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減価償却とは一体何か、どのステークホルダーが減価償却に注目しているのか、経営者はどのように減価償却をコントロールしているのか、などをレクチャーします。

今日も経営カレッジをやっていきたいと思います。
ガイアックスの上田です。

アカネ

ガイアックスの新卒1年目のアカネです。

レオ

同じくガイアックスでインターンをしている 明治大学3年生のレオです。

これまでやってきてアカネさんどうでした?

アカネ

段々情報量も増えてややこしくなっては 来てるんですけれども、楽しく勉強させてもらっています。

レオさんどうですか?

レオ

全くの無知の状態からスタートしたので、ついていくのが精一杯ですけれど どんどん吸収していきたいと思います。

何かを購入すると財務諸表はどうなる?

今日は減価償却についてやっていきたいと思います、まず、何かものを買った時に、機械などを買うとややこしい っていう話なんですけれども、何かを購入すると財務諸表上はどうなるのかと、いうことについて3パターン事例を用意して、

消費 在庫 機械3パターンの事例

それぞれが財務諸表上どうなるか、この段階でわかることを、それぞれ言っていってもらいたいと思います。
消費、アイスクリームを買いました。
財務諸表上はどうなるでしょう? アカネさん。

アカネ

アイスクリームを買ったので 原価が増えますか。

ごめんなさい。アイスクリームは 営業途中に疲れたから、アイスクリームを買って食べた という意味でアイスクリーム。

アカネ

アイスクリームを買ったら現金が減ります。

財務諸表上はどのように表現されますか?
バランスシートとPL上には どのように表現されますか?

アカネ

アイスクリームを買ったら バランスシートでは資産が増えて、負債が増える。

そうですね、 アイスクリームを買ったというのは、アイスクリームを買って食べたということを 暗に伝えたかったんですけれど、映画を観たでもいいです。
営業途中に疲れたから映画を観ました。
これを改めてBSとPLで説明すると?

アカネ

何も手元には残らないので、ただただ現金が減ったので資産が減って、純資産も減る。
PLの場合は利益が減る。

そうですね。利益が減る。 大丈夫です。

では次に在庫。 例えば焼き芋屋さんをやっています。
芋を買ってきました。
芋を買った瞬間 財務諸表はどうなりますか?レオさん。

レオ

BSの場合が資産が増えて負債も増える。
PLの場合が支出が増える。

違いますね。
まずBSからいきましょうか。 芋を買いました。
BSはどうなりますか?

レオ

芋の在庫が増えるという意味で 資産は増えます。

そうですね。
芋の在庫は増える。在庫という資産が増える。 それは事実です。
一方で 同じく資産にある現金が減るので

レオ

なるほど。

今財布に1000円入ってるレオさんが、100円で芋を買いました。
900円の現金と100円の芋に変わるので、資産が入れ替わるけれど合計は変わらない。
で、負債も変わらないし純資産も変わらない。
で、PLは芋を買いました。
PLに何の影響があるかと言われると、何もないんです。
なぜならその芋を200円で売った時に、初めて100円の原価としてみなされるので

レオ

その時点での支出は含まれないのですか?

その時点で例えば100円支出として 計算したとしますよね、で、来年、芋を売りました、200円で。
来年の原価にならないってわけないですよね?

レオ

なるほど、理解しました。

例えば娘に、お前なんか今年贅沢してるんじゃないの と話した時に、例えば売り物の芋を 今年たくさん買ったからといって、贅沢してるつもりはないはずなんですよね。

では、3点目。機械。 例えば焼き芋カー。
軽トラを500万円で買いました。
これはどういう風な処理をしますでしょうか? アカネさん。

アカネ

BS上では資産が増えて、純資産が減ると思います。PL上・・・

違いますね。
BS上もう一度お願いします。

アカネ

機械を買うので機械っていう資産が増えて、でも現金も減るので 純資産は変わらないですね。

そうですね。

アカネ

PL上では 使うまで変わらないんですかね。

そうですね。ここで問題なのが、芋の在庫は売った時に原価として認識されますけれど、焼き芋カーをいつ、どういうふうに認識したらいいか わからないわけですよね。
潰れるまで資産として認識して、潰れた瞬間をゼロにするっていうのも、わからないでもないですけれど ちょっと乱暴ですよね。
と言うので出てきた概念が 減価償却と呼ばれるもので、例えば5年で100万円ずつ 償却していきましょうみたいな。
そう言ったような概念です。
これをもう1回整理し直します。

消費の場合の財務諸表

映画を観に行きましたとか、アイスクリームを買いました。
これは購入時1年目としてはPL上は費用です。
そしてBS上は資本が減少しています。
キャッシュフロー 今まだ勉強していないですけれど、現金としては当たり前ですが、現金流出して行きます。

在庫の場合の財務諸表

続いて在庫。 芋を買ってきました。
これは購入時1年目としては、PL上は買った瞬間は影響ありません、PLは。
芋の在庫を買った時にPLに何の反映もされません。
売り上げが立たない限り影響ないので、PLは。
次にバランスシートは 現金と芋が入れ替わっています。
資本は影響なし。
キャッシュフローは当たり前ですが、レオさん。

レオ

現金流出。

そうですね。 1年目に流出しました。
2年目になって売りました、例えばね。
PLはその在庫が原価として認識されます。
100円で買った芋は200円の売り上げに対して 100円の原価となります。
バランスシートは芋がなくなるけれど、おそらく販売したということは 現金が入ってくるので、100円の芋がなくなって、150円の売り上げが入ってきたりします。
もしもそれで利益が出ると 資本が結果として増えるという感じです。
キャッシュフローは現金で売ったとしたら、その売った分の入金が現金として入って来ます。
では、3点目、機械ですね。

投資の場合の財務諸表

芋カーの時はどうなるのか?
購入時1年目、これPL上は影響ありません。
ちょっとややこしいので 難しいですけれど、年末に買いました。
例えば12月30日に買いました。
年末ギリギリに買いました。
PLは影響なし。
バランスシートとしてはそれが資産計上されます。
当然キャッシュフローは 当たり前ですが現金流出します。
例えば5年で500万円償却するとなると、2年目以降PLに減価償却費というのがきます。
つまり毎年100万円ずつ、PLにダメージがくるわけです。
その分バランスシートからは、償却分が資産減少します。
キャッシュフローはどうなると思います? 2年目以降。アカネさん。

アカネ

1年目の時点で全額支払っているので 変わらないと思います。

そうですね。焼き芋カーを買って、5年間会計処理するかもしれないけれど、焼き芋カーを買った中古屋さんには、1年目に500万円払っているから、2年目以降に何か作業することは、発生するわけがないですよね。
結果的にキャッシュフロー上は 何も影響なしという形になります。

レオ

今更なんですけれど、減価償却って具体的にどうするんですか?

はい、そうですね。
例えば500万円で買いました。
この500万円の車 いつ費用にしたらいいと思います?PL上。

レオ

売り上げが出てからですか?

売り上げが出てからっていいますが、では、例えば焼き芋カーを500万円で買いました。
で、200円の芋が売れました。
そうするとどうしたらいいですか?
ちょっと難しいですよね。

レオ

はい。

100円の在庫の芋は200円で芋が売れたら、初めて100円の原価として認識する。
それは全然変じゃないですけど、500万円の芋カーはいつPLとして認識すればいいか 難しくないですか?
例えばずっと資産として評価して、一切費用として認識せずに、車が潰れた時に 車を廃車した時に、その500万円を費用としてみなす。
こういう考え方は1つあります。
これは変ですか?

レオ

いや、変じゃないと思います。

では、例えば車が5年ごとに壊れるとしたら、5年ごとにPLが悪くなるわけです。
そうすると営業成績がわからなくなってくるわけです。
それを回避するためにどうしたらいいと思いますか?

レオ

減価償却を設定してマイナスに しておくってことですかね。

マイナスにしておくと言うと?

レオ

具体的には分からないですけど

例えば500万円の車を買って 5年位持ちそうだなと思ったら、5年に分けて費用にする マイナスにしておくわけですよね。
毎年100万円ずつ価値が減っていくと、結果として4年で壊れました。 どうしたらいいですか?アカネさん。

アカネ

4年目に多めに償却して終わるですか。

そうですね。 残存している価値分を全部償却して終わる。
例えば1年目100万円償却して 2年目100万円償却して、3年目に100万円償却して 4年目に潰れたら、残りの200万円を4年目に全部費用を 計上せざるを得ないですよね。
逆に6年もちました。 6年目はどうしたらいいですか?レオさん。

レオ

償却分をプラスする。

5年目終了時点で、その車の資産価値は いくらになっています?バランスシート上

レオ

5年経ったら0です。

そうですね0ですね。
6年も使いました。
では、6年目のPLはどうなりますか?
じゃあ、アカネさん。

アカネ

原価には機械は含まれない形で 計上されると思います。

なぜですか?

アカネ

もう既に機械の価値は なくなっているけれども、それを使って 利益を生み出すことができているので

そうですね。 物はまだ存在するけれど、もう0の価値だと会計上みなしているので、これ以上費用も出ないし という状態になっています。
ここまで大丈夫ですか?
では、償却に関して基礎情報として、定額償却と定率償却の話をしたいんですけれども、定額償却っていうのは、例えば、500万円を100万円ずつ償却します って言うやり方。
定率償却っていうのは、例えば毎年30%償却していきます。
これどちらが実態に近いと思います?

レオ

わからないですけど定率ですかね?

なぜですか?

レオ

定額だと安定しないと言うか

定額償却と定率償却の違い

アカネさんどうですか?

アカネ

私もなんとなくのイメージで定率で、その機械のイメージなんですけれど、機械が毎年毎年同じように 使えなくなるかって言われたら、って言うよりは 最初はすごい使えるけれど、だんだん使いものに ならなかったりとか、時代に合わなかったりとか するイメージなので定率ですかね。

そうですね。
おそらく皆さんが買ったiPhoneの中古価格、この中古価格が定額に価値が下がっていくか、はたまたこういう風に 定率に下がっていくかと言うと、定率に下がっていくと思うんですよね。
定率は最初にすごく価値が減っていって、後での減りが減ってくるわけです。
これ大丈夫ですか?
例えば500で買ったものを3割償却すると、1年目に150償却するわけですけれど、そうやって価値が減っていって、残存価値が100になったら、30しか減らなくなるわけですよね。
定額だと毎年100ずつ減っていくので、平均して減っていく。
どういう風に選ぶかというのは、企業の方針によるんですけれども、適切なものを選択して、適切な期間と適切な方法を選択して、償却してくださいという風になっています。
では、続いてですけれども、

減価償却の科目の特徴

減価償却の科目の特徴なんですけれども、他の科目に比べて、1つは特徴として、すごくコントロール可能だということです。
多分、レオさんもあかねさんも 今の話を聞いていて、なんか違和感があったのは、全て勝手に決めていいんですか?
そんなので会計にしていいですか? っていうところだと思います。
まさにその通りで、結構コントロールが可能なんですよ。
まだ車とかだったら、世の中にコンセンサスがあるんですけれども、例えば、業務改善用のソフトウェアを買いました。
このソフトウェアが何年使えるかなんて、誰もルールができなくて、非常にコントロールが可能です。
もう1個は、減価償却の部分が 小さければいいんですけれど、会社によってはすごく大きいんですよね。
例えば鉄道会社とか、例えばエアラインとか たくさんの機械を買って、毎年費用として減価償却を ばんばん使ってるわけです。
もしもその飛行機が倍使えるという風にみなしたら、もしくは、その飛行機が予定よりも半分位の、時間で潰れていくとみなしたら、決算書って大きく変わってくるわけです。
売上高対営業利益率っていうのが、まあ、もちろん業界にもよるんですけれども、2割3割出るなんてことは、すごく優良企業でない限りありえなくて、ともすると3%とか、5%っていうのが 変じゃない水準だったりするんです。
3%とか5%しかないその営業利益の水準で、減価償却費がコントロールされたら、結構なボリュームである 減価償却がコントロールされたら、営業利益が大きくブレてくるので、そういうようなものであると言う風に 考えてもらえたらと思います。

減価償却は誰がどう見る?

続いてこの減価償却、誰がどう見るという観点では、誰がどう見てきそうですか?
誰がどういうような意識を持って見てきますか?
例えばステークホルダーの一員である従業員さん、この人達からすると あんまり興味ないと思います。
他は誰がどう見ると思います?

レオ

株主がその会社の業績上の安定性とかを 見るために見ると思います。

そうですね。
例えばレオさんが「焼き芋屋をやるんだったら 金出してあげる」と言って金を出したわけです。
株主ですよね。
その友達が焼き芋屋を ビジネスとしてやっているわけです。
業績がよければ 僕に給料たくさんくださいねと言っています。
どういうような観点で、その車の減価償却をレオさんは見ますか?

レオ

先ほどの話のように、買った機械などは壊れる可能性があるかとか じゃないですか。

そうですね。あかねさんどうですか?
どういう視点で見ますか?

アカネ

利益が多く出てる割に、減価償却をすごく先延ばしに しているんじゃないかって、いう風に見ると思います。

そうですよね。
すごくそれが怖いですよね。
例えばこの焼き芋カーは20年もちますと言って、毎年25万しか償却せずに、利益をばんばん出していたら、お前この利益偽物じゃないか、ってなりますよね。
株主の視点はそうです。
他の視点は?

アカネ

お金を貸してる金融機関も 同じように見ると思います。

そうですね 黒字だと言って金を借りに来てて、お前本当に黒字なのかってそういう会話ですね。
なぜ他の費用に比べて減価償却について、僕がこうやって言ってるというか、株主がよく注目してチェックしに来ると思います?

アカネ

先ほどおっしゃったように、コントロールが可能なポイントなので。

そうですね。
例えば従業員の給料を実際に払っていたら、実際に払った分だけ 費用として出てくるわけです。
それを嘘をついて100円払っているけれど、50円しか払っていませんって言ったら 完全なる粉飾決算で、それはそれで現金残高も崩れてくるし、そんなこと誰もしないですよね。
グレーゾーンである減価償却で ごまかしてくる可能性が高いので、裁量の余地があるから よりチェックが入りやすい。
他にチェックしてくる人は? 一番重要な人、この件に関して。
おそらく株主以上に日頃から議論にあげている人、利益に興味があるのは株主以外に誰ですか?

レオ

顧客

顧客が利益に興味ありますか?

レオ

ないですね。すみません。
取引先

取引先興味ありますか、利益に?

レオ

ないですね。

誰が利益に興味ありますか?
誰がリスクを背負ってて、利益の出るいかんによって変動してきますか?
株主はまさにそうとおりです。
他は?

レオ

出資してくれた人ですか?

株主ですよね。

レオ

はい、そうですね。

利益が出ようが出るまいが、お金を引っ張り込める人は 正直、利益に興味がないんですよ。
取引先も100円納品して 100円払ってくれるのだったら、お前の会社が利益が出るか 出ないかなんてどうでもいいって感じです。
従業員も僕が働いて 30万円の給料をもらえるんだったら、会社が利益が出てようが出てまいが どちらでもいいって感じ。
株主は利益が出たら ダイレクトに返ってくるから、すごく利益に興味がある。
金融機関も相対的に言えば 興味はあるけれども、究極、金利払って返してくれれば大丈夫なので、すごく興味あるかと言えばそれほど興味はない。
では、ステークホルダー他に誰がいますか?

アカネ

他は地域社会ですね。

そうですね 地域社会はどういう形で絡んできますか?

アカネ

税金ですね。

そうですね。
税金の観点で減価償却はどうですか?
もしくは利益の観点はどうですか?

アカネ

減価償却を短いスパンでやると、利益が小さくなって 税金も小さくなります。

そうですね。
税務署はそれが嬉しいですか?悲しいですか?

アカネ

悲しいですね。

そうですね。
つまり減価償却に一番こだわっているのは 税務署です。
僕の車は3年で壊れそうだから3年で償却します。
いや、うちの会社は2年で壊れそうだから、2年で償却しますって言って、ガンガン利益を圧縮されると、取れるものもなくなってしまうわけです。
そのために税務署はどうしたと思いますか?

アカネ

減価償却の期間を 長く設定するように要求した。

そうですね 減価償却の期間を、法律で1個1個定めました。
車は何年ですとか、運送用の車は何年ですとか、消防車だったらこれだけですとか、そういうのを1個1個設定して、それに基づいて減価償却しなければなりません。
ではこれが今までのまとめ且つ 最後のテストなんですけれど、

有税償却とは?

600万円で車を買いました。
法定償却が6年で、定額償却を使用しました。
毎年100万円ずつ償却していきます。
車両の償却は6年なので、6年で法定償却せざるを得ないんです。
3年で200万円ずつ費用を計上して、利益を圧縮したら税務署に怒られてしまうんです。
ただ、実際3年で壊れがちなんですよ。
では、それをもとに、

PLを作りました。
さっきの減価償却費が100万入っています。
改めて3年で車が壊れがちなんです。
そうするとこのPLは、どういう風にしなければならないと思いますか?
まずこのPLで怒るのは誰ですか?
では、レオさん。

レオ

税務署ですか?

税務署はなぜ怒るのですか?

レオ

3年で車が壊れそうなのに、減価償却費を100で計算してる からじゃないですか。

では、いくらで償却しろと言います?税務署は。

レオ

300万

300万? 600万円を3年で償却だと200ですよ。

レオ

あ、そうか。

アカネ

私は株主が怒るかなと思ってて、理由としては、減価償却費が実態より少なく計上されて、その分、利益が多くなっているので、実態と違うっていうところで、怒るかなと思います。

そうですね。おっしゃるとおりです。
株主からしたらこれは粉飾決算じゃないか っていう話になりますよね。
3年で壊れるのに100万しか計上しないでって。
レオさん、わかります?

レオ

はい、わかります。

レオさんが焼き芋のプロで、焼き芋カーはすべからず3年で壊れると思っていて、友達がやるよって言うから、じゃあ、金を出してあげるからやれよと言って、やりはじめました。
利益が240万出たからこれの20%の50万、僕の給料として貰っていきますね、みたいな。
レオさんにすれば何言ってるの?って感じですよね。

レオ

そうですね。

そうするとどういうPLが正しいPLになります?

レオ

減価償却費をもっと高く設定して、売上を減らす。

利益を減らすですね。

レオ

利益を減らすです。

では、減価償却費を200万に増やしました。
営業利益、経常利益が300万になってしまいました。
税金はいくらですか?

アカネ

120万です。

そうですね。
そこがまさにポイントで、税務署はそんな決算書認めないので、税金は160万のままです。
決算書は2つ作らなければダメなんです。
株主報告用の決算書と税務署提出用の決算書。
税金を計算するための決算書は、法定償却に基づいた償却しか認めてはダメなわけです、それに基づいて計算すると、160税金納めろと言っているので、160納めざるを得ないのです。
これは現実として、160現金がなくなってしまうって話なんです。
どういう解釈をしようが、一方株主からはこんな緩い減価償却ではなくて、ちゃんと200万償却しろよと言ってくるので、200万減価償却した結果、営業利益が300万になるんだけど、300万に対して税金が160万かかってくるので、結果として当期純利益が140万になってきます。
ちなみに税効果会計っていう、また新しい概念が出てきていて、新しいと言っても、もう古いですけど、それを組み込むと、実際その税金の効果が変わってくるんですけど、簡易的にはこのような形になります。
以上で減価償却の話は終わりたいと思いますが、ここまでで質問ありますか?

アカネ

実際、機械は、3年で壊れるかもしれないっていう情報は 株主は持っているんですか

株主は持ってないです。
ただ、株主はほとんど持ってないんですよね。
皆さんも一般投資家として株を買う時に、きっとこの決算書が正しいだろうと 信じて株を買ってるわけです。
その決算書を正しくすることを、担保しに行っているのは誰だと思います?

アカネ

経営者

もちろんその会社の経営者だったり、経理担当者が正しくしようというのはあるのですが、第三者的に正しさをより担保しに行っているのが 監査法人なんです。
上場企業になって株を売買する時には、監査法人を入れざるを得ないです。
入れるのがルールです。
その監査法人が 例えば、ガイアックスさん、御社の社員さんのパソコンの使い勝手 すごく悪いですよね。
すべからず2年でなくしていきますよねと、現状、法定償却で5年で償却しますけど、これだけみんなが2年で潰すのだったら、2年で償却してもらえますか?
そうでないと決算書は正しいとは言えません。
ということを言ってこられるんです。
なので、1個しか買っていなければ、法定償却のままですし、普通は税務署が決めた法定償却のまま償却するのが 一般的なんですけれども、たとえば大きな会社になったり、すごく大きなボリュームを占めるようになったり、もしくは実際の壊れる率が実績値として、統計上信じられる水準で出てきたりしたら、それを採用しましょうよ というような力学が生まれてきます。

アカネ

わかりました。

では、他は?

レオ

基本的な定率償却が使われるって おっしゃいましたけれども、定額償却が使われる場合は、どういったケースなんでしょうか?

定額償却の場合は計算も楽だし、手軽に使えるので、税務署も基本的にこれとこれとこれは定率で、定額っていうのは ほとんど駄目ですよって言ってるんですけれど、定率って言っているけれど、あらかじめ申請してくれれば定額でも大丈夫ですって そういう感じでやっています。

レオ

なるほど。

税務署的にはどうなんでしょうね。
定率の方がいっぱい費用になるから嫌でしょうね。
本当は。最初の年にね。

最後、この決算書を見てもらったら、わかると思うのですが、当期純利益が240万ですよね。
すごく雑な質問ですけれど、今年1年で現金がいくら増えたと思います?レオさん。

レオ

わからないです。

いくらだと思います?パッと見て。
利益が240万出ました。
現金いくら増えますか?普通。

レオ

240万じゃないですか

そうですね。一般的にはそうですね。
でも聞くと言うことは違うってことなんですけれど、どう違うと思います?アカネさん。

アカネ

減価償却は、実態としてお金が動くわけじゃないので、現金の増加がもうちょっと多くなる。

そうですね。
いろいろ費用を書いていますけれど、原価とか販管費は、本当に現金がなくなっていってるんだろうな、という気はしますけれど、減価償却費の100万は、現金が出ていったかという観点では、偽物の費用なので、結果的に今年1年でパッと見て、簡単に言えば、340万の現金が増えている可能性は高いです。
この辺りをキャッシュフローステートメントと PLとの違いということで、議論していければと思います。
それは次以降でお話できればと思っています。
本日は以上で減価償却について終わりたいと思います。
ありがとうございました。

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