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会社の成長ステージに合わせて、どのような営業/投資/財務のキャッシュフローバランスになるのかをレクチャーします。一般的な数字を頭に入れることで、CFを読みとることができる一歩となります。

では、経営カレッジをやりたいと思います。 ガイアックスの上田です。

アカネ

ガイアックス新卒1年目のアカネです。

レオ

同じくガイアックスでインターンをしている 大学3年生のレオです。

今回はキャッシュフローステートメント。

財務諸表

これは損益計算書、貸借対照表BS とキャッシュフローステートメント、この3つ目の部分について、前回に続いて深堀りをしていきたいと思います。
では最初に簡単に、

キャッシュフローの一覧

営業キャッシュフロー、 投資キャッシュフロー、財務キャッシュフロー、この3つの定義をおさらいしたいと思います。
アカネさん、簡単に一言で説明してください。

アカネ

営業キャッシュフローはその本業における、現金の増減を示すものです。
投資キャッシュフローは固定資産に対して、どういうふうに現金を使ったのか。
財務キャッシュフローは借金だったり株だったり、そういう現金の資金調達代わりの 現金の動きだと思います。

はい。その通りです。
フリーキャッシュフローは営業キャッシュフローと 投資キャッシュフローを足したものになっています。

産業のS字カーブとCFの推移

今日はどういうような キャッシュフローの動きをするのか、ということをイメージしていきたいと思います。
産業にはS字カーブと言われているものがありまして、立上期があって成長期があって、成熟期があって衰退する。
産業のS字カーブというのは聞いたことありますか?

レオ

ないです。

なんとなくこんな感じかもしれないな という気はしますよね。
ちなみに多くのビジネスは、立上期から成長期に行けずして死んでいきます。
ベンチャービジネスとは各自 わけのわからないものを作り出してくるんです。
なんとなくイメージつきます?
こんな商品いけるんじゃないか、と言って一夜明けて朝起きたら「あれは売れないわ」、っていう半分寝ながら作ったようなものを どんどん世の中にプロダクトとして出していくので、多くのものは立上期で消えていきます。
中には頑張って成長期に入り込んで、そこで競合がいたりして、熾烈な戦いを繰り広げながら、成長していき、一定の所で成熟していき、最後衰退していくという形です。
では、どんなビジネスでもいいのですが、では、レストラン。
昭和の時代にファミリーレストランが 全国制覇を争いました。
では、このレストランビジネスにおいて、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、 財務キャッシュフロー、それぞれ立上期、成長期、成熟期、衰退期の、12マス どんな数値になっていそうなイメージがあります?

アカネ

飲食店なので最初に店舗を用意したり とかってことで、投資キャッシュフローはすごくマイナスになるし、財務に関しても最初に 資金調達を大きめにする必要があると思うので、そこで大きくプラスになって 最初に利益が出るまではしばらく時間かかると思うので、営業キャッシュフローは そんなに大きくないのかなと思っていて、成長期はだんだん 営業キャッシュフローが伸びてきて、投資に関しては初期よりは そんなにマイナスじゃないのかな、で、財務キャッシュフローも そんなにプラスじゃないのかなと思っています。
衰退期に入ると営業キャッシュフローが 伸び悩んでいってしまうのかなと思います。

はい。レオさんはどうですか?

レオ

僕もほとんど同じです。

なるほど。聞いていてなるほどなって感じですか?

レオ

飲食店なので 投資キャッシュフローに関してはマイナスになりますし、財務もマイナスになると思いますし。

これから財務の話とかいろいろするんですけれども、すべての前提はどんなビジネスモデルなのか っていうのが重要です。
ビジネスモデルによってPL、BSの表現の仕方も違うし、現金の回り方も違います。
レストランというのは皆さんの頭の中で イメージしやすいので、ピックアップしましたが、ビジネス1個1個、本当にバラバラなので、そしてそれがそれぞれどんな構造になっているのか、正しく認識しにいかなければなりません。
では、話戻って、レストラン 1店舗のレストランをイメージしてみてください。
黒字化するのは早いですか?遅いですか? どちらでしょうか?

アカネ

遅いと思います。

なぜですか?

アカネ

最初に初期投資が結構大きいからですかね。

なかなか良い回答ですね、初期投資が多いから その初期投資を回収するのは時間がかかります。
もう一度質問に戻しますが 黒字化は早いですか?遅いですか?

アカネ

それで言うと原価がそんなに大きくないので。 黒字化・・・

原価というのは食材のことですか?

アカネ

はい。

食材がそんなに大きくないので?

アカネ

黒字化は割とすぐするんですかね。

黒字化がすぐでも変ではないです。
例えば、オープン1年目の売り上げと オープン20年目の売り上げ、どっちが上だと思います?

アカネ

原価率が高いビジネスではあるので、そんなに何年目かは関係ないのかもしれない

そうですね。基本的には関係ないです。
ただ、もちろんいい店は固定客がついて、年を重ねれば売上が増えていくのですが、一方で多くの店は、新しい店なので客は行くけれど フォーマットが古びてくるとあまり客が来なくなる。
巡り巡って言うと、1年目から黒字を出せる可能性は 十分に高いってことです。
1年目に黒字を出せる確率と、1年目に投資回収ができる確率、これそれぞれどれぐらいあると思います?

アカネ

投資回収は1年目では 難しいんじゃないですかね。なんとなくですけれど。

そうですよね。常識的に考えてそうですよね。
例えば、5000万で店舗を作りました。
いくらなんでも5000万かかるわけです。 5000万で店舗作りました。
1年目で5000万の利益を叩き上げられるわけがないので、1年目に投資回収ができるはずがない。
その減価償却はどれぐらいすると思います?期間。

アカネ

5年とかですか。

レストランとかになるとビルの内装とか もしくはそういったものになってくると、少なくとも7年とか 長いのになると15年とか、もちろん椅子とか机は短いですけれど、ビルの工事とかになってくると結構長くなってきます。
当たり前ですけども 10年20年もつので。
では、改めて 飲食店1年目黒字の可能性はあると思いますか?
それはどれ位の確率だと思います?

アカネ

可能性はあると思っていて うまく集客ができれば五分五分なのかなと思います。

そうですよね。レオさんはどう思いますか?

レオ

本当にうまく集客ができるなら 可能性はあるって位だと思うんですけれど

はい、そうですね 集客次第ですね。
基本的には年を積めば固定客のメリットはあるけれども、新しさで客が来るっていうメリットもあるので、どちらが有利かはわからないですね。
初期投資は回収できません。
初期投資は例えば平均して 10年とか15年で償却するということは、例えば5000万突っ込んでも 今年1年で500万しか費用計上しないんです。
500万を上回る利益を出していくことが大切です。
はい、では改めて、1店舗だけやっているファミリーレストラン、営業キャッシュフローはプラスかマイナスですか?

アカネ

プラスになることもあると思います。

そうですね。プラスになることもあると思います。 投資キャッシュフローは?

アカネ

これはマイナスですね。

そうですね。純額でいくら位だと思います? 投資キャッシュフロー

アカネ

払った分だけなので さっきおっしゃった例だと5000万位。

そうですね。5000万とか1億とか。 財務キャッシュフローはどうだと思います?

アカネ

その分現金をおそらく調達しているので

その分プラスになると思います。
そうですね。

アカネ

はい。

今アカネさんが言ってくれた通り 営業キャッシュフロー、投資キャッシュフローは、事業上導き出されて、財務キャッシュフローは常識的に考えて、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを 足したものをまかなうように、一般的にはギリギリ手配していくのが 財務キャッシュフローです。
皆さんが小さい頃、どこかに遊びに行くのに、お父さんちょっとお金ちょうだいっていうお金は、おそらく遊びに行って使うお金の 1.5倍位を調達するのであって、金利とかが発生する中で、むやみやたらに金は借りないですね。
そういったファミリーレストラン 1店舗とか2店舗とかでだらだらやっていて、だいぶ儲かるフォーマットが出てきました。
さあ、成長期に入りました。
営業キャッシュフローはどうでしょうか?

アカネ

成長しているということは 初期よりもプラスなんじゃないでしょうか。

そうですね。
具体的に1店舗当たりの営業キャッシュフローは どれくらいだと思います?
では、レオさん。

レオ

飲食店の売り上げに関して全然わからないのですが、例えば1日50万の売り上げてって多いですか?

店舗によりけりですけれど、まあ、そんなものかもしれないですね。
5000万とか1億位の初期投資から算出されるのは それ位かもしれないですね。
そっちから考えてもいいんですけれど、例えば、5000万で作った郊外型のファミリーレストランは だいたい1億位です。
結構しっかりしているので 建物もしっかりしているし、ちょっとわからないけれど 200坪で駐車場もあるような。
1億で作りました。 さぁ年間の営業キャッシュフローはどれぐらいでしょうか?

レオ

どうだろう。1億ぐらいかな。

1億投資して店作って、1年間で1億叩き出せたら立派ですよね。
もっと言えば売上が1億位です。 アカネさんどれ位だと思います?

アカネ

2000万位ですか。

なぜそう思います?

アカネ

飲食って原価率が高いと思っていて、大体利益が3・・・ 原価が3割ぐらいですかね。
とすると、もっと高いかもしれないですね。
原価が3割で給料がまた3割とかだったら、残るのが4000万とかかなと思いました。

原価3割、給料が3割で、FLコスト、フードアンドレイバー、労働力コストが、5割6割位が相場です。
それが7割だとお話になりませんと、そういう意味では 例えば6割ですというのはいいのですが、他にも電気代だとかガス代だとか、はたまた広告宣伝費とか、もしくはそのポスレジ代だとか、家賃とかそういったものがかかってきますので、じゃあそれで営業利益が4割出るかと言えば そんなことはなくて、ふたを開けてみたら営業利益が出るか出ないか っていうのが一般的で、5%も出たら立派なものかなと思います。
ちょっと整理をしますけど、1億で店を作ったということは 1億を借り入れて、例えば、10年返済すると言うことは 毎年1000万の現金を創出する必要があるんですね。
投資キャッシュフローは1年目に1億突っ込んで 2年目以降が0だとすると、営業キャッシュフローが少なくとも1000万叩き出さないと 返済できないわけですよ。
では、営業キャッシュフロー、営業キャッシュフローの算出って どうやってするんでしたっけ?

アカネ

純利益から減価償却分を引いて、後はその投資の部分を反映させる・・・ 違いますね。
減価償却分を引く??

営業キャッシュフローは純利益に 嘘だった費用である減価償却分を足します。
で最後、営業系資産の増減ですね。
期初には冷凍ハンバーグ50万分の在庫だったのが、期末に冷凍ハンバーグが80万分になっていたら その分現金が減るし、それは多分、レストランビジネスにおいては 重要じゃない指標なので、基本的には純利益+減価償却です。
さぁ、純利益+減価償却です。
純利益と減価償却どっちが大きいと思います?

アカネ

それは純利益の方が大きいかなと思います。

ちなみに減価償却はいくらぐらいだと思います?

アカネ

初期投資が1億だとしたら10年返済で1000万位。

1000万位

アカネ

はい。

借り入れが10年返済であるという10と、減価償却を10年位かな ものによって違うけれど、平均すると、ていうものは別のロジックなんですけれども、おおよそ一緒なんですね。

アカネ

おおよそ一緒になるものってことですか?

おおよそ一緒になるものですね。
お金を貸す方からしたら、1億貸し付けて、来年返してくださいなんて 無理に決まってるだろって感じなんですよ。
それで作った資産 厨房だとか客席だとか店舗、それがどれぐらいの期間で回収するかな、みたいなのに合わせて返済期間を設定しないと、無茶な貸付をしても返せないのは明らかなので、その資産で10年間位ビジネスをするって言うのだったら、10年位で返してくださいというようなイメージです。
結論から言うと減価償却の方が多い可能性が高い のではないかなと思います。
ちょっとイメージできていないかもしれませんが、年間で1億売りました。
減価償却の費用を引く前で、2000万の利益を出しました。
そこから減価償却を引くと 営業利益はいくらになりますか?

アカネ

1000万ですかね。

では、そこに税率が35%入ると 最終利益はいくらになりますか?

アカネ

600万位ですか。

そうですね。650万。
で、1年間で増えた現金はいくらになりますか?

アカネ

1600万。

そうですね。と言うことは営業キャッシュフローにおける、減価償却の比率と純利益の比率で言えば、減価償却の方が比率が多いということです。

アカネ

はい。

償却前利益で2000万を出したらそうですけれど、償却前利益で800万でした。
さあ、これはどうなりますか?

アカネ

800万だったらそこから税金を引いて だいたい500万とかになって

そこから減価償却分を足して1500万。
減価償却は税金の前ですか?後ですか?
ではレオさん PLを上から言えますか?

レオ

売上、総利益、営業利益、経常利益、 当期前純利益、純利益、ちょっと抜けてた?

それでいいですけれども、減価償却はどこら辺に入ってきそうですか?

レオ

減価償却は総利益と営業利益の間位ですかね。

その通りです。
販管費と呼ばれる所に入ってくるのが一般的です。
原価系の減価償却もあるのですが、一般的には販管費に入ってくる と思っていただいて大丈夫です。
もう一度言いますけれど、その償却をする費用を織り込む前に 800万の利益でした。
では、減価償却費はいくらですか?

アカネ

減価償却費は1000万。

そうですね。 と言うことは営業利益はいくらになりますか?

アカネ

営業利益はマイナスになってマイナス200万。

そうですね。マイナス200万。 では、今年借金を返せそうですか?返せなさそうですか?

アカネ

返せないですね。

返せないけれど全然返せないわけでもない と言うのはわかります?このニュアンス。

アカネ

資金調達すればってことですか?

違います。では、今年1年間の 営業キャッシュフローはいくらですか?

アカネ

営業キャッシュフローは大体800万。

そうですね。 返さなければならない今年のノルマは1000万で、800万の現金を創出しているので、手元に現金200万がなかったら 厳格に言うとデフォルトですけれど、赤字だからといって返せないわけではないんです。
つまり、減価償却が嘘の費用なので 現金は創出できていると言うことです。
皆さんの中にPLのサイズ感とか BSのサイズ感を頭にイメージする必要があるんです。
例えば、弁当とジュース買ってきて1000円札って渡したら、あらかた800円900円が弁当で、ペットボトルのお茶が100円とか150円なんですよ。
このバランス感が一つ一つのビジネスに 当たり前に存在して、これを体感しないといけないです。
まかり間違っても、100円のおにぎりと800円のジュース買って来る奴は バカかって感じですか。
そういうニュアンスを理解する必要があります。
で、レストランビジネスと言えば、初期投資で1億位かかりますよね。
10年償却だとすると1000万位減価償却が出ますよね。
利益が出るか出ないかと言われると、償却前だったら当然叩き出さなければダメですけれど、償却後で出るかどうかって言ったら微妙で、出ないからと言って変じゃないんですよね。
例えば、毎年償却後で0でした。 何も問題ないわけです。
11年目から、償却が終わってから アホほど利益が出るので。会計上ですよ。
1億位投資しました。
10年間位、償却後のいわゆる 最終利益がトントンでも問題ないんです。
これはなぜですか?

アカネ

それは減価償却分が 営業キャッシュフローで上乗せされるからですかね。

そうです。もうちょっと別の言い方をすると、減価償却を引いて0なだけで、営業キャッシュフローだけで見ると、1億円投資して、これ投資キャッシュフローですよ。
営業キャッシュフローで見ると 毎年1000万叩き出しているわけです。
何も変じゃないと言うか、会計上10年はトントンになってしまうけれど、会計上って言うのはPLですね。
キャッシュフローの会計ですけれど、会計上と言う日本語は えてしてPLを指すことが多くて、会計上10年間はトントンだけど、10年後以降は償却が終わるので、丸々1000万の利益が創出されると。
レオさん、今のところ分かりました?
ちょっと難しい?

レオ

ちょっと難しいです。

まぁ、そうですよね。
1億投資してレストランを作りました。
毎年1000万稼いでいます。
償却とかしなければ、以上、でわかりやすいです。
10年経ったら、1000万が10年間積み上がって、1億になるので返済できます。
全額返済、それから1000万ずつ儲かります。
これで十分な利益率なんですよね。
まぁ、もっと稼ぎたい気持ちですけれど。
では、話戻って、ファミリーチェーンの戦国時代に、成長期になって、バンバンレストランを展開しています。
営業キャッシュフローはどうですか?

アカネ

プラスだと思います。大きく。

そうですね。プラスでしょうね。
投資キャッシュフローは?

アカネ

最初は、私はそんなにマイナスが 大きくならないだろうと思ったんですけど、成長期ってことは、店舗を増やしたりとかすると思うので、さらに大きくマイナスになるのかな と思いました。

そうですね。
年間50店舗出店したら、投資キャッシュフローはどうなると思います?レオさん。

レオ

年間50店舗で投資キャッシュフローは50億。

そうですね、マイナス50億。 財務キャッシュフローはどうだと思います?

レオ

財務キャッシュフローも同じくマイナス50億ですか。

マイナスではないです。プラスです。

レオ

あっ、そうか。

要は、会社に現金が入ってくるものは、借金だろうが増資だろうがプラスなので。
会社に対して現金が入ってくるか 減るかだけのステートメントなので。
キャッシュフローステートメントと言うのは。
話、戻りますけれど、立上期と成長期、投資キャッシュフロー マイナスが大きいのはどっちですか?レオさん。

レオ

成長期の方がたくさん店舗を展開していくので、マイナスが大きいんじゃないですか。 だから、成長期です。

はい、その通りです。 当たり前ですけれど、どんなビジネスもそうですが、立上期のうにょうにょしてる時って、たいして現金を使わないです。
銀行だろうが投資家だろうが、そんなうにょうにょしている人達が、金、貸してくれとか 金、出資してくれって、いくらって聞いて300万とか、500万とか1000万とか そういう水準なんです。
問題は事業が急成長する時にこそ 現金が必要なんです。
そういう時にこそ50億とか100億 という金が必要になってくるので、明らかに財務キャッシュフローがプラスなのは 成長期です。
では、成熟期。
レストランの場合は営業キャッシュフローは そこそこあるでしょう。
投資キャッシュフローははじめて成熟期で、おそらくプラマイゼロくらい。
で、結果的に財務キャッシュフローは、営業キャッシュフローを叩き出したものを、返済に回すとか、配当に回すとか、そういったもので財務キャッシュフローが マイナスになってきます。
会社の目的は財務キャッシュフローを マイナスにすることなので。
会社っていうのを、どの立場で見るかわかりませんが、投資家の立場で会社っていう箱を用意したら、何を求めるかと言ったら、このよくわからない箱の中から 金がポコポコ出て来るのが会社でしょ、みたいな、そういう感じなんです。
金がポコポコ出て行くのは、当然、営業キャッシュフローと 投資キャッシュフローで出て行くのではなくて、財務キャッシュフローで金がパコパコ 出てくる事を期待してこの箱を作っているわけです。
株主からすると配当とか自社株買いなんですけれど、巡り巡って成熟期に、財務キャッシュフローがマイナスなのは 当たり前なんです。
では、衰退期。
財務キャッシュフローは プラスだと思います?マイナスだと思います?

レオ

衰退期こそプラスじゃないですか。
業績が悪化したりして、より借金をしなければいけない場合が 増えてくるかもしれないです。

アカネさんどう思います?

アカネ

この会社を閉じていくのであれば、マイナスですかね。

その通りです。どちらかと言うとマイナスです。
例えば、店舗を売却していくとかになると、投資キャッシュフローがプラスになります。
PL上、どう表現されているか、もしくは客数がどうなっているのかは さておき、衰退していく会社からは現金をもぎ取るのが、経営者としてのあたり前の行動で、本当の意味で、会社が小さくなっていく中で、どこの誰が追い銭を渡すんだって言う話です。
もちろんビジネスモデルにもよりますけれど、衰退しているからといって、現金を創出できないわけがないです。
例えば、僕らのネット業界で SaaSビジネスをやっています。
わかります?SaaSビジネス。
例えば月額500万売上をあげています。
これが成長期で競合がいたらどうなると思います?

アカネ

売り上げが上がらなくなっていくと思います。

競合がいたら。
月額500万のASPビジネスがあります。
例えば、今、iQubeというグループウェア、当社の中でやっているグループウェアね。
月額500万位かもしれません。
で、もしもこれがマーケットが成長時期で、競合もわんさか参入していて、さぁ、勝つぞ!みたいな時だと どうなると思います?

アカネ

投資を増やしていく

そうですね。どんな投資ですか?

アカネ

広告を増やしたりとか。

そうですね、広告を増やしたり システム開発に投資をしたり、マーケットを制圧するぞ!って、 どんどんカネを投資するわけです。
一方で、マーケットが成熟しました。 あらかた普及しました。
で、世の中がちょっと変わってきて、グループウェアって時代でもなくなって来たんじゃないですか、みたいに、なってきたら僕らどうすると思います?
そのASPビジネス。

アカネ

縮小にちょっと向かうと思います。

何の縮小ですか?

アカネ

その市場を狙っていくためにかける金額。

そうですね。投資の縮小をするわけです。

アカネ

はい。

積極的にお客さんに回って、「すみません、これ、購入をやめてください。」 と言うわけではないです。
じゃあ、結果的に月額500万のASPビジネス、どれぐらいの純利益を叩き出せそうですか?

アカネ

投資を減らすことで純利益も 例えば半減することもあると思います。

半減?

アカネ

はい。

投資を減らすことによって純利益が減る

アカネ

減らないですか? お客さんが減って、純利益も減ることもあるのかなと思いました。

投資を減らすことによって、売り上げの伸びが減る

アカネ

はい。

が、しかし、ASPビジネスとか SaaSビジネスって言うのは、月額のサブスクリプションビジネスですよね、売上がなだらかに減っていくわけです。
投資をしない以上。
じゃあ、例えば、月額500万 営業利益どれぐらい出そうですか?

アカネ

400万とかですか。

まぁ、そうですよね、400万。 年間で?

アカネ

年間で4500万とか。

そうですね。400万、4800万、一言で言えば非常に儲かるわけですよね。
例えばオンラインチャットマーケットが 来るんじゃないか、みたいな、オンライン飲み会マーケットが来るんじゃないか、売上100万円、かけるコストはどれぐらいかと言ったら、平気で500万とか1000万かけにいく。
5人とか10人貼り付けて、広告宣伝費を使って、月間500万とか1000万使うわけです。
そのペースで儲かるかと言ったら 絶対に儲からないんです。
じゃあ、売り上げ倍増しています。
月額の100万が200万、400万、800万になりました。
さぁ、どうするか?
投資金額が1000万、2000万、3000万と バンバン増えていくわけですよ。
売り上げを売り上げで 賄えるような費用じゃなくて、もっとお金をつっこむわけですよ。
そんなこんなでなんやかんやして、3年5年経ってマーケットが落ち着いて、これ以上オンライン飲み会なんてやらない、認知を広げてもしょうがないよね、みたいになったら、広告宣伝費とか一切止めて、既存顧客が払ってくれる売上を、丸々、純利益にするような構造にするんですね。
で、それが衰退期であり、売上も落ちていくとは思いますが、すごく利益を叩き出す。
当たり前ですけれど、そこで追い銭をすることはありえないですね。
バンバン利益を創出する。
もっと言えば、そこで利益を創出できないんだったら、衰退期と言うか、そのビジネスは 撤退してしまいますね。もうクローズですね。

ネットビジネスにおける産業のS字カーブとCFの推移

ビジネスによって整理しますけれど、ビジネスによってプラスとかマイナスとか 違ったりしますけれど、ネットビジネスはこんな感じが多いです。
さっきのレストランのビシネスと違って、立上期は営業キャッシュフローがマイナス、成長期は、すごく営業キャッシュフローがマイナスで、で、成熟期とか衰退期になると、営業キャッシュフローが爆増していく。
で、もちろんですが、営業キャッシュフローとか 投資キャッシュフローの、必要額と同等の額を財務キャッシュフローとして、手配してくる。
で、企業のライフサイクル全体で見て、財務キャッシュフローがいかに マイナスになるのかっていうのが、ゲームって言うか。
そういうようなゲームを 取り組んでいる、という、そう言う感じです。
ネットベンチャーだと、投資キャッシュフローというのは存在しないんですね。
例えば、広告宣伝費で1億かけました。
これは営業キャッシュフローなので。
あまりレストランみたいに 投資キャッシュフローが膨れ上がりません。
まぁ、少しはサーバーとかそういうのは あるかなと思いますけれど。
じゃあ、以上で終わりたいと思います。
ありがとうございました。

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