優先株式の具体的な設計について…

税務会計と財務会計のズレを調整するための「税効果会計」についてレクチャーします。会計上の利益の増減につながります。
目次
はい、では 経営カレッジを始めていきたいと思います。
ガイアックスの上田です。
ガイアックス新卒1年目のアカネです。
同じくガイアックスでインターンをしている 大学3年生のレオです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
お願いします。
税効果会計とは?
今日は税効果会計というものを やっていくんですけれども、ちょっと難しい概念なので 頑張ってついて来て欲しいなと言う風に思います。
ケース設定(1) 有税償却
まずはケースの設定を させてもらいますけれども、償却前の利益が200です、と。
そこから減価償却をして 営業利益とか経常利益が出てくるんですが、償却前の利益が200です、と。 車乗っています、と。
その車の取得金額が200。
税務上は法定償却年数が5年。
要は5年以下で償却してはダメですよ、と。 5年で償却してください、と。
でも実態としては2年で壊れます、と。
もう壊れて潰れて廃車していきます と言うのが実態です。
さぁ、この時どういう会計処理が必要となって くるのかという事を考えていきたいんだ、と。
税効果会計というのは一体何のために存在して、どういう効果を発するのか というのを話していきたいなと思います。
今日は二つのケースがありますが これが一つ目ですね。
じゃあ、これ税務上の償却金額は実際のところ、1年目と2年目でいくらでしょうか? じゃあレオさん。
1年目も2年目も40だと思っている んですけれど、違うんですか。
そうですね。1年目40ですね。
で、2年目実際 車を廃車しちゃいます。
そうすると2年目の償却金額は いくらになりますか?
160ですかね。
そうですね。はい。
実際、税務上は 5年で償却しないといけないので、
有税償却 税務会計1年目
1年目は何が何でも40までしか 償却させてもらえません、と。
結果的に税前利益が なんと160も出てしまいます、と。
結果として税金、まぁ、30数%なんですが、30%と考えると48差っ引かれて、112利益が出るという形になりますが、
有税償却 税務会計2年目
2年目は壊れてしまうので160残り、全部差っ引いて税前利益が40になって、税金が12ですみます と言う話になります。大丈夫ですかね?
有税償却 財務会計1年目
次、財務会計ですけれども、はい、アカネさん、財務会計は減価償却はいくらになりますか?
200を2年で償却なので毎年100ずつですね。
そうですね、で、1年目の税金が48、これなぜ48なんですか?30%と
はい、30になるはずですが、そこには 税務会計の数字が反映されるので48ですね。
そうですね。
で、財務会計は正しく会社の姿を表現する、という思考がありますので、2年で潰れるんだったら 2年で償却してくださいっていうのと、あと、どちらかっていうと、一般的にはディフェンシブ気味に表現してください、という思考があるので、昔の会計手法で言えば、税金が48 現実として会社から流出しているので、ディフェンシブ気味に見て、48はやっぱり 採用しないといけないよねって言って、税金48を採用されていました、と。
有税償却 財務会計2年目
で、結果的に2年目は、税金の純額が実際12しか払っていないので このような会計になります、と。
有税償却 財務会計
これを並べてみた場合、財務会計1年目2年目、このようなPLになるわけですね。
このPLを見て何か感じることありますか?
例えば、お二人とも投資家です、と。
このタクシー会社に出資しました、と。
おい、業績報告持ってこいって言って、社長が、はい、持って来ましたって言って、1年目当期純利益52でございます、と。
で、2年目当期純利益88でございます、と。
説明されてどう感じます?
単純に見ると 業績が上がったのかなって思うかもしれないです。
そうですよね。 それはコミュニケーションとしてどうですか?
実際は全然中身はそんな事ないので、そこを説明しないと いけないのかなと思います。
そうですね。
あれ?会計って業績をコミュニケーションする ツールなんじゃないの?にも関わらず、会計のせいで 正しくコミュニケーションできないわけですよね。
これ正しくコミュニケーションするためには どうしたらいいと思います?
備考で減価償却について書く ぐらいしか思いつかないです。
そうですね なかなか良いソリューションですね、はい。
有税償却 本来の会計
本来の姿は100減価償却して、税前利益が100で税金30持っていかれて、最終利益は70ですって。
2年で車壊れたら3年目にまた車買って、この本来の姿が永久に続きますっていうのが、本来の姿なわけですよね。
有税償却に対する税効果会計の意味合い
つまりどういうことかと言うと、1年目本来の姿で言えば30の税金のはずが、税務会計上、税務署のプレッシャーを受けて 48と多く払っている、と。
言ったら18の税金を 先払いしていると言う事なんですね。
で、ここからがポイントなんですけれども、昔はこれでお終いだったんです。
で、ある年に ちょっとよく覚えていないですが、15年前くらいかな20年前くらいかな、税効果会計っていうのが徐々に適用されてきて、基本的にはもう適用。
上場企業は少なくとも適用しないと いけない状況になっているんですけれど、税効果会計の考え方を入れると、適切に財務状況を表してください、とか、あと、毎年の業績を 正しく業績として表現してください、っていう観点からは30の税金のはずなので、そこは調整しなければならない と言う風なルールが出てきて、結論的には調整するんですね。
調整のロジックはどういうロジックかって言うと、1年目に18 税務署に対して多く税金を払っているわけですよ。
国に対して18税金多く払っているんですよ。
その分、未来において 18払わなくていいんですよ。
結局払う額が一緒なら それって向こうのメリットなくないですか?
いや、実際には48払って 2年目に12を払わないといけないですよね。
それは税務署は許してくれないので、実際はそれをしなければなりません、と。
で、税務会計も全くそれで大丈夫です、と。
ただ、財務会計上は 48の税金で表現するんじゃなくて、30の税金と表現した方がよくて、で、18多く払っているわけですよ。
これ、ニュアンスはどんな感じかと言うと、例えば、今日ジュース屋さんに行きました。
300円のジュースを飲んだんだけど 500円玉しかなくて、1年目ちょっと500円玉しかないから これでジュース買うわって言って、200円のお釣りありませんわ、じゃあ、次来た時ちょっと その200円回しといてって言って、2年目行ってじゃあ、ジュースって言って、あ、前に200円払ってもらっていたので、今回100円ちょっと 請求させてもらってもいいですか?
あーわかったわかったって。
100円払って 合計300円のジュース飲みました、と。
これ大丈夫ですか?
1年目は いくらの費用を計上するべきだと思います?
会計的に言えば。
会計的に言えば300じゃないですか。
そうですね。
じゃあ、バランスシート上 現金はいくらなくなりました?
あ、500。
500円硬貨なので。
500払いました。
費用は300残りの200は、どう表現したらいい思います? バランスシート上。アカネさん。
負債ですかね。
ジュース屋さんの立場では負債ですよね。
お客さんの立場では?
資産ですね。
そうですね、 例えばなんと言う資産だと思います?
前払金とかですか。
そうですね、前払金とか前払費用とか、究極的に言えば貸付金でも別にいいんですけれど、位置づけによって変わります。
要は資産に載っかってきますよという事ですね。
税金に関してそのような処理をするんですよね。
実際48の税金を払っているけれど、今回は30の税金のはずだから、PL上30でしか表現しません。
差額の18は 税金を先払いしたぞ、みたいな形で資産に載せる、というのが税効果会計のやり方になります。
有税償却の税効果会計
結果として どんな感じのPLになるかと言うと、調整額という名前で18を足し込んで、2年目18を戻すという形で、結果的に両方30にしちゃうって言う、そういうような調整ですね。
ちょっと概念として難しいんですが、要はバランスシートに先払いしたぞって言う、繰越税金資産ていうものを計上して 調整するという事ですね。
ケース設定(2) 繰延欠損金
ケース設定2。 二つ目の話をさせて頂きたいと思います。
税前利益が下記の場合 毎年の税金額はいくらになるでしょうか?
2020年の税金、2021年の税金、 2022年の税金はいくらでしょうか?
2020年は利益が出ていないので 払わなくてよくて、2021年はやっとトントンになるので まだここでも払わなくて良くて、2022年でやっと だいたい30%払うと思います。
そうですね。
法人税のルール
法人税のルールは 繰越欠損金というものがあって、
繰延欠損金 税務会計
累積の損失がカバーされるまでは、税金払わなくていいというルールがあるので、今アカネさんが言って頂いた通り、税金の金額は22年に 30しか払わなくていいと言うことになります。
ちなみにこの繰越は税制が時々変わって、繰り越せる期間とか変わるんですが、昔5年だったりしたのが その後7年とかになっています。
諸外国では永久に繰り越せる国もあったりするので、それは状況によって変わってきますが、このような形で繰り越すことができます、と。
はい、じゃあ先ほどと同じ質問ですけれど、投資家としてこれを見て感じることあります?
先ほどと同様利益が20年から21年で、めちゃくちゃ上がっていったように見えて、そこからちょっと下がったのかな、みたいな風に解釈すると思います。
そうですね 本来どこがどうあるべきだと思います?
本来は21年から22年の所が、べつに下がってないのに、下がっているように見えてしまっている って言うところですね。
まさにそこがポイントですね。
例えば21年目に社長をやっていたA君と、22年目に社長をやっていたB君は 実は業績一緒なんですよね。
にも関わらずこれ下手すると、21年目に社長をやっていたA君が 褒められてしまうと言う、間違ったコミュニケーションを 導かれてしまうと言う事で、21年も本来は 利益を70にしなければならないんですね。
繰延欠損金に対する税効果会計の意味合い
これをいつ、何をどう評価すべきなのか、ということを追求していくと、2020年に100の赤字を出したんだけれども、実はその時の経営者は何をしたかというと、未来に渡って税金を減額できる権利を 手に入れているわけですよ。
意味分かります、これ?
要はジュース屋に行って 500円でジュース買いました、と。
そうすると次回200円割引きます って言うチケットをくれました。
これバランスシート上 その年のPLはいくらだと思います?
その年のPLはプラス200。
でも500円のジュース飲んじゃったんですよ。
マイナス300じゃないですか。
そうですね、500円のジュース飲んだので マイナス500なんだけど、将来200円の割引券っていう物をくれたから、それを資産計上すれば、200の現金 落ちている現金を拾ったようなものだから、差額の300がPL上表現されます、と。
じゃあこのチケット 7年間有効の200円割引チケット、これは資産性はどれくらいあると思います?
その200円7年間割り引きますっていうチケットと 200円、どっちが堅い資産ですか?
それとか200円で仕入れた電化製品。
それぞれの資産性はどう思います?
やっぱり長期的に見て 7年間の方がメリットが大きいと思います。
じゃあ会社として 200円の現金を取得するより、そのジュース屋に行ったら200円割引きます っていう割引券の方が、価値の高い資産だと思います?
会社としては 会社が利益を出すっていう意味では、前者の方がメリットが大きいんですよね。
うーん、アカネさんどうですか?
資産性、その場で200円もらえたら 確実に200の勝ちですけれど、次の年に それが確実に同じ価値を持つかって言われたら、不確実性はあるかなと思います。
そうですね、まず、そのジュース屋にジュースを買いに行った時に、200円の効力を発揮しますけれど、ジュースを飲みに行かなければ その割引チケットの価値はないし、7年経って8年目に突入したら そのチケットを捨てないといけないから、7年目に減損200をしないといけない リスクを抱えているわけですよね。
それに比べるとそりゃあ200円の現金、500円払ってジュースもらったら、これ200円のクオカードですって言って、クオカードもらった方が価値があるし、200円で現金もらった方が価値があるし、同じバランスシートで200と計上されても、全然位置付けが違うんですが、でも200の計上をしても ダメっていうわけではない、そういう感じです。大丈夫ですか?
はい。
繰延欠損金の税効果会計
そうすると その2020年に100の赤字を出して、なんと将来、税金を30減らせますよって言う、チケットをゲットしたとみなすとですね、なんと100の赤字を出したんだけど、30のチケットをゲットしたって言う、ファインプレイをしたということを折り込むと、70の赤字でいい、と。
で、21年に100の利益を出して、実際税金は少ないんですけれど、なぜ少ないかって言ったら、2020年の経営者が、ファインプレイで30のチケットをゲットしたから、税金が減るんであって、それを損益に2021年に折り込むのは変な話なので、その資産を取り崩しながらその評価を外して、結果70の利益とします。
そうして22年目は普通に、そう言った調整額がないので70になります。
これが税効果会計というものなんですが、これを見てまた感想はどうですか?
じゃあ2020年の決算に対してどう感じます?
なんか実態は業績が悪いのに、それが緩和されているのは どうなんだろうって思います。
そうですよね。
まあ、今までのレクチャーで、言った通りの理屈をこねくり回すと、確かに将来の税金の金額を減らせられるという、チケットを手に入れたとも言えるけれども、よくもまあ それで損益が改善するんだなー、みたいな。
税効果の資産のBS上の表現
今ので税効果の資産のバランスシート上の表現は、
資産の中に、 普通は現金とか売掛金とか在庫とか、っていうのも載せているんですけれども、繰延税金資産というような形で計上していく というような事になります。
こちらが繰延税金資産を、バランスシート上に 表現したような状態なんですけれども、本当は赤字を出して 繰延税金資産などは表現せずに、純資産がそれだけダメージを食らって ガクンと減るはずが、赤字額の30%ぐらいを 繰延税金資産とかって言って計上しちゃうと、その分、純資産が若干守られるわけですよね。
で、純資産がちょっと厚くなってくるんです。
そこまで大丈夫ですよね?
はい。
はい。
この繰延税金資産。現金に比べて 資産性の薄い資産だと思うんですが、どういうリスクを抱えています?
例えば7年過ぎてしまって 効果がなくなるとか。
そうですね。 それが一番検討すべきリスクですね。
はい。
7年以内にそれだけの黒字を出さないと、そんなチケット意味がないって言う事で、7年経ったら減損しないといけない かもしれないですよね。
で、7年経ったら減損しないと いけないんじゃなくて、実は6年目とか5年目とか4年目の段階で、これをぶっちゃけ未来に渡って 2年3年の営業利益計画はどうなっているんですか?
みたいなディスカッションをして、それが税効果資産として 例えば100億計上しているのに、利益50億しか出ませんって言ったら、じゃあ50億の30%の15億分しか 残しちゃダメです、と。
残りの85億はもう、3年前ですけども、減損しちゃいましょう、みたいな、そういうオペレーションを 要求されてくるんですよね。
で、もちろん7年目で使えなかったら 使えなかった分は丸々減損です、と。
じゃあ例えば繰延税金資産が200億 純資産が100億、この会社を見てどう思います?
なんか不安定な資産を抱えて純資産を 水増ししてると言うかそういった印象です。
繰延税金資産が200億 純資産が100億って言うと、水増しという表現でも ないような気がするんですけれど、もうちょっとフィットした表現にすると どんな表現になります?
もう全く純資産が0の状態なのに、計上されてしまっていると言うか そういう感じかなと思います。
そうですね。 水増しされているって言われると、本当は純資産例えば100億なのに、130億って水増ししているよみたいな そういうニュアンスだと思うんだけど、繰延税金資産が 純資産の例えば倍あるって言われると、これ本当 繰延税金資産の資産性を問われるだけで、一瞬で債務超過に 転落しちゃいますよね、みたいな、そういう風に見えちゃうわけなんですよね。
なるほど。
これまで経営者の いかに業績を良くするのかとか、いかに資産を積もうとするのか、というモチベーションと このバランスシートを見て、感じると思うんですけれど、負債ってだいたい真実なんですよ。
本当に借金があるのを並べているんですよ。
もちろん負債性のない負債を 計上する時もあります。
例えば資産除去債務。
店作った時に5年後とか10年後に撤退する時に、その撤退コストをあらかじめ 負債として計上してください、みたいな、そういうルールも 最近出て来ているので、それはまぁ、負債と言えば負債だけど、負債とも言えないな、とか、それとか役員退職金の積立とか、まぁこれも正直、業績ボロボロでクビになったら、この役員退職金とか辞退するかもしれないから、いちおう規定に則って 毎年200万積んでいるけれど、累積2000万になっているけれど、これ本当貰えるか って言ったら怪しいよな、みたいな、ただ、あくまで役員と会社は別人格ですから、契約書上払うって言ったら 絶対払わないといけないので、負債性が100%存在する負債 ではあるんですけれど、まぁ、話戻って、負債はだいたい真実なんです。
一方、資産って怪しさ満点で、すごい厳格に資産を見ている会社もあるんですが、得てして緩く見ている会社もあって、例えば資産の中の在庫が500億って言って、実体が300億しかないのに、純資産が100億しかなければ、これ在庫を厳しく評価し直したら、棚卸しで厳しくしたら、一瞬で債務超過なっちゃいますよね、みたいな。
そんなのにもなっちゃうんですけれど、そういう資産の中の怪しい資産の中で、やっぱりダントツに来るのが この繰延税金資産って言うのが、一番ダントツで怪しい って言うそういう話になります。
税効果会計の良し悪し
で、その税効果会計 全体の良し悪しをちょっと整理すると、これは時価会計。
いかにリアルタイムに毎年毎年の業績を 正しく表現するかというコンセプトに基づいて、生まれてきた会計手法です、と。
で、最先端の会計手法、まぁ、最先端と言っても10何年前の手法ですけれど、新しい手法ではあるものの、本来の会計ってディフェンシブにやるべきだよね って言うのには相反した考え方で、すごくアグレッシブな、どちらかと言うと過剰に利益を前倒し前倒しで 計上してしまうような会計手法です、と。
で、もう1個重要なのは、経営者はすごい将来を見据えて ビジネスジャッジするのですが、それの会計表現を、まぁ、もちろん経理の担当がしたり、それを監査法人が 再チェックしたりするんですけれども、経理の担当者とか監査法人っていうのは、今までは基本的には 現実もしくは過去を評価していたんですね。
なんか意味わかります?
監査法人っていうのは、例えばスポーツで言うと、例えばボクシングで言うと、どの人だと思います?
レフリーじゃないんですか。
そうです、レフリーですよね。
よく、将来会社を起こしたいから 会計の勉強します。
監査法人で10年修行します とかっていう人いるんですけれど、いや、ボクサーで世界代表目指すのに レフリー10年やるのもいかがなものかなって、僕はその話を聞いてよく思うんですけれど、基本的には起こった事に対して 評価を下す人なんですよね。
今マットに10秒倒れていたかどうかとか、野球で言えばそれはストライクゾーンだったか、外だったかっていうのを 過去に対して評価する人なんですよ。
ところがこの時価会計とか 税効果会計って言うのが導入されてくると、えっ?今後3年間の事業計画によっては 繰延税金資産を計上してもいいし、事業計画いかんによっては それを計上してはダメです、とかって言ってくるわけですよね。
じゃあ、事業計画これですって 経営陣が出してきて、これが3年間の事業計画が、本当かどうかを判断しなければならない みたいな。
監査法人からしたら、おーいおい、これまで事実を見て それを評価下していたのに、何これ?見通しを 評価しなきゃいけないって事、みたいな。
もうこれはすごく大きな変化っていうか、今までやった事のないような業務をしろ みたいな。
まあでもそんなに言っても 口八丁手八丁の経営者が、いや、事業計画がこうこうこうで かくかくしかじかでって言ったら、実際、未来の事なのでどうなるかわからないし、いや、監査法人もなかなか違いますね とも言いづらい、みたいな。
そんなすごい難しい事が 現場で行われていると言う風になります。
まぁ、もちろん在庫だって これいくらで売れそうですか、みたいな棚卸も、まぁ、未来の評価って言えば 未来の評価なんですけれど、それに比べると会社全体の事業計画っていう、すごいややこしいようなところにも来るし、結果的に繰延税金資産が積み上がって、それの評価次第では債務超過になって、巡り巡っては倒産になるようなジャッジを、監査法人がする みたいな話になってきているわけなんです。
で、ある時銀行が昔、大不況で 都市銀行ですら、もう倒産したり、合併をしなければ生き残れない、みたいな そんなことがあったんですが、その時にどんなことが起こったかと言うと、あんまりにも赤字を出し過ぎて、債務超過に転落しそうになったんですが、その場しのぎで 繰延税金資産とかを積んで、なんとか凌いでました、と。
監査法人にもこの繰延税金資産って 価値あるんですかって言われたから、いや、あるんです。事業計画上こうだから、と言いながら毎年赤字で、とか、なかなか大した利益出せずに、繰延税金資産の資産性を 毎年問われていました、と。
で、ある時、もう、これ厳しくなって、銀行と銀行が合併とかしたら 監査法人が変わったりして、で、これ監査法人が変わると危険なんですよね。
それまでの監査法人は会社との付き合いもあるし、なんか1を認めてしまったから2年目もまた、認めてしまわないとならない、みたいな、で3年目も認めてしまわないといけない みたいな事が続いていくんですけれど、監査法人が変わる時って 1回それを認めると次から自分の責任になるので、引き継ぐ時に いやいやこれは認められません、みたいな結構、硬派にやってくるんですけれど、で、それでまた業績が悪化してしまって、残念ながらもう倒産に近づいていく、みたいな。
そんな事がそこらじゅうで 発生したりしていました。
はい、以上で税効果会計の説明は終わりますが、今日はご質問とか感想とかありますか?
未来の計画を評価してもらうって事は、やっぱり倒産するぐらいなら ちょっと希望的な計画を描こう、みたいな動機が働きそうだな っていうのは思いましたね。
そうですよね、なんか在庫を ちょろまかすとかじゃなくて、事業計画で利益が出る と言えばいいだけですから、ま、比較的嘘ではない可能性が高いというか、達成できないかもしれないけれど、粉飾と言われる筋合いはない話になりますからね。
まぁ、ちょっとあまり馴染みのない話だったので、まぁ、肌感ないかもしれませんけれど、実際上場企業とかみていても また大手企業をみていても、税効果会計って言うのは 大きなインパクトを出していて、実際、これで全然 これの表現の仕方で同じような会社に見えて、積極的に税効果会計を採用している会社と、ディフェンシブに そんなのもほぼ計上せずに、赤字は赤字なんだって言って ディフェンシブにやっている会社で、同じなんだけど、会計上すごい 天と地ほどの差が出たりするので、ちょっと気を付けて見てもらえたらなと思います。
じゃあ以上で今日は終わりたいと思います。 ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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