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そもそも財務とは何かについてお話しします。また企業価値とはどのような算出方法があり、誰がどの指標を重視しているのかや、どのようにコントロールするのかをレクチャーします。

はい、では 経営カレッジを始めていきたいと思います。
ガイアックスの上田です。 よろしくお願いします。

アカネ

ガイアックス新卒1年目のアカネです。

レオ

同じくガイアックスでインターンをしている 大学3年生のレオです。
よろしくお願いします。

はい。よろしくお願いします。

アカネ

お願いします。

財務とは?

はい、では今日は 経理とか会計の世界から、財務の方に移っていきたいと思います。
まず財務。これ何の意味だと思います?
どういう事だと思います?

レオ

そうですね、パッと聞いたイメージだと、財務諸表とかそういったように 企業の会計というイメージがあったんですけれど。

そうですね、企業の会計。 じゃあ会計の事ですか財務って言うと。

レオ

は違う、違うんですよね。 あとはちょっとわからないです。

アカネ

部署として 財務部署があると思うんですけれど、お金に関する手続きとか そういうイメージがあります。

はい、経理部という部署もありますけれど、経理部と財務部は、じゃあ何が違うんですか?

レオ

ちょっとわかんないですね。

アカネ

すみません 私もわからないんですけれど、経理は社内のお金を調整していて、財務は社外のお金を 調整しているイメージがあります。

そうですね、経理はどちらかと言うと記帳。
経理部と財務部って言うと 経理部って言うのは記帳ですね。
会計とかの世界で全ての記録をしっかり取る って言うのが経理部。
経理部っていうのは銀行さんとかと 折衝しないしお金を扱うわけではない。
財務部はお金を扱う。
そういう意味では経理と会計っていうのは同じ世界 だと思ってもらって大丈夫なんですけれど、経理がブッキングと言うか記帳と言うか 財務諸表を作ると言うか、一つ一つをしっかり測って ちゃんと財務諸表に表現するというのが経理部で、財務部というのはお金を扱うって言う。
まぁ、もちろん経理部が上げてきた 財務諸表とかを駆使しながら、銀行に折衝したりとか そういった事をする。
部署の名前じゃなくて 財務って言うといったい何を指すのか?と言うと、これも若干曖昧単語で いろんな意味を包括するんですけれども、まず、英語で言うとファイナンスって言うのが 一番よくあてられると思います。
財務という単語は。
会計はアカウントなんですけれども 財務はファイナンス。
ファイナンスと聞くと どんなイメージがありますか?

アカネ

会社のお金全てを コントロールしているイメージがあります。

そうですね、そういうイメージを持ってもらって いいんですけれども、よく一般的にファイナンスと聞いて 頭に思い浮かべるのは、お金を借りて来るって言う事を イメージする人も多いんですけれども、狭い意味で言うと お金を借りてくるみたいな意味なんですが、広い意味で言うと 今アカネさんが言ってくれたような形で、特にコーポレートファイナンス と言えばお金を扱う。
特にどういう形かって言うと、会社としてお金を調達してきて ビジネスで回して、ビジネスで上がってきたお金を再投資したり、集めてきた人に返すっていうのを司るのが、コーポレートファイナンスっていうところの ジャンルになっています。
そのアカウントっていうのが まぁ、ノリで言うと例えばスポーツで言えば、野球で何がセーフで何がアウトで 何がエラーで何がヒットなのか?
みたいなのをしっかり定義して しっかり一人スコアボードを記録する、みたいなのがアカウントの世界。
で、財務の世界っていうのは、じゃあその例えば選手をいくらでトレードで、いくらお金払って 手に入れてくるのか、みたいなのが、ファイナンスの世界の会話かなと思います。
そんな中で 財務の中で基本的に必要となってくるのが、

企業の価値評価

この企業の価値の評価、企業の価値とか企業の評価ですね。
例えばA君は今年1シーズンで エラー率がいくらで、ヒット率がいくらで 盗塁数がいくら、みたいなのは、記録としてしっかり上がってくるとしても、じゃあそれがいったいいくらで トレードで仕入れてくるのか、みたいな話であって、じゃあ、うちの会社の簿記はあります、と。
財務諸表は仕上がっています、と。
財務諸表が仕上がっていたら お金を借りてこられるか、そんなことはなくて、財務諸表をもとにこれぐらい借りられるよね って言う話だったり、財務諸表のこの辺りをこういう風にPRしたら、これぐらい借りて来られるかもしれないよね って言う話だったりするんですけれども、この数字が上がってきたものから、じゃあ、どう評価するのか というようなところが、財務の世界の最初に必要となってくる概念 なのじゃないかなと言う風に思います。

どういう企業が評価されるべきか?

では、どういう企業が評価されるべきなのか?
経営者が頭がよければ評価されるべきみたいな、財務の世界とか会計の世界以外 のところは無視して、会計上どういう数字を評価していくべきなのか?
例えばホームランの数が10本より20本の人の方が 良いって評価されるべきだと思うんですけれども、そのような形で どういう企業が評価されるべきなのか?
皆さんはどういうイメージあります?

レオ

会計上は財務諸表が安定している と言うか業績が安定している企業が、評価されるべき なんじゃないかなと思います

業績が安定しているというのは 会計上の単語を使うとどういう意味ですか?
業績というのは PLにもBSにもCFにもないですよね。

レオ

利益が出てる。

そうですね、利益が出てる。
利益が出てる会社は評価されるべきである。
まぁ、常識的に考えてそうですよね。
実は昔は 結構売り上げも評価されていたんですね。
例えば、会社の序列を表す時に 売上高順に並ばされるみたいな感じ、例えば、雑誌で取り上げる時とか、やっぱり売り上げ、 これも20年前30年前くらいかな、売り上げがあれば全てを癒す じゃないんですけれど、それは事実としてあるんですけれども、やっぱり売上が大きいところが いいよね、みたいな。
でもそんな事はどうでもよくて 実際のところ、皆さんもお感じの通り、売り上げがいくらあったところで 利益があるかどうかが重要、みたいな。
例えば、ユニクロさんとかは 例えばイオンとかに比べて、全然売上が小さいんですけれども、利益の絶対額がもうハンパない。 利益率がハンパない。
まぁ、そういう意味では ユニクロさんはすごいよね、と。
普通の人からしたら ぱっと見てイオンさんの方が大きいですよね、みたいなイメージを持っている かもしれないけれど、じゃあ、企業評価の観点では、いや、売上が出たからって何なの? みたいな、イオンさんももちろん 利益を出されて立派な会社なんですが、ユニクロさんはホントすごいよね、みたいな。

評価される企業の評価軸の変遷

そのような過去の変遷があるんですけれども、利益よりも、昔は本当に利益を すごい評価されていたんですけれども、利益よりキャッシュフローの方が 重要なんじゃないかな、みたいなお声も出てきたわけです。

CFと利益の違い

その利益とキャッシュフロー これはどう違いますか?

アカネ

その利益はそれが出た時点で 原価が認識されますけれど、キャッシュフローの方は流通した タイミングで認識されるところが違います。

そうですね、どちらが良いと思います?
もしくはなぜ利益よりキャッシュフロー なんじゃないかと言われると思います?

アカネ

それこそ会社のフェーズによってなかなか 利益が出ないタイミングもあると思っていて、投資段階の時は利益ではなくていくら お金が流通したのかってところを着目しないと、企業価値が過小評価されるのかな と思います。

そうですね、投資フェーズにおいては 利益も出ないけれども、恐らくキャッシュフローも出ないのかな という気がしますね。
そういう意味ではそのフェーズにおいては 両方評価され辛いかもしれません。
レオさんどうですか?

レオ

単純に現金が重要なのかな って思ってまして、現金をいくら持ってるかっていうのが 重要なのかなって思います。

そうですね、現金が大切だというのは まさにこの視点のポイントですね。
ちなみに現金をいくら持っているか、だと キャッシュフローという単語じゃないですよね。
何て言う単語ですか?

レオ

現金をいくら持ってるか を表す単語ですか?
えっとそうですね、キャッシュフローだと 流入、流出になってしまうので、えっ、資産とかそういう話 ではなくてですか?

そうですね バランスシートの中の資産の中の現金残高。
現金とか預金の事を表しますよね。
その会社の評価で いくら現金を持っていますか?
っていうのも 確かに評価の一つではあるんですけれども、それはそれでまた別の話としてあります、と。
一方で 利益をたくさん叩き出せる会社が立派だよね、っていう日本語と、現金をたくさん稼ぎ出す会社が立派だよね、っていう単語の違いと同様に、利益とキャッシュフローという単語がある というそういう感じです。
利益って言うのは会計上の利益、この会計上のって言う単語が若干バカにしたような ニュアンスを秘めていると思うんですけれど。
いや、計算上は利益が出ているかもしれないけれど、結局現金を生み出してなかったら 意味ないじゃない、みたいな、そういうニュアンスを込めている という風にも思われるし、実際利益っていうのは 操作しやすいんですよね。
現金残高とか 現金がいくら増えたかなんて、操作も粉飾もし辛いですけれど、現金がいくら増えたのか 本当はわかりやすいんですけれども、利益って言うのは いや、今期これだけ利益上げましたって、操作、粉飾、お化粧、ちょっとわからないですが、結構自由に操作できてしまうところがあるので、やっぱりそういうものじゃなくて やっぱりキャッシュフローを見ようよ、と。
結局現金を生み出すのは重要なので、取引条件とかが甘々で、投資家の立場からいけば、取引先とかにすごい現金が落ちていて、自社に全然現金が返ってこない。
例えば物を売ったはいいけれど 売掛金が長すぎて、全然会社に金入ってこないし、今後も売り上げは伸びるだろうけれど、売掛金が長すぎて 全然会社に現金残らないじゃない、みたいな。
結果的に売り上げが登れば登るほど、投資家としては 現金を会社に貸付なければダメで、会社が金を余らせるのはいつなんだって言う。
そういう状態はやっぱり良くなくて、良くなくてって言うか 利益は出ているんでしょうけれど、まぁ、あんまり意味ないよね と感じざるを得ないっていう、そういう感じかなと思います。

投資対リターンの考え方

改めてですが 売上に比べると利益の方がいいよね。
利益に比べるとキャッシュフローの方が 評価としてはいいのかもしれないね、みたいな。
そういう話があるんですが、もう1個、投資対リターンって言うのがあります。
この投資対リターンであるべきかどうか って言うのはどう思います?

レオ

わからないんですけれど 投資対リターンだと長期的というか、いつ利益が見込めかわからない 不透明っていうのがあるんじゃないですかね。

うーん、そうですね。 投資対リターンっていうのはどれだけの投資をして、どれだけ利益が出たのかって言う そういうような概念なんですけど、例えば、50本ヒット打った人と 20本ヒット打った人、どっちがトレードで高そうですか?

レオ

まぁ、もちろん50本打った方ですよ。

じゃあ、50本打った人は 100回試合に出て、20本ヒット打った人は 10回試合に出ました、と。
これだとどうですか?

レオ

後者になりますね。結局。そうです。

ヒット数ではなく何で評価されると思います?

レオ

比率ですね。打率ですね。

そうですよね。打率ですよね。
ヒットをたくさん打ったからって言って めちゃくちゃ打席が回ってきて、それだけしかヒット打ってないのだったら、いや、もう10打席しか出てないのに 10ヒット打ちました、みたいな。
20打席で10ヒット打ちました、みたいな。
そういう人の方が 評価されるんじゃないかって言う。
そういう話と一緒で、じゃあ、100万円利益出した会社と 1000万利益出した会社。
どっちが優秀ですか?っていう質問に 何を加えないといけないと思います?

レオ

どれだけ投資したか。

そうですよね。10億円投資をして 1000万利益を出した会社と、100万円投資をして100万円利益出した会社と どっちがいいと思いますか?

レオ

前者は投資に対して リターンが少なすぎるので、後者の方がいいと思います。

そうですよね。
利益と投資対リターン。
投資額に対する利益率と、改めて どっちがどれくらい重要だと思います?

アカネ

比率の数字自体からは あんまりなんか本質は見えないので、利益の方が大事かなと思いつつ、その次に じゃあどれぐらい投資した上で、リターンを得たのか って言う比率が大事になると思います。

なるほど。もちろん会社を取り囲む ステークホルダーはいっぱいいるので、どのステークホルダーの立場からの会話ですか っていうそういう話にもなってくるので、じゃあ、例えば、いくら税金を納めて社会に貢献している立派 な会社なんですかっていう話になると、税金絶対額 言わば利益絶対額が重要であって、投下資金、当たり前ですけれど 国はその会社に投資をした訳じゃないので、国からしたら誰かが投資しようが それはどうでもよくて、じゃあ、結局利益はいくら上げたの? みたいな。
そっちの方が重要なわけなんですけれども、じゃあ投資家の立場から見るとどうですか?

レオ

投資家の立場から見ると 文字通りなんですけれど、どれだけ投資してどれだけリターンが 返ってくるかっていう事が重要だと思うので、投資対リターンが大事なのかなと思います。

利益は重要ですか? 重要じゃないですか?
皆さんが投資家だとしてどうですか?

レオ

そうですね 重要だとは思うんですけれど、うん、ちょっとわからないです。

アカネさんどうですか?

アカネ

ROIだけ見てもよくわからないと思うので 利益の数字は大事だと思います。
どっちも自分がいくら投資して いくらリターンが返ってくるのかっていう、実際の数字も見ると思います。

そうですね、ROIだけだと、例えば、この会社 100円しか投資させてくれなくて、なんと年間で50円の配当を出してきて、ROI 50%だけど絶対値として50円だと、これマジで意味ないよね っていう意味だと思うんですけれども、まぁ、そういう観点では利益絶対額っていうのも 必要になってくるかもしれません、と。
ただ、じゃあ そこまでのボリュームに影響がなければ、例えばファンドがAとBがあって、Aのファンドに預けると 毎年5%の配当があって、Bのファンドに預けると 毎年1%のリターンがあります、と。
これ、投資家にとって そのファンドの総サイズとか、年間に入れている総利益額とか、投資家からの立場からするとどうでもよく、結局こっちに100万入れたら5%返ってきて、こっちに100万預けたら 1%返ってくるんだよね、なるほど。
っていうことしか興味ないわけなんですよね。
実際、現金があれば 利益の大きい方に突っ込むか、ROIが高い所に突っ込むか どっちに突っ込みますか?

アカネ

ROIが大きい方ですかね。

人の事考えずに会社の事も考えずに 自分の事だけを考えるとそうですよね。
100万突っ込んでいくら返ってくる?っていう。
その会社に投資をさせてくれー って言って投資をさせてもらって、それで投資枠を全部使い切って、残ったお金をじゃあどうするって言われたら、まぁ次にROIが高い所に移っていくのであって、これ、別の言い方をすると、たくさんの人を雇用しているのは、雇用責任を果たして立派な会社だ、みたいな、そういう風潮って 世の中にあると思うんですけれど、なんかわかります?

アカネ

はい。

じゃあ、1万人雇用していて 社員満足度が4の会社と、100人採用していて 社員満足度が5段階の内の5、みたいな。
どちらがいい会社ですか?

アカネ

一概には言えないですけれど、私だったら100人で満足度5の方に 行きたいですね。

まぁ、そうですよね。 世の中の貢献とかになってくると、ちょっと どう評価したらいいかわからないけれど、私が就職するとしたら当たり前ですけれど、社員満足度5の方に行くかな、みたいな。
そこに入れなかったら 4に行くかもしれないけれど、みたいな。
なんとなく会社の評価に、会社の規模っていうのが、重要そうなイメージを持ったりするんですけれど、その実、全く意味はなくて 率の方がめちゃくちゃ重要。
全体を俯瞰して業界を論じる時には、なんとなく規模とか絶対額とかが 重要そうな感じがするんですけれど、現実に落とし込んで誰のハッピーの為なんだ っていうのを突き詰めていくと、もう明らかに率の方が大切。
このROIと言うのはいくつか、

ROI・ROA・ROIC・ROEについて

何を母数に取るのかによって変わってきます。
ちなみにまずROIっていうのは、Return On Investmentっていうものの 略称なんですけれど、一言で言うとこのROIっていうのは すごい曖昧単語で、投資対リターンという日本語と 全く変わらず、じゃあ、投資対リターンを 財務諸表上の何を投資と捉えて、何をリターンとして捉えるのかっていうのは、定義があるかもしれないけれども、あんまり定義をイメージして使う単語ではない。
それに比べると下の3つっていうのは もうちょっと定義がしっかりしていて、Return On A。 Aって言うのはアセットですね、総資産。
総資産といえば総資産だし、デットとエクイティの合計と言えば デットとエクイティの合計。
当たり前ですけれど。 バランスシートの上から下までですね。
投下資本っていうのは、有利子負債と自己資本の合計を分母に取る感じ。
自己資本っていうのは 自己資本分だけを分母に取る感じ。

BS上のROE・ROIC・ROAの考え方

バランスシートを見ながら説明すると、ROAっていうのは上から下まで全部。
つまりデットとエクイティの合計。
ROIC Investment Capital 投下資本っていうのは、有利子負債と言うか、負債の中から 営業系負債を除いたものと純資産の合計。
ROEって言うのは純資産を採用する。 自己資本を採用する。
どれを分母に取るのがいいと思いますか?
それぞれなぜですか?

レオ

すみません。ROAの総資産って言うのは 資産と負債の全ての合計でしたっけ?

いえ、負債と純資産の合計。 もしくは資産、総資産の事。
バランスシートなのでA=D+Eですよね。

アカネ

会社全体の業績を見るって言うのであれば 資金調達の方法に関わらず、いくら投資してリターンが出たのか っていうのを見たいので、ROAかなと思います。
ただ、株主目線で言うと大事なのは、自己資産でどれぐらいやったのか っていうところなので、ROEも見るのかなと思います。

その通りですね。
株主目線、例えばアカネさんが友達の 山田太郎君がちょっと僕にお金出してよ、と。
僕に出資してよ、と。
焼き芋屋やってくるのでって言って。 じゃあ、いくら出資したらいいのって。
100万でいいです、と。
あと足りない400万は 銀行から借りてくるんでって言って。
あ、そうか、と。 勝手にしたらって言って。
で、100万突っ込んで400万借りてこられて、で、年間で100万利益出しました、と。
金利とか差っ引かれて 90万手元に入ってきて、まぁ、税金引かれて 60万手元に入って来ました、と。
おまえ100万投資して 60万返ってくるって立派だな、みたいな。
毎年頑張ってよ。 って言うか2店舗目やらないの、みたいな。
いくらでも出資するよ。
みたいな、そういう話になるわけですよね。
それがROE。
会社全体の効率を見るならROAなんですけれど、投資家の目線からいくと ROEの方がはるかに重要かな、みたいな。
有利子負債と純資産を足すという考え方も わからないわけではなくて、その焼き芋屋をやっている山田太郎君が アルバイトを採用して、ビジネスを回しているんだけど、もしくは芋を仕入れて ビジネスを回しているんだけど、アルバイトの支払いも芋の支払いも 半年先にしている、と。
条件交渉して。
で、その分営業系負債が アホほど膨れ上がっている、と。
で、結局、出資したお金は100万で 借りてきたお金は400万なんだけど、それ以外に営業系負債が1000万あって、合計1500万で めちゃくちゃ大きいビジネスを回している、と。
営業系負債っていうのは 営業モデルの中で生み出した無利子の負債なので、それを評価対象の分母に 入れる必要ないのかな、みたいな。
いくらのお金を調達して、エクイティとしていくら調達して デットとしていくら調達して、その合計に対して どれだけ利益が出たのかな、みたいな。
そういうような評価で使うというので。
非常に理念的には正しいなと思いつつ、まぁ、ROEの方が正しいですが それに準ずるもの、特に僕が出資をして 且つ金を貸しているとかになると、有利子負債なのか純資産なのか、どっちでもいい話になってくるので、営業系負債はできるだけ取引先とかに 協力してもらえるんだったら協力してもらって、お金を調達させてもらうのと 同等の効果を発揮しながら、ともかく俺が出資するお金とか 俺が貸し出す金は少なくしてよっていうのが、両方出している立場とかになると よりそう思うので、まぁ、わからないでもない 指標なのかなと思います。
ちなみにそれぞれのリターンというものを、

何を採用するのかっていうのは、若干物によって異なっていて、総資産であれば、まぁ、これも、すごい定義は精緻に設定されているか ってそうでもないんですが、一般的には経常利益くらいは 採用するのかな、と思います。
自己資本だと 純利益を採用するのかなと思います。
なぜ総資産だと経常利益を採用して、自己資本だと純利益を採用するんですか?

アカネ

総資産を見る時って 会社全体の成績がどうなのかとか、なんだったら常に どういう利益が出ているのかが重要で、自己資本を見るのは株主なので、結局 利益がいくら出たのかを重視するので、そこに合わせるのかなと予想します。

そうですね、特に自己資本。
株主からすると純利益しか興味ないので、仰る通り、自己資本に対して純利益でいいのかな という風に思います。
総資産に対する経常利益であるべきなのか、総資産に対する営業利益であるべきなのか、まぁ、そこら辺は ちょっとあれなんですけれども、ま、純利益で採用する時もあるんですけれども、ま、もうちょっと 最終的な利益というよりかは、最終利益の前の段階の安定した利益。
もしくは総資産の中に借入も含まれているので、まぁ、そういう意味では営業利益でもいい のかもしれないなっていう、そういう感じですね。
借入も含まれていると言うのは どういう事かというと、総資産って言うのは別の言い方をすると、エクイティとデッドの合計で、どれだけ利益を稼ぎましたか っていう指標なので、別の言い方をすると、エクイティがいくらで デットがいくらだとか気にせず、全ての資産を使って、どれだけ利益を叩き出したんですか? っていう質問なので、そこで金利を差っ引くっていうのは、ちょっとやりすぎかもしれないので、そういう意味では 営業利益でもいいのかもしれません。
ちなみにROICでよく採用されるのが、Net Operation Profit After Tax、税引き後営業利益 っていうものを採用されるんですが、これも同じような考えで、金利は引かない経常利益みたいな そういうものですね。
じゃあ、ROAが素晴らしい時に、ROEが素晴らしくない時、どうしたらいいかって言ったら、借入を増やして 自己資金を減らしたらいいわけなんですよね。
例えば500万出資して焼き芋屋をやって、100万円利益出ましたって言うんだったら、いや、これさ これ500万も出資してるけれど、500万出資必要?みたいな。
100万の出資にして 400万借入してもらい、みたいな。
いいですよって。 じゃあ、それやってよって。
100万出資して400万借りて来ました、と。
そうすると、私としては 500万の内100万しか使っていないので、残りの400万を 別の山田太郎君に出資できるわけですよね。
そうすると利益が、金利が発生するので5倍とは言わないけれど、コスパと言うか 利益率がすごくアップするので、利益が4倍とか5倍に近づいてくる っていう風になってきます。
今の話は意味わかりました?

レオ

わかりました。

じゃあ会社における自己資本の出し手と、つまりエクイティの出し手とデットの出し手、会社にとってはどっちが重要ですか?

アカネ

確実に返さなきゃいけないのは デットですよね。

そうですね。
デットの方が確実に返さなければならない という観点は事実です。
どちらが重要なステークホルダーだと思います?

アカネ

重要の意味によるんですけれど デットは借りたものを返すだけの関係だけど、株主は今後も出資してもらえるかとか なんか同じ方向を向いているかとか

いう意味では重要だと思います。
そうですね、だいぶ正解に近いと思います。
特に重要なのは 借入ているのは返したらおしまいの関係。
なんかすごい冷たさの漂う 寂しい日本語ですけれど。
まさにその通りで 借りて返すだけの関係。
一方株主は今後も出資してもらえるとか っていうことは関係なく、株主がこの会社のオーナーなので、会社そのものと言っても過言ではない。
まぁ、そのものでもないんだけれども、まぁ、そのものと言っても過言ではない。
むしろ経営者が その株主に雇われてる番犬であって、経営者の方が重要なロールを果たしますけれど、大切にすべき対象かって言ったら 全くそんな事はなくて、経営者という立場で じゃあ、誰を大切にするかと、もちろんオーナーさんである 株主のことを大切にします。
という日本語が最初に出てこなかったら、おまえ何やってんだよって そういう話なわけですね。
改めてROEを高めるにはどうしたらいいですか?

アカネ

エクイティを減らしてデットを増やす。

そうですね。
まぁ、もちろんリターンを増やす という事が一つのやり方で、まぁ、それができたら誰も苦労しないですけれど、もしくはデットを増やしてエクイティを減らす。
これが手っ取り早い方法ですね。
例えば会社経営しています。
20人で会社経営しています。
20人みんな役員がいいのか、はたまた19人がアルバイトで1人役員がいいのか、どっちがいいと思います?
会社を創業する時に、10人で共同創業するのか、3人の役員で創業して 7人アルバイトで雇うのがいいのか、どっちがいいと思います?

アカネ

バイトを雇う方がいいと思います。

それはなぜですか?

アカネ

報酬を低くできて且つ別に雇用形態も、雇用形態として 何て言ったらいいんだろうな、あと、役員だったら えっ、役員っていうのは、株を持つってことですか? そういうわけではない?

いや、いい質問ですね。
今はそこ明示してなかったですけれども、一般的に創業者になるって事は、株を持つ事を暗に期待しているっていう そういう事を秘めていると思うんですよね。
その通りだとして、じゃあどうですか?

アカネ

だとしたら 株を持たないバイトを多くして、労働力を借りるっていう形にして 報酬形態の方がいいと思います。

いい回答ですね。
会社を作って大きくするぞ!
バカデカくして バカデカイキャピタルゲインを得るんだ!
っていうようなモチベーションの時に、創業者をできるだけ減らさないと、じゃあ10人みんなで株配りましたって言ったら、俺の取り分減るじゃないか っていう話になるわけで、コアメンバーはやっぱり株を持つけれど、コアメンバー以外は もう、じゃあ、アルバイトでいいんじゃないとか、業務委託でいいんじゃない、みたいな、お金を払ってそれでおしまいの関係 にしようよ、みたいな。
でもそういう人は雇用義務があったりして、支払い義務があるわけですよね。
役員は、いやー今期利益出ないから 俺らちょっとカップヌードル食うということで、給料0でよろしくって言ったら、それで いやーもうそれはしょうがないなって言って、リスクを吸収できるんですけれど、一方、最低時給法を乗り越える時給を提示して アルバイトを雇ったとしたら、その人には 必ず時給を払わないといけないっていう、そういう義務を背負うわけで、で、会社のステークホルダーとしては、同じようにエクイティを持っている者が めちゃくちゃ重要で、デットの出し手なんて全然重要じゃなくて、会社の意思決定に影響を与える事はありません。
ただ、倒産しかけた時には、その人達が権利主張する権利あってるんで、そうするといきなり株主の権利が0になって、債権者の人が 全て意思決定できるようになります。
逆に言うとベンチャーキャピタルに行ったら 経営学べますけれど、銀行に勤めても経営を学べるとは とても思えません。
お金の出し手なので。
会社が苦しんで倒産しかけた時に 権限を発揮できるので、そこに関してのプロフェッショナルには なれると思います。
要はアルバイトをたくさんしたら 会社経営できますか?って、いや、それはできないだろうって感じ。
じゃあ改めてなんですが、

CFROIの考え方

まぁ、売り上げが大切だよねっていう時代から、利益が大切だよね っていう時代に変わったけれども、まぁ、その後キャッシュフローの方が 重要じゃない?みたいな。
はたまた、いやいやそれ絶対額じゃなくて、投資対リターンの方が重要じゃない?
っていう概念が出てきて、更にもう1個、投資資本に対する キャッシュフローのリターンが重要じゃない?
みたいな概念も出てきたりはしています。
Cash Flow Return On Investmentって言う、でもここら辺は概念を理解して、めちゃくちゃ使うか って言うとそうでもないけれども、確かにこういう概念も大切だよねって言う形で 覚えておいてもらえたらなと思います。
では、今日はこれで終わりたいと思います。 ありがとうございました。

アカネ

ありがとうございました。

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