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経営者は、会計上の利益を最大化するために、会計上の数字の解釈を操作することがあります。経営者が実際にどのような方法をとっているのかについてレクチャーします。

はい、では経営カレッジを 始めていきたいと思います。
ガイアックスの上田です。

アカネ

ガイアックス新卒1年目のアカネです。

レオ

ガイアックスでインターンをしている 大学3年生のレオです。
よろしくお願いします。

アカネ

お願いします。

よろしくお願いします。
前回、会計的な利益を出したい会社 っていうのはどこなのか、という話をしていました。
今回は、具体的にどうすれば 利益を出せるのか、というような話をしたいと思います。

会計的に利益を出すには

で、もちろん 売上を上げて利益を上げれば、会計的な利益は出るんですけれども、そうではなく、むしろ業績はさておき、どうすれば会計的に利益を出せるのかと、いうところにフォーカスして 考えていきたいと思います。
まず、基本的なやり方の1つとしては、

計上タイミングで利益を出す

計上タイミングというのがあります。
そもそも会計的に利益を出す というのは分かりますかね?

アカネ

その仕入れの支払い分を ちょっと遅らせたりして、現金の動きって言うよりかは、PL上で利益を出すって事ですよね。

そうですね。支払いを遅らせると 何かPLにインパクトありますか?

アカネ

PLにはないですね。

そうですね、キャッシュフローには インパクトありますけれど、PLにはないですね。

アカネ

その販管費をできる限り 多く計上するとかですかね。

販管費をできる限り多く。 その分何を減らすんですか?
もしくは、販管費を沢山計上すると、PLは悪化しちゃいますよね。

アカネ

あ、そうですね。
販管費を少なくして原価を、できるだけ原価として計上する ですかね。

原価で計上しても 販管費で計上しても、まあ、あまり利益には影響ないですね。
まぁ、強いて言うと 今日働きました、と。
で、3ヶ月後にケーキ屋さんを オープンさせます、と。
今日働いた費用を 今日費用としてつけるのか、3ヶ月後に販売するケーキの 原価に組み込むのか、っていうのは選択肢の余地があって、将来ケーキとして売る時の原価に 入れてしまえば、今日時点のPLは改善しますよね。
今の意味わかりました?

アカネ

はい。

他はどうですか?
現金をたくさん増やしましょう っていう話ではないんですよね。
会計的にPLを良くしましょう っていう話なんですよ。
じゃあ、例えば費用認識 減価償却に関してはどう思います?

アカネ

より緩やかに償却していった方が 利益としては大きくなりますよね。

そうですね。税で決まっている 法定償却年数よりも、早期に償却していたとしたら 税法程度に伸ばすというのも手だし、実際、税法で5年と決まっていても 実際10年使うまで壊れません、ということが証明できれば、税務上の会計では5年でやらなければ ならないんですけれど、財務的な会計では 10年でやっていけるかもしれないですよね。
じゃあ、償却に関連しますけど、例えば、シェアオフィスを作りました。
何が費用で、何が資産で、何がどれぐらいの償却年数か イメージつきますか?

アカネ

その建物を借りているのだとしたら その家賃は費用で、机とか椅子とかそういう家具とかが 資産になるかなと思っていて、で、机や椅子は 5年償却とかなんですかね。

そうですね、家賃は費用ですよ、と。
内装とか壁を作ったりとか 電話会議用の個室を作ったりっていう、そういった費用はともすると 10年20年のスパンで税法上は償却していきます。
一方、机とか椅子とかも 値段によりけりなんですけれど、1万円2万円の物は 即時償却かもしれません。
ただ、これも沢山の物がある中で どれが即時償却で、まぁ費用で、即時償却って言うのは費用って意味なんですが、どれが費用でどれが資産にして減価償却に するのかって言うのはケースバイケースだし、例えば、椅子も机も全部含めて 内装業者に一括発注3000万です。
こうなると、区分をどういう人がどのように 求めてくるかわかりませんけれど、ともすると3000万一括で 内装の減価償却、というような会計手法も 取れるかもしれません。
そういう意味では 費用をいつ認識するのかっていうのを、先延ばしにやる方法を 考えうるということですね。
そう考えると例えば ソフトウェアひとつとっても、例えば当社で使っている ソフトウェアがあります。
今度の当社のイベントで ワンタイムで機能が足りないから、その機能を作ってくださいな って言って100万払いました、と。
例えばガイアックスの今度開催する 全体会議用に作ってもらった、その100万円は全体会議用なので 全体会議が終われば、100万は即時償却というか 費用で落とさないといけないんですけれど、販管費として。
いや、今後5年10年続く全体会議で 使うんですっていう、機能のバージョンアップだったら、その100万円は減価償却になるわけです。
説明ひとつで費用の認識は 変わってくるわけですね。
じゃあ、話変わって 売り上げの方はどうですか?

レオ

これ売上の計上のタイミングですよね?

PL上利益を上げるには どのようにしたらいいのか?
で、売上の認識のタイミング、計上のタイミングをどうコントロールして どういうシチュエーションの時に、どうコントロールすればPL上利益が上がるのか。

レオ

これってさっきの原価の話 って関係ないですか?

費用面で言えばそうですが売上面で見ると どうでしょうかって言う事ですね。

アカネ

その売り上げが伸びたら 利益が増えるので、売上の計上タイミングが早くなったら いいのかなっていう風には考えてました。

そうですね。売上の計上タイミングが 早くなるといいですよね。
ただ、なかなかそれをどういう時に どう使えばいいのかっていうのは、イメージしづらいのかもしれません。
基本的に売り上げは どういう時に認識するかというと、サービスが本当に納品されたタイミングで 計上するんですけれども、そこら辺の運用も若干曖昧なところがあって、例えば納品、本来は検品検収をもらったら、相手が確かに俺が発注したものですよ っていう検収を発生させたら、はじめて売上認識できるんですけれども、契約書上も2週間経って検品をしなければ 納品時に納品が完了したものとする、みたいな契約書があったりして、実際検品とか検収書発生するかどうか っていうのもケースバイケースなので、そういう意味では 納品時に売上を計上してしまうっていう、雑な運用もあり得ます、と。
で、ましてやeコマースとかになってくると、納品はヤマト運輸さんとかがそれぞれのお宅に 入って届けるタイミングなんですけれど、それを追いかけるのは結構難易度が高いので、発送基準って言って、発送した瞬間に 売上計上しちゃうっていう可能性もあります。
そういうような本来のルールは あるんですけれども、ルールから逸脱しない範囲でできるだけ 早め早めに計上して行くぞと言うので、その瞬間売上が増加するということは あり得るのかなとは思います。
他にも昨今のシステムとかサービスが すごくややこしくなってくる中、そのワンタイムのサービスと その継続するサービスが複合して、全体のサービスとして取り扱われるケースが あるんですよね、例えばお客さんがASPのサービスを 使うんですけれど、月額10万で使います、と。
ちょっとカスタマイズして欲しいから しょっぱな100万払います。
ただ、全体としてはちょっと値引きしてください って言われた時に、じゃあ、その値引きをしょっぱなの カスタマイズ100万にぶつけるのか、月額のランニングに値引きをぶつけるのかで、しょっぱな取れる売上利益が かかってくるわけですよね。
もっと究極的に言えば、月額10万かける12ヶ月で120万円、と初期の100万円 合計220万円もらって、50万円差し引いて、例えば170万なわけなんですが、初期カスタマイズで 170万かかりますよと、その代わり1年間使用料無料です っていう説明が、もしも成り立つのであれば そうなのかもしれません。
まあ、他にも例えば企画をして、そして、その企画に基づいて制作をして 納品するとして、普通にやれば 納品時に一発計上なんですけれど、これ企画書を納品したタイミングで、商取引としては 2つに分けてくださいな、と。
例えば、企画書を書いた時点で100万円。
その企画に基づいて制作に入りますので その後400万頂戴します。
合計500万です。
っていうような契約書にしておけば、100万の企画書を売った時に 売上100万取れるかもしれません。
ただ、実態が基づかないといけないので、企画書売った段階で制作は別の会社に 発注する権利が顧客側にあるとか、返品も100万企画書作って400万で作ってる 最中にクレームが入って、返金する時も500万の返金じゃなくて、100万の企画書の納品は きれいさっぱり完了しているので、この企画分は何があっても返金しません みたいな、そういう契約書になっていないと、あくまでこれ一体取引だから、500万納品するまでは 売上計上しては駄目ですよ、みたいな、そういったものがあるかもしれません。
大丈夫ですか? じゃあ続いて、

まぁ、それを今のBS上 どんな感じで載っているのかというと、まあ、こういうBSが一般的なものが ありますが、これを見ながら もうちょっと突っ込んで言うと、利益を上げるには資産アセットの方に、どんどん費用ではなく、資産の方に載っけていった方がいいんですね。
例えば今日工場で働きました、と。
例えば、働いたけれども その働きが単なる掃除だよね、と。
これって毎月の販管費だよねって取られたら 費用として取られるけれど、いや、これって次の商品を 作るための原価なんですって言ったら、在庫として載っかってくるわけです。
例えば誰かにお金を払っても、そのお金が その瞬間の業務委託として金を払えば、それは費用として載ってきますけれど、あくまで将来納品してもらうための 前払費用として払いました。
ってなると資産に載っかってくるわけです。
資産に載っかってくるってことは、現金が減って費用になると 現金が減るだけだから、資産Aが、アセットが減ってくるんですね。
そうすると純資産が減ってくる。
そうすると利益が減るって事なんですけれど、現金がその他の資産に入れ替わる。
現金が減ってその分在庫が増えたり、前払費用が増えたりすると、トータルとしての資産は増減しないので、純資産も減らない、ひいて言うと 利益にインパクトがないってことなんですよね。
はい、ではもうちょっと、

BS(貸借対照表)から利益を捻出する

今度はバランスシートの方に ちょっと注目して、バランスシートを中心に見て どのように利益を出すことができるのか、と言う事について 話していきたいと思います。
ちなみにみなさんの方で 何かイメージつくことってあります?
バランスシートを見てどう利益を出せるとか。

レオ

あまり思い浮かばないです。

アカネ

どう利益を出せるのか っていうのはどういう質問ですか?

会計上利益を出すために バランスシートの要素に注目して、これをこうすれば会計上の利益を ひねり出せるんじゃないですか、っていうのは何かありますか?っていう。

アカネ

1つは今お話しにあった その資産にするっていうところだと思うのと、あとは負債の評価っていうところを ちょっと考えてみたんですけれど、いまいちピンときていないですね。

そうですね、負債に関しても 実は評価をします。
例えば、ガイアックスっていう会社が どこからお金を借りているのか、もしくは潜在的にお金を 支払わなければならない要件が、積み上がっているものについて 例えば引当というような形で認識をします。
例えば取締役に将来会社を退職したら 退職金払います。
っていう規定がありました。
この規定が1個あるだけで1年経過する毎に 退職金が積み上がっているわけです。
取締役の心持ちとしては今年も1年働いたから 退職金がこれだけ増えたかな、100万増えたかなあとかって思っているわけです。
で、これを問題は会社側が認識しているか していないかなんですが、例えば退職金が今年末に100万だったのが 200万に積み上がりました。
みたいな通知をしているわけでは ないんですよね、会社として。
退職する時に、もっと言えば、懲戒免職とかになったら 退職金取り上げられたりするので、無事ちゃんと勤めて退職する時に、あなたは10年働いたから じゃあ1000万ですね退職金、みたいな、そういうのが初めて 計算書として出てくるので、それまでの間 会社が退職金を借金だというつもりで、引当ていかないといけないんですよね。
他にも例えば レストランを1店舗出店しました、と。
これもすごい厳格な会計なんですが、1店舗出店した瞬間に、将来この1店舗を撤退しないと いけないんですよね。意味わかります?
撤退義務がこの会社にあるわけです。
日光とかの温泉で閉鎖もできず 会社が倒産しちゃって、腐った旅館が いっぱい並んでいますけれど、ああいう事にならないように、店を作ったら店の撤退費用を予め 負債として計上しないといけないんですよ。
資産除去債務って言うんですけれど、この資産除去債務の引当も これまた曖昧なわけです。
見積りをとって計算するんですけれど その見積もりも、じゃあ、見積もり出しますけれど 今日この瞬間発注してくれるんですか?
いや、そういうわけじゃなくて 計算上のものなんですよ。
それに精緻な計算が出てくるかどうかすら 怪しいわけですよ。
そういった負債をどう評価するかですね。
もちろん銀行から金借りています。
こういう負債は精緻に計算されて、銀行との契約書を見たらもういくらなのかって 明確の明確なんですけれど、それ以外のことは曖昧な負債っていうのも多数 会社のバランスシートには計上されているので、ちなみにガイアックスでは 退職金とかはないので、そういうややこしいのは 少ないんですけれども、いろんな負債が計上されています。
それの評価をどうするかによって 利益っていうのは関わってきますよね。
じゃあ、同じような話で資産の評価 これはどう思われますか?

アカネ

これはなんか先ほどの話と同じかなと、資産で計上するのか 費用で計上するのかとか、あと、いつまで在庫で計上するのか とかもあるんですかね。

そうですね、 いつまで在庫として計上するのかがありますね。
要は売れなくなった商品は どうしたらいいと思います?

アカネ

もうそれは 資産から除くのかなと思います。

そうですね、ちなみにそういうオペレーションの 事を何て言うかわかります?

アカネ

ちょっとわからないです。

レオ

このスライドに書いてある 引当とはまた別ですか?

別ですね、それは負債の話なので。
在庫をいくらの価値なのかとチェックし直す のを棚卸という単語を使います。
聞いたことありますよね、棚卸って?

レオ

はい。

アカネ

あります。

棚卸っていうのは在庫の個数のチェックをする というようなニュアンスだったり、棚の入れ替えとか そういうイメージをお持ちかもしれませんが、会計的には棚卸っていうのは 在庫の評価替えも含めています。
例えば、もう賞味期限切れた食材ですよ、もうこれ即ゼロ評価ですけれど、まあ、賞味期限切れの食材を売るなら 別にまだ評価していていいんですが、もう捨てるんだったら もう賞味期限切れでゼロですけれど、例えば家電製品とか発売から半年たって 新製品が出てきました、とか。
じゃあiPhoneの9です、と。 じゃあ、これどうだろうって言う。
例えば3万で仕入れて 4万で売ろうと思ってました、と。
ところが今日時点でオークションとか見たら 2万円で売られています。
じゃあ、この時に3万で仕入れたものが、3万の在庫として計上していると 問題あるわけですよね。
で、在庫の評価っていうのは 例えば、資産の在庫の回転ってわかります?
例えば電気屋さんで月商5000万でした。
どれぐらい回転しそうな感じします?
もしくはクレープ専門店です、と。
バナナとかイチゴを入れたクレープを 売っています。
月商5000万です。
そんなバカでかいクレープ屋ないですけれど、どれくらい回転してると思います?

アカネ

月に10万個ぐらいですか?

そうですね その売上という意味ではそうなんですが、在庫という観点からどれくらい回転してるか?
電気屋で月商5000万って言っても、たとえばこの瞬間 1億の在庫を店頭に並べていて、わかります?
1ヶ月、客がやってきて、この1億の内の一部を買って、1億の内の一部を買って、1億の内の一部を買って、1ヶ月で5000万売れました。
で、売れる度に補充していて、1億の在庫は だいたい1億円ぐらい店頭に置いています。
っていう業態だと、回転は2ヶ月で回転するわけです。 1億ですから。
一方、そのクレープ屋さん。
生鮮食品を使った クレープ屋さんとかだったら、今日仕入れた物は 明日中に売り切っているかもしれないので、5000万売ってますって言っても、もしかしたら300万とか400万位しか 店頭に在庫がなくて、売る度に新しく仕入れて、売る度に新しく仕入れた、と。
そうすると、バランスシートの大きさが同じ5000万でも、クレープ屋さんだと 300万とか400万なんですけれど、電気屋さんだったら1億とか するわけなんですね。
電気屋さんでも2回転 2ヶ月ってことはないと思うんですけれど、月に1回転位するかもしれないですね。
ちょっと僕も業界が違うので よくわからないですけれど。
って事は月商5000万 年商6億の会社、6億の電気屋が どれぐらいの利益出そうな感じがします?

アカネ

2億弱ぐらいですかね。

最終利益でどれくらいですか?

アカネ

それは販売費とかも 入れてってことですよね?

そうですね。
上場企業の小売の最終利益率って どんなもんかでもいいですけれど。
小売の最終利益率なんて もう、数%の下の方なんですよ。
利益が出るか出ないか 出ても2%とか3%、当然、製造小売りは別ですよ。
ユニクロとか靴のABCマートでしたっけ、とか、あれも小売りのように見えて 製造小売りなんですけれど、それなら利益率違ってきますけれど、普通の小売りだとなかなか利益が出せません。
そんな、数%ぐらいだと思います。
って事は、6億って事は600万が1%なので、600万とか1200万とか、1-2%利益が出てくるかどうか っていうところに関して、例えば在庫が5000万あります。
じゃあ、この5000万の評価がどうなのかで、600万とか1200万の利益はぶっ飛んだり、逆に維持できたりするわけなんですよね。
なので、在庫の評価が 一番手っ取り早い業績アップ策。
巷ではそのような感じに なってるんじゃないかなとは思います。
在庫の評価が高いと、例えば、4万円で仕入れて 6万円でどうかなと思っていたら、もうマーケットで3万円になっています って言う家電製品。
4万円って評価していると その会社としては身動き取れないんですよね。
店頭で6万円って値札貼っているけれど、いやこれ6万円高いですね。 もうちょっと値引きできないですか、と言われて、正直3万ぐらいしか売れないんですけれど、3万に下げると赤字が1万出ちゃうって言う。
売るだけで1万出ちゃうって言う。
だから、もうそそくさと4万円を3万円に、評価額を棚卸で切り下げておけば、じゃあ3万円で売って手仕舞いましょう っていうのもあれば、もはやこれ古いから厳格会計で 売れるかどうかもわからないし、4万円で仕入れたけれど0円です、と。 この評価。
ってなると3万でも2万でも売却しちゃえ! みたいな。
そういうことが可能になってくるわけですよね。
なんとなく意味わかります?

アカネ

はい。

次にあるのが含み益を出す。 これはどういう意味ですか?

レオ

全く見当がつかないですね。

アカネ

ちょっと私も聞いたことはあるけれど いまいちわかってないです。

例えば会社のバランスシートに 土地とか株式があったりして、例えば、1億円で仕入れた土地、20年後バランスシートには いくらで評価されますか?

レオ

減価償却とかって考えた場合ですか?

そうですね 建物は実は減価償却するんですね。
30年とか40年とか2、3、40年で 減価償却します。
土地は?

レオ

土地もできるんですかね? ちょっとそこら辺は・・・。

どう思いますか、土地は?

レオ

なんとなくできないと思うんですけれど 何でかはわからないです。

はい、土地は腐らないので 減価償却しません。
ちなみに1億円で金を買ってきました。
これ、減価償却すると思います? しないと思います?

レオ

金の価値が変動するので

はい。

レオ

するですか?

じゃあ、何年で償却しますか、金を?

レオ

グラムとかにもよると思うんですけれど、結構長くかかるんじゃないですかね。 20年とかですか。

じゃあ、金を仕入れました。 20年経ったら0になるんですか?

レオ

ならないです。

はい、ならないですね。

レオ

そういうことか。

金とか不動産は減価償却しません。
建物とかは賞味期限があるので 減価償却しますけれど、じゃあ、20年経っても1億の土地は 1億の資産価値です、と。
ところが土地が値上がりしていて その土地を3億で売れます。
さあ、どうしますか?

レオ

先ほどの資産の評価という話に関連して 評価額を変えるですかね。

そうですね、評価額を変える。 どのように評価額を変えるか。
1つは地価が3億になったら3億で売却しちゃう って事ですよね。
そうすると今年2億円の利益が 計上できるわけです。
ただ、その途中どうしても手放したくない って言うんだったら、3億円でもう1回買い戻したらいい ってそういう話です。
ただ、会計上2億円計上できた。
バランスシート上1億の土地が3億に化けた ってそういう話です。

レオ

それって会計上にしか 利益って反映されなくて、結局のところ別に利益出てない っていう話ですよね。

そうですね。
まぁ、利益という単語で言えば 利益は出ています。
手元の現金が増えたかって言うと増えてない。 減ってもいないですけれど。
土地を売って買い戻す って言うのは変ですけれど、株式とかだったら、もしかしたらマーケットで売って買い戻す っていうオペレーションも実際やりますし。
例えば、個人の有価証券の譲渡益が、昔、税率が上場株が10%から20%に 引き上がる時があったんですね。
それで社長がみんな自分の株を全部売って 10%の税金を納めて、その値段でもう1回株を買い戻して、持ち株の時価を引き上げるっていう オペレーションをみんなしていました。
別に税金を払いたいわけでもなければ、利益を上げたいわけでもないんですけれど 個人個人としては。
ただ、税率が低い時に 利益を出して税金を払っていた方が、税率が高くなってからだったらシャレにならない のでって言うのでやっていたってことですね。

レオ

うん、なるほど。

ちなみに株式とか土地は 市場価格が値上がりしても、バランスシート上は評価は変えません。
一方で簿価。簿価って言うのは 簿外債務とかって言いますけれど、ブック、その会計上、会計上の価格と、 市場価格、時価。
簿価と時価って言われるんですけれど、時価が簿価の半額以下になると、強制的に含み損を評価させられます、会計上。
これも大きな会社だけなので、小さな会社はそこまでやらないですけれど、例えば1億円で投資したある会社の株が マーケットで4000万になりましたって言ったら、強制的に4000万に引き下げられちゃいます。
で、4000万に1回引き下げたら 3000万になろうが2500万になろうが、一切評価変えはしなくていいです。
で、その後株価が5億円になっても 残念ながら4000万のままです。
その時に一回売って買えば5億円だから、4億6000万の利益が出てくる ってことですね。

バランスシートを見ながらお話しますけれど、こういった在庫とか あと売掛も、例えば売掛が100%入金されることは 考えづらいんですよね。
商品納品しました。 300万払ってくださいね。
翌月末ですよって言って、でも100社と取引していたら 1社か2社倒産してくるわけです。
そういったその倒産比率を織り込んで 売掛金を評価し直すんですが、残念ながら倒産確率、売掛金の引当比率っていうのは、まぁ、これも会社ごとに ちゃんと計算してやるのですが、そこら辺も実績がないと 残念ながら計算できませんとかって言って、評価しないってことも可能なので、もしくは大きい会社に関しては 1社1社チェックして、この会社ちょっと業績悪化してるから 無理なんじゃない、とか、そういうのもちゃんと評価して 厳格にやることも可能なんですけれど、それをしなければしないほど 利益はキープできると言う事ですね。
現金は評価のしようがない。 100って言ったら100ですよね。
他にも含み益、色々あって、例えば、ガイアックスの中に ある事業があります、と。
例えば、TABICA(タビカ)っていう 事業があります、と。
このTABICAっていう事業は、バランスシート上 どう評価されていると思います?
例えば、 累積10億突っ込みました、TABICA事業に。
システム開発だとか プログラミングだとか人件費だとか、広告宣伝費とかに10億円突っ込みました。
バランスシート上どう評価されていると思いますか?
じゃあTABICA事業をやっていたレオさん。

レオ

そうですね、でも 在庫とかが存在しないと思うので

そうですね。

レオ

で、売掛とかも 考えなくていいと思うのでそのまま

売掛がないことはないんですけれど、消費者が払ってくれたTABICAへの手数料が、クレジットカード会社に滞留しているので

レオ

あー。

ないとは言えないですけれど、10億お金を突っ込んだとて、バランスシート上は ほぼ計上されていないですね。
ほぼ0でしか計上されていない。
でも、例えば TABICAっていう事業を売却します、と。
5億で売却したらPL上どうなると思います?
アカネさんどうですか?

アカネ

これまでかけていた10億は PL上に反映されているので、5億で売却したら PL上では利益が出ない形になると思います。

10億の費用は既に計上していて、例えば過去5年間で毎年2億ずつ 赤字を計上しています、と。
今年5億で売却したら 今年のPLはどうなりますか?

アカネ

利益が5億増えますか?

そうですね、利益が5億増えます。
ちなみに事業の売却なので 売上とかにもならないし、けれども、特別利益とかになると思うんですが、それでも利益は5億増えます。
これが例えば 毎年2億かけてビルを建てていました。
で、10億かけてビルを作ったところで 5億で売却したら、毎年の2億は費用として計上されていなくて、在庫として計上されて、在庫が2、4、6、8、10になって、それを5億で売却したら 5億の損失が出ますけど、事業として一切資産計上していなければ、5億で売却したら5億の利益が出る って言うそういう話ですね。
例えばTABICAが 儲かるビジネスになっています、と。
ボロ儲かりします、と。
そんな中で利益を出すにはそのTABICAを売却、利益出ているからTABICAを 20億で売却するわって言ったら、20億利益出るわけですけれども、そこまでアグレッシブな事を したくないっていう時には、まだそこにもバリエーションが色々あって、例えばTABICAのある地域、例えば北海道地域の TABICAの営業権を売ります、みたいな。
将来にわたってそこから出てくる利益全部 拾ってもらって結構です、と。
今日時点の 北海道のお客さんも引き継ぎます。
それでもしも1億円で売れたら 1億円利益が入ってくるわけです。
フランチャイズっていうのもそれに近いんですが、フランチャイズに加盟してください。
フランチャイズに加盟する時に加盟金として 1000万頂きますって言うのは、まぁ、それに近いかもしれないですね。
もちろん、その瞬間に 顧客がいるわけでもないんですが、作ってきたブランドの一部の営業権を売却する というそういうこと。
他にもランニングで利益が上がっています。
例えば、iQube(アイキューブ)っていう ビジネスをやっていて、例えば毎月500万の 売上利益が上がってます、と。
そうなってくると そのiQubeって事業を売却してもいいし、ランニング利益を何らかの形でワンタイムで、食べれるように調整することは 可能かもしれないですね。
じゃあ改めてですけれども、

会計的に利益を出すと資産が膨らむ

会計的に利益を出すっていうのは、資産が膨らむということなんですが、これは意味わかりますか?
例えば本当は評価減しなければならないのを 評価減しないとか、在庫としてバンバン計上するとか、1億円で仕入れたものが 時価で3億円って言ったら、3億円まで会計的に資産を膨らましたら 利益が2億出るのか、異常にバランスシートが どんどんどんどん大きくなっていく、そうすると当たり前ですが 負債が変わっていないとしたら、エクイティの部分が増えていくので、結果的に利益が出る ってそういう言う話です。
逆に会社のバランスシートを見た時に、これ、なんか資産バカデカく評価してるな って思ったら、この会社は頑張って利益を計上してきたんだ って感じ。
一方、ありとあらゆるものが 償却とか費用化されていて、バランスシートがすごいコンパクトです って言ったら、この会社は 非常に厳格な会計をされてきて、これまで過度に利益計上してこなかった会社 なんだなって言う風に見えます。

利益を出すは、利益の先食いのこと

まぁ、とは言えそういうことを やらないといけない時もあって、会計的に利益を出すって言うのは、どちらかと言うと利益を先食いして、バランスシートが重くなって、減損リスクがあるような状態になっていく ってことですね。
膨らんだバランスシートって言うのは 減損リスクがあったり、はたまた売った時に利益が出ないっていう そういう傾向があったりするので。

利益を出す必要がある場合、どうするべきか

最後ですけれども、ビジネスをやっています、と。
あるシチュエーションで 利益を出す必要がある場合、じゃあ、どうしたらいいですかってなると、まあ、もちろん事業を伸ばして利益を出す って言うのが当たり前ですが、改めて全ての帳簿をチェックしてきます。
PL、当たり前ですがPLを全部チェックして、実際に売り上げをもっと伸ばせないか、実際にもっと費用をカットできないか、こういうチェックは もちろんやっていきますが、いやいやこれ もっと売上を先食いできないのか、もしくは費用をもっと先送りできないのか、もしくはバランスシートを見て 資産計上少なくない?みたいな、もっと資産計上できる隙間 あるんじゃないの?とか、デットの方をここまで我々負債として 見なきゃならないんだったっけ?
もっと負債を少なく見積もるというやり方 なかったっけ?っていう全部のチェック、あと、会社って言うのは ほとんどのことが簿に載ってきますけれど、ブックに載ってきますけれど 会計に載ってきますけれど、会計に載っていないことだって あるわけですよね。
例えば TABICAの事業はどこまで強くなってますか?
っていうのは 会計に載ってこないわけですよ。
ゼロ評価されているわけですから。
その簿外も含めたそういった資産を 全部チェックしていく。
まあ、もしかしたら特許とかも 会計に載ってこないわけですよね。
あと、過去の自社のトランザクション、会計上のトランザクションを 全部チェックし直して、あれ、去年ってどうやって利益出たっけ? とか、一昨年ってどうやって利益出たっけ?
そういうのを 全部チェックしていくことによって、もしかしたら今この瞬間計上できる もしくは計上しなければならない、背景的に見て、利益があるかもしれないっていう、そういう風な視点が 出てくるかなと思います。
はい、以上で 今日のレクチャーは終わりですが、何かご質問ありますか?

アカネ

私は大丈夫です。

はい。

レオ

そうですね、大丈夫です。

はい、ではどうすれば利益を出せるのか についてレクチャーをさせて頂きました。
今日は以上で終わりたいと思います。 ありがとうございました。

レオ

ありがとうございました。

アカネ

ありがとうございました。

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