは 誰もしないんですよ。
問題は、例えば会社が儲かっていますと で、物件も色々あって、いろいろ儲かっていますと、ただ、実はその物件の価値が、実際はすごく値下がりしていて減損状態でした。
これ減損すると利益がぶっ飛んで、純資産の部が減るので、実は配当可能利益はなかったっていうのが、ストーリーなんですけれども、経営者がそれを知ってか知らずかごまかして、減損をしない状態で利益が出てます。
って言い放って配当したけれども 後で突っ込まれて、いやこれ粉飾といえば粉飾かもしれませんね。
ってなった時に 粉飾はそれはそれで罪に問われますけれど、純資産が割り込んでいるのに配当したら、経営者みんなで連帯保証でしょっ ていう話になるんですね。
大丈夫でしょうか?
なぜそこまでして 配当しようっていうことになったんですか?
そうですね。 これもいろいろあるんですけれども、基本的には株主がなぜ出資をするのか、なぜ出資をすると思います?
リターンが返ってくるからです。
そうですよね。リターンが返ってくるから。
配当する行為というのは 株式会社にとっては当然なんです。
それをしないというのは なぜ商売しているんですかっていう、日本語とかなり近いですよね。
で、もう1個は大手企業になればなるほど、例えば毎年1株当たり 例えば10円の配当をしています。
10年毎年安定的に10円の配当をしています。
じゃあ、今年は10円の配当をしないと言うと、今年の社長である私がOBから、社内から株主から袋叩きにあうと、だから10円の配当は死守だ。
その為にこれだけの利益を確保するのは死守だ。
みたいな力学があるケースもあります。
あと、会計上の利益が常に曖昧なんですよ。
分かります? 会計ルールが全て明確だったらいいですよ。
例えば信号が赤の時は渡ってはだめ。 これだったらダメですよ。
事実はいろいろあるんです。
信号の色は青から グラディエーション的に赤色になっていって、気がつけばまた青色に戻ってくる みたいな世の中で、あるルールに則って、ここから先は赤色 ここから先は青色というルールで、コンセンサスがあって会計を回してるんですけれど、そのコンセンサスも年々変わったりするわけですよ。
そんな時に経営者がこれは利益でしょっ て押し通しがちなんですよね。
それが粉飾まで行くケースもあれば、いや、これは会計のミスだよね。
っていうケースもあれば、いやそうとも言えるけれど そうでもないとも言えるけど、難しいですね。
みたいなケースもある。
そんな中で、明確に配当可能利益がないと思えるかどうか って言うのはまた難しかったりするんです。
では資本金に関して、もしくは純資産に関して、今日は一旦ここまでにしたいですが 最後にご質問があれば、
上田さんはどれぐらい資本金を 重視していますか?
まぁ、ぱっと見ますよね。
例えばベンチャー企業が資本金1000万で、まだ経営者だけで作った会社なんだ みたいな状態なのかは、資本金が3億で、シリーズAもシリーズBも終わってるのか、みたいな、パッとは見ます。
だから資本金が3億あるからと言って 明日倒産しないなんてことは思っていない。
3億あろうが 全部お金を使い切っているかもしれないので、全然信用はしていないです。
他はいかがでしょうか?
その会社情報をホームページで観ていると、社員人数も上がってるところは上がっていて、その辺は見せたいから見せている みたいな感じですかね?
そうですね。社員数とか売上とか利益というのは 見せたい時に見せるために出しているという感じです。
資本金をホームページに載せている会社もあれば 載せていない会社もありますけれど、おそらく資本金が一番載っている可能性が 高いと思います。
もしくは会社のパンフレットとか観ても 資本金だけは載っているケースが多いと思います。
というのは載せようが載せまいが 登記をみればすぐにわかるので。
大丈夫でしょうか?
他ご質問は?
では、今日はこれで終わりたいと思います。 ありがとうございました。
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