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前回学習したPER/PBRについて、どのようなシーンでどのような数字になるのかをレクチャーします。またROEとの関係性についてお話しします。

はい、では本日も経営カレッジ 始めていきたいと思います。
ガイアックスの上田です。

アカネ

ガイアックス新卒1年目のアカネです。

レオ

ガイアックスでインターンをしている 大学3年生のレオです。
よろしくお願いします。

アカネ

お願いします。

はい、では前回 PERとPBRを勉強しましたけれども、

PERとPBR、どちらを採用すべき?


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W-SLIDE-FI1-005.001

それに関してもう少し 詰めていきたいなと思います。
さぁ、そのPER、PBR 前回もお二人からご質問頂きましたが、どういう時にどちらを採用すべきとか どちらが良いのかとか、こういう事について お話しできればと思います。
ちなみに前回の覚えている事も含めて、このPERとPBR、どちらを採用すべき というこの質問には、どのようにお考えになられますか、お二人は?

アカネ

PERを採用すべきだと思います。

それはなぜですか?

アカネ

資産っていうのは 減価償却とか土地の価格の変化とか、結構柔軟に変わっていく。 評価によって数字が変わってしまうので、あまり正しい手法として 使えないと思います。

そうですね、一つはそういう視点も あるかなと思います。
ちなみに言ってしまえばあれですけれど PERのEarnings、利益について、あんまり信憑性が高いのかって言うと 怪しいんですけれども、バランスシート怪しいよね。
そういう意味ではPERを信じてもしょうがないよね って言うのは一つの意見かなと思います。
改めてですがPERもPBRも、Price 株価から話はスタートしていて、株価っていうのは会計用語ではないので、まぁ、会計用語ではないって言うか、自社の株価がいくらなのかっていうのは、監査法人が立ち入るレイヤーでもなければ、経理部が立ち入るレイヤー でもないんですよね。
PERとかPBRって言うのは 暗に上場企業の話をしていて、上場企業で株価が形成されている。
じゃあそれが一体高いのか 安いのかっていう時に、PERとかPBRが使われるわけなんですが、利益の何倍であると言うのを採用すべきなのか 純資産の何倍であると言うのを採用すべきなのか、と言う事ですね。
ちなみに普通に株をやっている人は PERとかPBRを見て、割安だ、割高だ、売った、買った って感じですけれど、企業経営者の観点からいくと、一つはコーポレートアクション。 配当すべきかとか、自社株買いをすべきか みたいな観点だし、人のPERとかPBRを見た時に、その株を買うと言うよりかは 例えば買収をすべきなのかどうなのか、みたいな、そういう観点で 日頃見ているのかなとは思います。
で、改めてそういう観点で 話を進めていきたいんですが、

トリニクと卵の考え方

まずコンセプトとしてご理解頂きたいのが、鶏肉と卵というのを改めて説明しないと。
ニワトリって言うのは 鶏肉にさばいて叩き売っても大丈夫だし、生かしておいて卵を産ませて その卵を売っても大丈夫、と。
純資産と毎年の利益。 どちらでこのニワトリを価値算定するか、と。
ま、そういうのを全く一緒なので。
これをイメージしておいて もらえたらなと思います。

価値評価(利益から考える)

さぁ、このニワトリ いくらで売買されるべきでしょうか?

アカネ

15倍っていうところから 1500円ですかね。

そうですね。 体重とか鶏肉相場を見てどう思いました?

アカネ

現在の価値が1000円なんですが 卵を産んだ方が価値として大きくなるので、今売るべきじゃないと思いました。

その通りですね。 鶏肉として売買したら1000円だけど、それだったら卵を産ませ続けて、その価値でこのニワトリ君を売っぱらった方が 良い値段がつくかもしれないですね。
それが利回り7%なので1500円。
この利回り7%で15倍が付くって言うのは ちょっとこれも繰り返しですが、1500円の定期預金をして その世界の金利が7%だとしたら、毎年100円の金利が出てくるので 1500円の定期と同じ価値になる。
巡り巡って言うと1500円になる。 そういう意味ですね。
はい、では続いて、

価値評価(純資産から考える)

このニワトリ君は いくらの価値になるでしょうか?
レオさんどうですか?

レオ

これはそうですね、鶏肉として売った方が 価値があるので1000円で、現在・・・
あー、すみません、間違えました。
現在価値は1000円ですけれど 毎年750円の利益が出るので。

毎年出てくる利益が50円ですね。

レオ

あっそっか。今、鶏肉として売った方が 利益が見込めると思うので、1000円で売るのが ベターなのかなと思います。

そうですね ちなみに卵の方はどう評価してます?

レオ

単純に750円って言う価値。はい。

はい。50円の卵を産み続けるというのも 価値なんですけれども、それを現在価値に直すと 750円の価値にしかならないので、鶏肉としての現在価値である 1000円の方が上だろう、と。
巡り巡ってこのトリが売買されるとすると 1000円ですね。
低い方は無視されて高い方で売買されるので それも大丈夫ですよね?
ちなみに現在価値という日本語は、将来の利回りから生まれてくる利益を、現在価値に引き戻すと、 みたいな日本語で使われがちですけれども、今日ここにある1000円が現在価値で1000円である って言う日本語も別に間違ってはいなくて、ただ、あんまり使わないと言えば 使わないかもしれないですね。
将来の価値を現在に引き戻した時と言うのを 強調する日本語だと思います。
はい、ともかく二人とも正解です、と。

価値評価(余剰資金の考え方)

じゃあ続いて こちらのニワトリ君、なんと首に黄金の首輪がかかってます、と。
取り外し可能な黄金の首輪がかかっている このニワトリ君、さぁいくらでしょうか?

レオ

そのトリ自体の現在価値は 鶏肉分に首輪が上乗せされると思います。
だから2000円ですかね。

2000円。なるほど。 ちなみにアカネさんはどう思います?

アカネ

そうですね、今、私も一瞬 2000円かなと思ったんですが、もしこれで卵を毎年産む方を選んで 且つ黄金の首輪の価値が変わらないんだったら、2500円ですかね。

2500円。

アカネ

はい。

レオさんどうですか?

レオ

僕もそう思います。

そうですね。黄金の首輪は取り外し可能なので あくまでそれを除いてトリのバリューを考えた上で、1000円を足し込めばいいだけですね。
つまり1500円に1000円足して2500円 という価値になります。

価値評価(有利子負債の考え方)

では逆に、黄金の首輪ではなく、そのトリが なんといたずらをしてしまって、300円の損害賠償請求を されちゃっている、と。
そのトリに300円の損害賠償請求が ついちゃっている状態で、このニワトリ君はいくらでしょうか?
言わば、負債がある状態ですね。

アカネ

先ほどの2500円から300円引いて 2200円ですかね。

1200円ですね。
価値算定した後に負債分を差っ引く というような考えですね。

PERとPBRによる理論的な評価方法

以上をまとめると、PERが15倍。 これも相場によりけりなんですが、一旦、相場観で15倍だとして、PER 15倍プラス余剰資金の価値算定か、PBR 1倍。PBR 1倍っていうのは 使用する資産と余剰資金の合計ですね。
の高い方が企業の売買で 使われるということですね、ただ、世の中の企業の株価が こんなロジカルに選定されているか、て言う事はそんな事ないし、どこまでが余剰資金でどこまでが使用する 資産なのかという切り分けも、別に明確ではないので。
ただバランスシートを見て、年商10億円の会社が 現金20億貯め込んでいますって言ったら、まぁ、この20億は余剰資金かなって言う そういう感じだったり、例えば本社ビルで 価値5億って言っているけれど、いや、それって別に賃貸でもいいよね。
もちろん賃貸にすると PLが悪化するんですけれども、それ賃貸でいいよねって言ったら、その本社ビル分も余剰資金として みなした方がいいかもしれないですね。
で、また株価っていうのは 本当にいろんな要因で上下動するので、その観点でもこんなロジカルな 数字の算定で導き出される株価とは、大きく乖離することが多いとは思います。

PBR1倍割れの状態は?

はい、では次に PBR 1倍割れ。これはどういう状態ですか?

レオ

すみません。ちょっとわからないです。

Pっていうのは何でしたっけ?

レオ

プライスです、株価。

株価ですね。Bって言うのは?

レオ

ブックバリュー、純資産。

はい。

レオ

株価が純資産に対して 高く評価され過ぎている場合ですか。

高く評価されている時には 1.3倍とか1.5倍ですよね。

レオ

じゃあ、その逆ですか?

そうですね、それはあり得るのでしょうか? あり得ないのでしょうか?

アカネ

将来性が見込めない会社だったら あり得ると思います。

そうですね、将来性が見込めない時である という条件は付きそうですよね、じゃあ、このニワトリは毎年生存するために 食べ物を食べさせなければいけないから、毎年50円のコストがかかります、と。
一方で1000gの体重があって 今100g 100円の相場です、と。
さぁ、このトリは いくらで売買されるべきでしょうか?

アカネ

1000円ですかね。

1000ですよね。

アカネ

はい。

まあそんな無理して生かさずに、今日にでも全部包丁で切り刻んで 売ってしまえば、それで1000円の価値なので、本来将来性がないからと言って1000円を下回る というのは変な話なんですよね。
基本的にはおかしな状態なんですが なぜこういう状態が生まれるのか?

アカネ

これは上場企業ですよね?

そうですね、上場企業。

レオ

すみません、ちょっとわからないです。

アカネ

その期待で株価が 低くなっていると言うよりは、純資産が高く見積もられ 過ぎているんですかね。

そうですね、それもあり得ます。
いやーこれニワトリ1000gだよと言って。 嘘つけと。
まぁ、一言で言うとそんな感じですよね。

アカネ

うん。

お前このニワトリ直前に 石でも食べさせたんじゃないの、みたいな。
じゃないですけれども、ブックバリュー、純資産って言うのが嘘っぽい。
例えば、売掛金を過剰に見積もっていたり、在庫を過剰に見積もっていたり、潜在もしくは偶発債務があるのに、バランスシートに載っけてなかったりすると、そういうことはできますよね。

もう一つはなかなか上場企業が、会社を解散させるというアクションに 移らないんですよね。
結果的に先ほど アカネさんが言ってくれた通り、赤字を垂れ流すと。 且つ、なんとまあ解散しないと。
そうするとどうしても PBR 1倍割れって言うのが、視野に入ってくるわけですよね。
まぁ、他にもそれにほぼイコールなんですが、株主からすると、結局リターンがあるのかないのか っていうのを期待しているので、永久にリターンがないと信じられると、もしかしたらこの株って意味ないよね ってなっちゃってるかもしれません。
もう1回時価総額の定義から 説明したいんですけれども、時価総額っていうのは 株価かける株数です、と。
株価って言うのは直近取引の株価です、と。
で、全投資家が 合理的な判断をするとは言えないので、例えば、今日1000円の株価です。
明日800円になりました。
でも株主が100人いて、その1000円とか 800円で値段をつけているのは、株主100人の内、1人とか2人が 売ったり買ったりしている株価で、全部の株数をかけているので、実態は、いやいや俺1万円で買ったけれど、いや1万円超えるまでこの株は売らない みたいな人も隠れているかもしれないし、5000円で買った人が いや5000円を上回るまで売らないとか、5000円で買ったけれど 俺1万円の価値があると思うから、1万円超えるまで売らない みたいな人もいるかもしれないので、例えば 全株数に1000円かけた時価総額が、本当にその会社のその世の中から評価された 時価総額であると言うのは、すごい難しいんですけれども、まぁ、でも本来は、いや俺1万円にならないと売らない って言ってるのであれば、もしくはこの会社の価値は 本来1万円を超えるから、1万円にならないと売らない と思っているんだったら、1000円の時に買い出動をするべきであって、買い出動しないと言う事は、確かに一部の株主が売買したその株価で、 全部の会社の価値が算出されると言う、超豪快なロジックではあるものの、まぁ一定程度正しいのかもしれないな と言う風な感じはします。
そんな中で改めてですけれど、ブックバリューが例えば1000円です、と。
1株当たり純資産が1000円です、と。
株価が800円です、と。
その会社もうここ10年ずっと800円なんだと、株主も800円ぐらいって言うのは 相場かなと思ってる、と。
でも純資産は1000円です。
その会社に新しい経営者が舞い降りてきて、おお、これ純資産割れしてるじゃないか、と。
この会社は解散だ、と。
解散すると株主に1株当たり いくら手に入ると思います?

アカネ

800円じゃないですか?

800円の株価です、と。
解散する時に株主にいくら渡すかって どういう考え方で算出されるんでしたっけ?

アカネ

そうですね、 持ち株比率でわけますよね。

はい、何をわけますか?

アカネ

純資産の内 負債などを返済した残りの額ですね。

そうですね 純資産って言うのは負債は織り込み済みで

アカネ

すみません、そうですね。はい。
なので 純資産を割合で分配ですね。

そうですね。 純資産を割合で分配するっていうのは、日本語としては正しいんですが、実際のオペレーションとしては、資産を全部現金化して それで負債を全部返して、残った分は、おそらく計算上は 純資産と一緒の額で、それを皆に割りますよね。
そうすると理論上 1株あたりいくら分配されますか?

アカネ

1000円ですね。

そうですね。じゃあ、株主からしたら 800円で投資したら1000円返ってきました。
これは嬉しい事ですか? 悲しい事ですか?

アカネ

嬉しい事です。

そうですね。なので その会社に舞い降りた経営者は、株主の代理人だという風な視点で考えると、その会社を解散させて 1000円を株主の手元に戻すというのは、超ファインプレーで拍手喝采。
まぁ、超ファインプレーって言うか 誰でもが出来ることですけれど、単なるオペレーションなので。
もちろん、そのバランスシートに載っている、例えば車2年目。 資産価値が160万。
ま、でもこれは車の横にも ベタベタとなんとか商事って書いているし、それの清掃費用とか、レストラン作ってこれ中古で売ると そんな価値ないよ、みたいな。
とか1000万円で作ったソフトウェア、5年償却で今年2年目だから 800万バランスシートに載っかっています。
でもこんなソフトウェアうちでしか使えないから 売却するにもできないよ。
資産価値そういう意味では0だね みたいな事もあるので、会社が継続するという前提で 資産価値を考えているので、解散するとなったら そこまで価値がないかもしれません。
結果的にそこまで現金を 捻出できないかもしれません。
でも、世の中の上場企業を こうやって見てみると、本当に、土地10億とか現金20億みたいな、これ、いや、バランスシート上、そのまま現金になる そう言った資産を持って、尚且つPBR 1倍割れのケースもあるので、そういうケースでは、解散した方が いいって言えば良いですね。
それの問題は会社は株主のものである というのは事実なんですけれど、一方で社員さんとか取引さんとか、それの会社が出しているサービスを必要としている 消費者の方がいるかもしれないので、おいそれとは解散できないですよというような 日本語も変ではないんですが、まぁ、でもそんなに必要としているんだったら、値上げしろよって言う話だったり、いや、そもそも雇用の継続って言うけれど、いや、転職ができる社員にしておけば、別に転職してもらってもいいんじゃないの みたいなっていう考え方もあるので、まぁ、巡り巡って解散した方が いいかもしれないですね。
ちなみに純資産、純資産価値っていうのは 解散価値という日本語とも言われます。
理論的には一緒の意味なので。
今の話で何か分からないような事ありました?

レオ

僕は大丈夫です。

アカネ

はい、大丈夫です。

高PBRの理由

では ある会社がPBR 10倍です、と。
その理由で考えられるものは どんなことでしょうか?

レオ

そうですね、株価に対して純資産が 低く見積もられている状態の時ですか。

そうですね、バランスシートが、まぁ、例えば ガイアックスの例で言うと、ADDressとかTimeeとか TRUSTDOCKに株を投資しています、と。
それの資産価値は どう評価されると思います?会計上。

レオ

えっ投資した際ですか、Timeeとかに?

いや、投資して3年経ちました、今。

レオ

はい。
リターンが多く返ってきているのであれば 資産として計上されるんじゃないですか?

例えば、昔3000万出資をしました。
それから配当とかは一切ありません。
ご想像の通りまだ上場してないので 未上場企業で株価はついていません。
ただ、その後時価総額を引き上げながら、10億とか20億とか30億で 新規で調達をし続けています。

レオ

あっ、その場合まだリターンが返って 来てないのであれば負債ですよね。

負債?ガイアックスが 誰に何を借りてるんでしたっけ?

アカネ

その場合は純資産が減るですかね。

ちなみに純資産はどれぐらいだと思います?

アカネ

どれぐらいって言うのは どういう事ですか?

例えば、プレ時価総額30億で 資金調達している会社がありました。

アカネ

はい。

この会社の純資産は どれぐらいだと思います?
ま、イケてるベンチャー企業だとして。

アカネ

いや、負債を背負ってないんだったら ほとんどもう30億が純資産ですかね。

例えばアカネさんが ワーケーションの会社を作りました、と。
で、例えば、1億調達しました。

アカネ

はい。

1億使い切りました。 でも事業は進捗しています。
時価総額20億に引き上げて 2億調達しました。
で、またその2億は調達したと言う事は 使い切るって言う事を暗に示してるんですが、改めてその会社の純資産

アカネ

はい。

会計上の純資産はどれくらいですか?

アカネ

だと、3億ぐらいですか?

そうですね、なぜ3億だと思いました?

アカネ

時価総額が30億で評価されている って言うのが、だいたいそれが10倍ぐらいで、10倍から15倍ぐらいで ん?なんかちょっと混乱してます。

そうですね、まず未公開企業の時価総額は、純資産の10倍とか15倍で評価されるというような ロジックは一切ありません。

アカネ

はい。

あくまでその会社がどれぐらいの確率で 上場するのか、とか、周りのベンチャーに比べて 安いとか高いで評価されます。
で、純資産に関しては、例えば、1億調達しようが2億調達しようが 全部使い切っちゃうので、多い時で2億 少ない時は0です。純資産は。

アカネ

はい。

時価総額がいくらであっても。
つまり会社の中には 1億とか2億の現金があったり、それを広告宣伝費で使っちゃって 0になっていたりっていう繰り返しなので。
もしかして ワーケーションのビジネスをやる時に、集めた1億を広告宣伝費で 使い切ると純資産は0だし、いろんなホテルにレンタルする机と椅子を 1億分買い込んでいたら、もしかしたらそれが減価償却されて、純資産で8000万とか6000万 残っているかもしれないですけれど、ま、基本は0だと思います。
そうするとガイアックスの持っている、例えばイケてる未公開企業の株式の価値って いくらになると思います?

アカネ

まだそのリターンが返ってきてない 未上場企業の株式を、数字として計算書に 計上しないんじゃないですか?

そうですね、例えば3億の時に 3000万出資で10%取得しました。
その会社の時価総額が 30億に膨れ上がりました。
だからと言って 3億に評価替えはしないですよね。
あり得て3000万のまま。
ただ、その会社が お金を使い果たしては次の調達をし、お金を使い果たしては次の調達をし って言うプロセスを繰り返している時に、純資産としては 著しく0に近づいていっているので、もしかしたら監査法人から いや、これ3000円で計上しているけれど、純資産考えたら3000円もないよね、と。
もっと1株当たり純資産まで、減損すべきじゃないですか って言われるわけですよね。
で、実際お金を使い果たして まぁ、進捗状況がある程度良かったとしても、次の調達できるかどうかって ケースバイケースで、で、できなければ 倒産したりするんで、実際。
まぁ、ほんと 会社がうまくいっているかどうかなんて、最後調達できるかってか、最後お金が入金 着金するかどうかまでわからないので。
KPIの数字が毎年3倍成長しています って言われても、投資家が一切評価せずに 誰もお金を振り込まないかもしれないので、その時にKPIが3倍毎年成長していってなんだった っけって言うそういう話なんですけれど、そういう意味ではガイアックスにおける、例えばADDressとかTimeeとかTRUSTDOCK の株式っていうのは、果てしなく0に近い評価を されているかもしれません、と。
じゃあ、話戻って ガイアックスのブックバリューが、低く見積もられている可能性が あるわけですよね。
低く見積もられているって言うか、会計上はどうしても小さくなってしまう 可能性があるかもしれないですよね。
ガイアックスも開示しないので その内訳がどうなっているのかって言うのは、外から見て 実際わかるものではないんですが、その時にPBR 10倍って言うのが、そういった潜在的なバランスシート上に 表現されてないものがいっぱいあるので、それぐらい価値ありますよ っていうのはあり得るかもしれません。

アカネ

うん。

株以外にも不動産でも あるかもしれないですね。
昔持ってる不動産で 評価替えしてません、と。
いやあの土地持っていて あの土地だけで300億になります、と。
でもバランスシート上には 1億って書いています、みたいな。
他はこれは当たり前ですけれど、

PBRじゃなくて PERで評価されていると、高PBRになりますよね。
さっきので言うと 卵100円分毎年売ります、と。
産んでくれるのでその分売れます、と。
その時点でPERで1500円の ニワトリの価値があります、と。
ところが体重が100gしかありません。 そのニワトリの。
ってなるとPBRで言うと めちゃくちゃ高くなってきますよね。

高PERの理由

では続いて 逆にPERが100倍です。
これの理由で考えられるのは どんな事ですか?

アカネ

そうですね まだ純利益は出ていないけれども、赤字を掘りながら、何年後かに相当なリターンが見込める ビジネスモデルの場合だと思います。

そうですね。ちなみに 赤字の時PERはいくらになると思います?

アカネ

赤字の時は純利益が出ないので

はい。

アカネ

何倍って言う表現になるんですかね。

そうですね、PERが算出できない ってなっちゃいます。ちなみにね。
でも基本は アカネさんが仰ってくれた通りで、今年利益1億円だけど 時価総額100億付いています、と。
これはなぜかと言ったら、来年以降3億とか5億の 利益が見込まれていて、

結果的に そう言った価値で評価されています。
成長性が高い。 来年以降の利益の成長予想が高い。
それが一番多いですね。
さっきから15倍ぐらいじゃないですか って言ってますけれど、伸びているベンチャーの平均は、もしかしたら 50倍から100倍ぐらいかもしれないですね。
もしくはそのPERのEを 来期の予想利益を採用するケースもあるので、予想PERとかって言う そういう単語だったりするんですけれど。
それだともうちょっと落ち着いて 30倍から50倍ぐらいかもしれないですね。
もう一つはPBRで評価されてます ということですね。
毎年卵を10円分しか産まない、と。
それだけで見ると 150円の価値にしかならないけれど、こいつ体重が5キロもあってって言ったら、PBRからすると 異常な数字になるかもしれません。

PER・PBR・ROEの関係は?

では PERとPBRととROEの関係。
みなさんはなんとなく PERとかPBRとかROEとか、1個ずつ定義を見ていけば わからないでもないんだけど、当たり前のように使えないと いけないんですよね。
料理していて レシピ見て料理ばっかりしていたら、何も頭使わないけれど 料理も上達しないって言うか、いや、これちょっと塩が多い具材だから 醤油をいつもより減らしておこうかな、みたいな。
そういうような塩と醤油と酢と。 これが味にどう影響するのか、みたいな、そういう連動性を理解しておかないと。
改めてPER、PBR、ROEって どんな意味合いでしたっけ?
PERとPBRは大丈夫です。 ROEって何でしたっけ?

レオ

ROEは投下した資本に対して企業がどれだけの 利益を上げているかを表す指標だと思います。

そのとおりです。 レオさんもだいぶ覚えてきていますね。
ROIっていうのがリターンオンインベストメントで 投資対リターンです。
曖昧単語です、と。
ROEって言うのはもうちょっと その中でも定義がされている会計用語で、エクイティ、純資産に対する利益 と言う意味ですね。
ちなみにPERとROEって何が違いましたっけ?

そのPERもPBRも 株価というものが織り込まれています。
ROEは株価と言うものは織り込まれてません。
単なるその財務諸表を見ながら ROEは算出できます。
で、ROEは言わば その簿価の純資産に対する利回り、純資産100億です。 3億利益出ました。
100億の純資産に対して 3億の利回りですよね、みたいな。
でもその会社が世の中で 200億の時価総額がついていたら、投資家目線でいくと、いや、ROEが100億って言っても、俺の立場で言うと その株買うのに200億かかるんだけど、みたいな。
で、200億払って買って はじめて3億のリターンが出るので、いや、100億の3 つまり3%のリターンじゃなくて、1.5%のリターンしか ないんだけどなぁ、みたいな。
それがPERですね。
それからPERは利回りと言うか 利回りの逆数で表現するので、1.5だと70倍みたいな そういう感じかもしれないですね。
その簿価と株価の比率を表しているのが PBRですね。

PER・PBR・ROEの数字イメージ

例えば実際の数字感はどんなものか と言ったらこんなものかもしれないですよね。
もちろん会社によりけりだし、こんなもの平均値出したからって 何の意味もないのですが。
特にPBR何ていうのは結果としてこれぐらいが 平均値になっているだけで、PBRで株価算定されているケースって言うのは どちらかと言うとレアなので、普通はPERで 上場企業の100銘柄の内70銘柄ぐらいは、もちろんPERの方で評価されるので、ただ、利益が全然出ていないと言われても、少なくともPBR 1倍割れは そんなしないよね、みたいな、バックストップみたいな 意味でしかPBRは使われないので、平均値出しても意味ないんですが、まぁ、数字イメージとしては こんなものかもしれないですね。
このPER、ROE、PBR 何かわかりづらいところとか、ちょっと理解が追いついてないところ があればご質問してください。

レオ

数字イメージに関してROEが10%弱 っていうのがちょっと理解できてないですね。

例えば純資産10億円の会社は どれぐらいの利益を出しているんだと思います?
逆に言うとレオさんに、俺ちょっと事業やるから お金出してくださいよって言って、いくらなの?って言って、10億もらえますか?って言って、ま、仮にレオさんが10億出しました、と。
その会社は毎年どれぐらいの利益を 出してきそうな感じがします?

レオ

100とかですかね。

100と言うと?

レオ

あ、100億。

レオさんが10億出資したら その会社が毎年100億利益出す。

レオ

いや、あり得ないな。

あり得ないね。
レオさんからしたらその10億って言うのは、定期預金に入れるという選択肢もあれば、不動産を買うっていう選択肢もあれば、上場株を買うっていう選択肢もあれば、その知り合いの経営者に出資してあげる と言う選択肢もあるわけですよ。

レオ

うん。

どれぐらいだと思います?

レオ

毎年1億。

うん、まぁそんなもんじゃないかって言う そういう話です。
まぁ、平均とっても しょうがないんですけれども、不動産投資したらなんか3%とか5%ぐらい あるんじゃないですか、みたいな感じを持ってるケースも あるかもしれません。
なんか株式も固いところで運用したら 1〜2%ぐらいかもしれないですね、みたいな。

レオ

うん。

これはネットベンチャーの話なんですよ。
世の中全体の平均値なので 既存産業の平均値な感じですよ。

レオ

うん。

だから友達が いや、僕も昔からレストラン5店舗やって、そこそこ利益上げているんですけれど、さらに5店舗出店したいので ちょっとレオさん出資してくださいよ。
別会社で作りますから。
みたいなそんな話のイメージ かもしれないですね。

レオ

うん。なるほど。

はい、他はどうですか? 今みたいな質問でちょうどいいと思います。

アカネ

このROE 10%に対してPER 7%って、パーセンテージ的には 数字が下がっているんですけれど、ここを比較する事って あまりないですか?

比較する事はあまりないですね。
これは机上の計算で このシートを作っているだけで、実際は投資家は結構PERとかPBRを使います。
投資家って言うのは株の売買をしている人、未上場企業への投資家ではなくね。

アカネ

はい。

一般投資家とかはPERとPBRはよく見ています。
一方、企業経営者は PERとかPBRはあんまり使いません。
結果として見ますけれど事業計画を立てる時に PERとかPBRとか使いません。
それなぜかわかります?

アカネ

そうですね 株価を決めるのは市場なので、計画に入れても あんまり意味ないとかですか。

そのとおりです、はい。
アンコントローラブルすぎて、ちょっとそれ 計画に入れる数字じゃないので、みたいな。

アカネ

うん。

結果として高PERな状態をキープできるように IR頑張ります、みたいな、そういう日本語は変じゃないんですけれど、やっぱり経営サイドの視点からすると ROEとかの方が、当社の規律としては ROE例えば15%を目指します。
各事業部長の皆さんと皆さんも同じように 使用資本を減らして高い利益を上げるように。
目線としては会社全体の平均値15% でいくのでよろしく、みたいな。
って言う日本語はわかる。

アカネ

わかりました。

そのPER 7%、ROE 10% って言ってますけれど、これ、例えばPBRって言うのは 1倍割れしづらいだろうって言う観点から、それはPERの方が簿価よりも 時価総額のが高いだろうから、結果として利回りが下がると言う事ですね。

未上場企業のPERはいくらか?なぜか?

では続いて 最後のポイントですけれど、未上場企業のPERはいくらぐらい? それはなぜですか、と。
これは伸び盛りの ネットベンチャーじゃなくて、例えばレストランでもいいですし、例えばシステム開発、10年やっています みたいな、そういう会社でもいいです。
そういう一般的な既存産業における PERはいくらぐらいで、なぜというところをどう思われますか?
未上場企業において、PERのP、プライスが付く事って 基本はないんですよ。
創業100年の会社 いくらの時価総額、いや、考えたことないし ついた事ないよね。
ただ、会社を売買する時には いくらで買収しましょうと言って、はじめてPが付いてくるわけですよね。
つまり、未上場企業を売買する時は、利益の何年分で売買されますか って言う日本語に近いですね。
どう思いますか?

アカネ

未上場企業でそんな何十年も続く。 続かない企業の方が多いと思うので、そんな10年分とかの10倍とか なかなかつきづらいと思います。

その通りですね。
ざっくりどんなもんだと思います?

アカネ

そうですね 3倍とかですか?

そうですね、変じゃないです。
3年分とか5年分ぐらいが 多いんじゃないかなと思います。

未上場企業のPERが低い理由

で、理由は今アカネさんが 言ってくれたとおり長続きしない。
例えば経営のガバナンスもきいてないし 後継者もいるかどうかわからないし、あと、仮に続くとしても 買ったら最後売れないので、上場企業の何がいいって 買ったらすぐ売れるので、それに比べると 株式買っても売れないって言うのは、劇的に価値を下げる要因です。
あと、会社や決算に対する信頼性がない。 これは本当かどうかわからないので。
いや、利益出てますって本当かなって。
なんか今年会社売ろうと思って友達のところに 売上つけただけじゃないの、みたいな。
そういうリスクも考えると3倍から5倍ぐらい じゃないかなって気がします。
で、上場企業の平均値である15倍なんて言う、本当に利益の15倍で未上場企業を買うなんて 言うのは一般的には考えられない。
それこそPBR評価で買うならわかるけど。 1.5倍とか。
先日も知り合いからちょっと知り合いの会社が 親会社と関係性がなくなっちゃったから、売却したいって言っているんだけど、買い手探してくれない?って言われて、で、僕が聞いたのは、いや、それってなんか売上どんなもんですか?
純資産どんなもんですか?って。
ちなみに売買するとしていくらぐらいで 売買するんですか、みたいな。
純資産に2〜3000万、色付けたぐらいの金額での 売買ですかって聞いたら、いやいや基本は純資産からディスカッション スタートだと思いますって返事が来たっていう。
もうPERでもないね。 利益の何年分とかでもなく解散価値で議論したり。
で、その会社は、システム開発とかの会社で、ちょっと売上とかがどうなるか わからないので、なんか利益の3年分ですか5年分ですか みたいなディスカッションじゃなくて、もうちょっと下のレンジの 純資産プラスアルファぐらいですか?
みたいな、そういう話をしたって言う。
はい、じゃあ、以上でPERとかPBRとかの話 2回に渡ってやってきましたが、全体を通じて何かご質問とか ありますでしょうか?

アカネ

PBRが10倍になるってお話が 途中であったと思うんですけれど、決算書を見ても 純資産の実態が見えない中で、外から見てどうやって10倍に評価が つくんだろうっていう疑問がありました。

一般的にPBR 10倍って言うのは結果論で、きっとPERで株価が ついているんだと思います、と。

アカネ

うん。

それが多くのパターンです。
PBRが10倍がついている会社の 蓋開けをした時に。
ただ、中には利益が全然出ていないけれど PBRで10倍ついている会社もあって、それは会社を 分析している人がいるんですね。
一般のパッと株を見てあれこの曲線見ると 今値下がりしてる?みたいな、なんかチャート見て3分で意思決定して50万買う人 とかはそこまで見に行かないんですけれど、中には例えば村上ファンドみたいな ちゃんとアナリストを配置して、この会社の価値は一体何なんだとか インタビューして、いや、俺、不動産のこれ 持ってますよね、みたいな。
そういうことまでチェックする人がいて

アカネ

うん。

で、そういう人達がちゃんと分析した結果、PBRを修正PBRと言うか修正純資産と言うか、簿記上の、そのブックバリュー上の純資産とは別に、本来の時価をかけ合わすと これぐらいの純資産があるはずだっていうのを、みなしてそれの1倍に買いにいく。 まぁ、1倍じゃ買わないので、儲けがないから。
修正純資産の7掛けぐらいまでは 買い上がっていく、って言うアクションは してくるかもしれないですよね。

アカネ

はい。

もしくはそのファンドが買いにくる って言うのも考えられるし、証券会社とかレポート出したりするので、そういったレポートとか 東洋経済とか、そういったところがそういう分析レポートを 出したりする時に、そういったようなことが書かれているケースは あるかもしれないですね。

アカネ

はいはいはい。

ちなみに村上ファンドって言うのは基本的に PBR 1倍割れの会社を買いまくってるんですよ。
1倍割れどころじゃないですね 0.5倍割れとか、まぁ、割れって言うのもアレですけれど、PBR 0.5倍のところとかを 買いまくっていたんですよ。
で、そんな寝てる土地は売ってしまえ って言って、それとか眠ってる現金は株主に配当として返せ みたいな、そういったような事をしていた。

アカネ

ふんふんふん。

で、それを、まぁ、なん年前かな? 15年前ぐらいにしていたのかな?
明らかに正しいことをやってるんですけれど、マーケットからしたら 乗っ取り屋だ、みたいな、マーケットじゃないな、そのマスコミとか 一般大衆からすると乗っ取りだとか、そういう風に叩かれて 村上さんも全く悪い事してないのに、これが捕まる、 逮捕の案件かっていうので引っかかって、まぁ、捕まっちゃったって言う。
まぁ、日本だとほんと目立つと叩かれるので、目立たないのが一番 と言うのを表すひとつの。

アカネ

でも、逆にそうやって調査して 適正価格をつける人がいないと、どんどん実態と離れた株価に なってしまうって事ですよね。

そうですね、はい。 結局誰が儲けるかって言う話なので、別に実態と離れたからダメって 言うわけでもないんだけれど

アカネ

はいはい。

その出たギャップを誰が儲けに行きますか って言う話ですよね。
一般投資家がそのギャップを 稼ぎに行くっていうのもいいだろうし、そういった日頃から調査しているファンドが 稼ぎに行くって言うのも手だし、僕からしたら経営陣が 一番実態わかっているわけだから、過剰に株価が下がってくれば 自社株買いをするなり、もしくは経営者個人、経営者個人がMBOと言うか、別に上場廃止するところまで やらなくていいんですけれど、経営者自身が借金を背負って その現金で会社の株を買うとか、する方がわからないでもないな って気がしますけどね。
はい、他はどうですか?

レオ

僕は大丈夫です。

アカネ

大丈夫です。

はい、では以上で PERとPBRの質問終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。

アカネ

ありがとうございました。

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