優先株式の具体的な設計について…

創業者株主間契約において、退任や売却などイベントが発生した際に揉める必要がないように、事前に個別ケースごとの契約を結びます。期間や株式比率など、注意するべき点を洗い出してレクチャーします。創業株主間契約の見本は、公式サイトに設置しています。

上田祐司
株式会社ガイアックス 代表執行役
ガイアックスでは、「人と人をつなげる」をミッションに、ソーシャルメディアとシェアリングエコノミー事業を展開。また起業家が集うスタートアップスタジオという側面も持ち、社会課題を解決するための事業づくりサポート、投資を行う。シェアリングエコノミー協会代表理事。
公式サイト: https://yujiueda.com/blog
Twitter: @yujiyuji


今回も前回に引き続いて
創業株主間契約とは?
創業株主間契約のお話を、していきたいと思います。
やはり創業時に、やっておかなければならない事で、本当に重要な話になります。
会社って後で 修正が利く事も多いのですが、創業株主間契約だけは、後になると揉めてしまうので、本当最初の最初に 気を付けて頂きたいポイントだなと思ってます。
じゃあ、まず、前回簡単に印象に残った点とか レオさんどうでしたか?
そうですね 創業メンバー間の株の分配で、生株かストックオプションか、と言うところがあったと思うのですけれど、ストックオプションだと、株を実際に持ってないので、創業メンバーに意思決定権がない、と言うところで、参画しなくなってしまうと 言うデメリットがあるので、創業直後は 生株がベターかなと思います。
と言う話が印象に残りました。
そうですね、傾向としては そういう傾向があるかなと思います。
で、今日はそう言ったところ、実際に生株を配ったが故に、その後退職する時 どうなってしまいますかね、と言うこの契約の中身まで、踏み込んでいきたいのですが、特にアカネさんとかって 興味ある分野ってありますか?
そうですね。
生株を最初に創業者3人で、30%ずつ分けてはいけないと言う事は、書籍やドラマなどで見ることがあります。
具体的にどういった方法で、ストックオプションの割合や、生株の割合を決めているのか、と言うところは あまりわかっていないので、且つ、最近知り合いでも 創業メンバーから抜けて、その辺で話し合った と言う事を聞いた事があるので、どのように初期、決めているのか、具体的なところが気になります。
そうですね 本当に周りでも辞めて、話し合ったりしてる って言う事なのですが、まさにその話し合う時に、議論が鋭角化しやすいので、予めスタートの時にしておきましょう と言うのが、この契約になっているわけですね。
創業株主間契約の基本的な設計
で、前回の 最後のシートこういう形で、いろんなところで設計ポイントありますよ。
基本的な設計としては、代表以外の創業株主が退任した場合、全株を取得価格で買い取れる、と言うのが基本的なのですが、これについてどんどん突っ込みながら 具体的なところ、いきたいなと思います。
退任対象者の設計
まず、退任は誰なのか と言うところですね。
代表以外の創業株主、例えば、代表が70%持っていて、副社長が30%持ってます。
その30%が辞めた時の契約なのか、代表自身が辞めた時の契約なのか、これをまず考えないとだめですよね。
これはどう思います?
比率もいろんなバリエーションがあって、2人で意気投合して始めましたって言ったら 7:3ぐらいなのですけれど、1人が始めて2、3ヶ月後に ジョインしてきました。
こういう条件でどう って言って1割ぐらい渡しています。
で、1割ストックオプションではなくて、生株で渡しておきましょう って言って1割渡しました。
こういう時は、代表以外の創業株主が 退任した時には、その株を代表に渡す っていう話の契約を結んでおきましょうね、みたいな話になりがちなのですけれど、じゃあ代表自身が退職したら、この1割の株主に渡そう なんて話を誰がするかって、誰もしなさそうな感じなのですよね。
ちなみにこの創業株主間契約というのは、創業メンバーで結んだ方がいいよね と思うケースもあれば、外部の投資家、例えばガイアックスが そのアーリーフェーズの投資家です、と。
初っ端から3000万出して 資金でバックアップします、みたいな、ガイアックスの立場から、別に細かい条件はどうでもいいから、あなた達、ちょっと結んでおいてよ ってお願いするケースがあるのですよね。
で、その時は、いや、代表が辞めると僕も思ってないし、今入ったばかりの副社長が、代表を継ぐとも思わないけれども、いや、結んでおいてくれると嬉しいな みたいな感じがあって、そういう時は 代表も対象になってくるって事ですよね。
で、話は戻って、初めから2人とか3人とか 4人の友達が集まって、おい、誰が代表するよ みたいな話からスタートしているのであれば、代表も退職した時にはどうするよ と言う話にしても、変じゃないかなとは思います。
退任時期に関する設計
で、次に退任のタイミングですよね。
いつなのか?
ここら辺ってどう思います?
基本的な契約では 上場までってなっているのですが、ここについて感じることありますか?
そうですね 上場っていうタイミングを前提にして設計してしまうと、例えば、上場までに6年ぐらいかかるとして、5年目までずっと 長期でコミットしていたけれど、その分がチャラになってしまうというか、ゼロになってしまうって言うのは、フェアじゃないかなって思います。
そうですね アカネさんどうですか?
前提の質問なのですけれど、上場のタイミングで退任 という契約を結ぶという事でしょうか?
要は、退任したら株を置いていけ っていう契約なのですね、基本は。
生株持ってもらっていいけれど、上場までの途中で退任したら、株を置いていけって言う、そういう話なのですが。
上場までっていう区切りを 入れているのが多いのですね。
上場以降で退任しても その持ち株比率のままでいいと言う事ですか?
うん、持っていける。そう。
ですので、上場まではコミットしよう と言うような契約と言う事ですよね?
そうです、まさに。
そうなると できる限り早く上場したい、と言うモチベーションが動く のではないでしょうか。
退任を考えている人にとっては。
そうですね。
それはひとつの考え方ですね。
ともかく上場まで持っていったら 勝ちなので。
早く上場まで持っていこうと。
このベンチャー企業の ステークホルダーの中で、上場というキーワードに 一番関係する人って誰だと思います?
VCとか株主ですかね。
そうですね、特にVCですよね。
例えば社長が上場したからって全株売るか また別ですよね。
つまり上場っていうトリガーは すごいVC寄りなのですよ。
で、例えば上場までコミットしてよ。
もしくは上場早めてもいいから、ともかく上場まで持っていってよ って言うのは、いや、本当は例えば 10年かけて上場するのがベストなのに、6年で上場を強引にさせるっていうのが、退任して株売れる人にとってはハッピーだし、いいのだけれど、それで根源的に ハッピーをくらうのってVCさんだけで、わかりやすく言うと。
じゃあ、例えば消費者にとってハッピーかって、全然関係ないし、経営者自身、その代表自身も、上場するまで6年かかりました。
でも、上場後 20年経営するかもしれないし、そうしたら、あの時無理に 6年で上場させたの、何だったのだろう、みたいな。
そういう意味では、上場にどこまで寄り添うべきなのか、と言うのは結構難しい話なのですが、会社作った後のイケイケ経営陣 みんなは、とりあえずの目標が上場に据えると思うので、そこに疑問を持つケースも、良くも悪くも 現実的にはないのかなとは思います。
もう1個は、上場後は、上場っていうのが 株が流動化するって言うのがあるのですが、それに連動して、証券取引所がこの株を取り扱っていいのか っていう審査をする。
で、その審査のプロセスの中で、この会社っていうのはゴーイング・コンサーン、継続的に会社経営がなされるようなスタイルなのか っていうのを審査する。
別の言い方すると、組織立っているかどうか っていうのを審査するのですね。
で、作ったばかりの会社って、社長が辞めたり、副社長が辞めたら、それで、はい、ゲームオーバー みたいな事が得てして多いのですけれど、そういう状態だと 良くも悪くも上場出来ないのですよ。
人材層が厚くて、人材採用プロセスが整っていて、ビジネスがちゃんと ゴーイング・コンサーンできます。
社長がいる方が好ましいし、退職すると それは業績が悪化するかもしれないけれど、だからと言って すぐNGなりません、みたいな。
そういう審査に乗り越えている、組織立っていると言う事を 乗り越えていると言う事は、株を持っていると言う事と コミットするって言う事が、切り離される事が許されるって言うか。
で、株ももはや誰でも買えるって事は、別に会社を辞めた人が 株を持っていても変じゃない。
当たり前ですけれど、上場するとたくさんの株は 関係ない人がいっぱい持つわけなので、会社に。
そういう観点から 上場するまでは辞めたら株置いていけよ、と。
その代わり 上場した後は持っていていいし、辞めてもいいし、辞めても持っていてもいいし、みたいな。
そんな感じになりがちかなと思います。
で、先程レオさんがおっしゃった通り、例えば6年かかるとして、5年目で辞めたらゼロ査定っていうのは 結構厳しいよね、と言うのがあるので、じゃ、その退任のタイミングによって、調整した方がいいですよね。
これ、どんな調整の仕方があると思います? レオさん。
そうですね 6年という期間を設定するなら、5年まで働いたら 例えば80%みたいな、そういった比率で設定するのが いいのかなと思います。
そうですね、何年コミットしたかで どれだけ持っていけるかって言う、そういったような設計が妥当かな という気はしますよね。
譲渡対象の株式に関する設計
で、全株なのか、全株置いていけよ っていう話なのかっていう意味では、リバースベスティング。
ベスティングっていう単語は、ストックオプションが行使してもいいよ っていう権利が確定する事を、ベスティングって言うのですけれど、ちなみに日本では そういう設計しないので、完全にアメリカで使われている英語なのですが、逆に持ってる生株を、スタート段階では 辞めたら全株置いておかないといけないけれど、1年滞在するごとに、置いておかなくていい 量が増えていくって言うのを、リバースベスティングという ような名称で呼んではいます。
例えば、1年頑張ったら 退職しても20%まで持っていけますとか、2年経過すれば 40%まで持っていけます、みたいな。
そういう設計ですね。
これ見てどう思いますか?
そうですね、先ほど自分で言ったくせに 矛盾してしまうのですけれど、何年働いてたっていう目安だと ちょっと曖昧というか、実際、長期でいたけれど、何の成果も出してなかったりしたら 意味ないので、どれだけ結果を出したっていう方が 重要なのかなと思います。
そうですね なかなか良いコメントですね。
そこも織り込むべきだとは思います、が、しかし、どれだけ株を持てるのかっていうのは、どれだけ活躍したかが インパクトあるのか、どれぐらい先にジョインしたか がインパクトあるのか、これ、どっちでした?
どれほど先にジョインしたか。
そうですよね、そっちの方が 大きなインパクト与えるんですね。
実際、Googleはすごい会社ですけれど、2人で始めた瞬間って すごい会社ではないわけなのですよね。
そこにじゃあ ストックオプション0.01%渡すよって言っても、誰が来るんだっていう話で。
そういう意味では もう本当、姿形がない時の方が貰える。
で、活躍すればするほど、じゃあ、どうしたらいいかって言うと、実はその生株とは別に、活躍すればそれだけ ストックオプションを別途渡していって、活躍する人には、そういう意味では、創業時にジョインした っていう恩恵の生株と、後で活躍してますよね っていうストックオプションがあって、で、どちらもやっぱり 退職したら退職するタイミングによって、行使できないとか 置いていけ、と言われるのですが、そういう設計が多いですね。
でも良いコメントだと思います。
これに関してもうちょっと後で、どういう設計がいいのか っていうのを追記したいと思います。
譲渡対価に関する設計
次に いくらで置いていかせるべきなのか?
はじめに言った通り、基本的な設計だと、取得価格で置いていける と言うのだと思うのですが、他にパターンがあるのか?
これ、多分、前回 アカネさんが言っていた事ですが、この辺ってどう思います?
取得価格ではないのであれば、同じパーセンテージの ストックオプションを渡す。
でも、退任するのであれば 同じかなと思ったのですが、それは違いますか?
結果として退任するのだったら、ストックオプションでも 普通株でも一緒ですよね。
どちらもなくなってしまうので 基本的には。
でも、この経営にコミット し続けるかもしれないから、普通株渡している って言う意味だと思うのですよね。
あ、勘違いでした。
じゃあ、また元戻りますけれども、例えば僕が退職します。
副社長で頑張ってましたけれど 僕退職します。
10%の株を例えば 1000円で創業直後に取得してました。
1000円払い込んで10%取得していました。
社長は9000円払い込んで 90%取得されてらっしゃいました。
僕、3年コミットして退職します。
で、40%は持っていけるのですけれど、10%の内の60%は 置いていけって言われました。
契約書上もそうなっています。
置いていけって言われた時に 置いていく株を、ただで置いていく必要は ないのですよね。
社長に、売りつけて 辞めていく訳なのですが、その時にいくらですかって話ですよね。
売る方からしたら 直近株価の方が高ければその方がいいですが、会社としてもそのタイミングで それだけの金額を払うのは難しいですよね。
そうですよね。 会社ならまだしも社長個人ですからね。
そうですね。
買い手は。あと直近株価で売れるなら、全然、ペナルティでも何でもないですよね。
時価総額、名目上20億 になっているかもしれないので。
1億2000万円で売り抜けられるなら 喜んで辞めます。
と言うか、今回エクイティで高値が付いたので 僕、辞めさせてもらいます、みたいな。
全然、上場までコミットしろよっていう設計と、合わないという感じに なってしまいますよね。
とは言え 取得価格だと安すぎると思うので、いい塩梅で実態に即した金額を 話し合うのですかね。
そこで話し合いにすると、事前に設計する っていうコンセプトから離れて、分かりやすく言うと、話し合いポイントが1個でも残っていると 揉めてしまうので、そういう意味では あまり話し合うポイントは、1個も用意しない っていうのが重要ですよね。
で、結論、取得価格だと思います。
つまり6割の株置いていけ って言われたら、6割の株 つまり10%持っていたけれど、6%社長に譲渡しなければならない。
いくらかって言ったら600円、みたいな。
社長から600円もらって はい、株どうぞって言って、じゃあ俺それでも辞めますわ って言って辞めていく。
でもそっちの株価は グラデュエーションがなくて、ほんとゼロ査定ぐらいの状況なのですけれど、残りの4%に関しては 僕の自由なので、直近株価で誰に売りつけてもいいし、そのままホールドしていてもいいし、で、直近株価で売れるかどうかで言うと、売れる可能性もあるわけですよね。
それはなぜですか?
別の投資家の方に売る と言う事ですよね。
そうですね 別の投資家からしたら、発行会社が株を発行して、1株10万円なんですって言われて、10万円高いなと思いながら、でも、10万円、分かった 今回投資しようって意思決定して投資してて、で、1株ゲットしているので、別に会社が発行した株でなくても、すでに昔発行した株を、いやこれ 譲渡で10万円でどうですか?
ちょっと10万円だと 買わないかもしれないですけれど、8万円でどうですかって言われたら、8万円安っ!て言って その人から買うわけですよね。
そういう意味では、そういうところで インセンティブを取れるかもしれない。
結構、未公開時代っていうのは 株をコントロールしがちなのですね。
会社として。
で、上場審査の中でも、株主が誰なのかっていうのは審査対象だし、すごい反対的な株主、例えば、競合さんに株売って、株主に競合が入ってますとかって言ったら、会社経営がややこしくなるわけです。
そういう意味では、経営陣っていうのは、誰に株を持ってもらえるのかって、結構意識しながら 資本政策組んでいくのですけれど、辞める人からすると そんなのは関係ないわけですよね。
だから一番高値で買ってくれる、競合が高く買ってくれるっていうなら 競合に売りましょう、みたいな話にもなりかねないわけです。
ただ、会社の設計の仕方として、譲渡承認っていうのが取締役会で必要なので、誰にでも売れるかどうかって言ったら、株主間契約とは別に、もう会社の在り方として、日本における未公開企業の 会社の在り方として、普通は承認を得ないと売れないです。
じゃあ売り手を見つけて売ろうとしてるのに、会社がそれ売るの許しませんって言ったら、次、どんなステップになるかって言うと、会社もしくは 会社が指定する第三者とかで、代わりに買い受けなければならないのですね。
そういうようなバックアップは 有ると言えばあります。
ただ、もう1個踏み込んで、リバースベスティング、つまり持っていっていい株についても、社長に譲渡しろって言ったらしてくださいね って言う契約もあり得ます。
意味わかります?
すいません、もう一回いいですか?
まず置いていけっていう株があるわけですよ。
リバースベスティング対象外の株ですね。
置いていけって言う株。
置いていけって言う株は 取得価格で置いていってください、と。
これ大丈夫ですか?
大丈夫です。
取得価格で譲渡しなければならない株 以外の残りの株についても、会社もしくは代表者が言えば、置いていってください、と。
ただしそっちの方は直近株価で算定します って言うパッケージもあります。
直近株価になると高すぎて、いやそれはちょっと買い戻すなんて事はしません っていう着地もあり得るのですよ。
ただ、経営陣からしたら、なんか訳の分からない人に 売られるのも嫌だし、退職した彼が引き続き株主 って言うのも嫌だから、でもインセンティブ設計は必要だから 昔した、と。
だから、6割の株は ただ同然で置いていくけれど、4割の株についても、株主でいられるとうざいから、それも置いていってもらうけれど、直近株価で結構ですって言う。
そういうパッケージですね。
で、それは引き続き持っておいてくれてもいいよ って言うのか、もう直近株価でもいいから、ともかく全株買い取らせてくれ って言うのは、代表者側の権利って言うか、残る人の権利で、それを行使するかどうかは、その時のシチュエーションによるって言う。
そういう設計ですね。
なるほど。
どう思います?これ。
今のケースは、圧倒的に会社にとって有利なケースだな という風に思いながら聞いていました。
そうですね 上場前に辞めたら有無を言わさず、取得価格で全株置いとけ に比べるとマシですけれどね。
退職する方の気持ちも 結構ケースバイケースで、退職するって言う事は どう言う事かわかります?
例えばアカネさんが あるベンチャー企業の副社長やっていて、3年目に退職します。 退任します。
そのベンチャー企業の事を どう思ってそうですか?アカネさんは。
伸びしろがない と思っているかもしれないですね。
そうですよね。
この会社Googleじゃないな、みたいな。
Googleだと思っていたら辞めないですよね。
そのインセンティブ設計もさる事ながら、ともかく辞めないですよね。
で、そこで直近株価で 株売れるって聞いてどう思います?
伸びしろがないと思っているのであれば、そこまで成長していないと思うので、そこまで嬉しくはないかもしれないですね。
そこまで成長してないかどうか わからないですよね。
例えば時価総額20億つけているけれど、20億止まりかなって思っているから 退職するわけですよね。
逆に成長性が見込めないからこそ、その時点で売れるって言うのは ハッピーなのではないですかね。
そうかもしれないですよね、本当に。
20億まで俺も頑張ってきて 時価総額つけてきたけれど、この会社これくらい止まりかな?みたいな。
じゃあ20億の株価で、残り4割の株は 買い戻してくれるって言われたら、伸びないと思っているから、退任する訳だし、もうちょっと別に言うと、例えば4%の株を20億の時価総額で売れば 8000万入ってくるのですけれど、その8000万を 次に自分がやるビジネスに振り分けた方が、絶対有利だと思ってる可能性も 高いわけですよね。
逆に言うと、代表者が直近株価で買い取れる権利がある っていう契約を創業時に結んだけれど、え?買い取ってくれないの?みたいな。
どれも買い取りたいけれど、1株1円とか10円のものは買い戻すけれど、直近株価の方は 金ないから買い戻せないよって言って。
えー、買い戻して欲しいな。 まじで?みたいな。
そんな会話が起こっても 変じゃないわけですよね。
創業株主間契約の設計案
そんな中で、例えばこういう設計案とかは あり得るかなと思います。
まず全員ですね。
1人が辞めたらではなくて、代表も副社長も含めて 全員が総合的に辞めたら、辞めた人から 残ってる人が買い戻せるって事ですね。
で、上場したらこの契約はなくなります、と。
上場前しか適用しません。
で、1年経過毎に 20%ずつ確定していきます、と。例えば。
で、確定してないものを 取得価格で買い戻させてもらうので、それはよろしく、と。
それも権利でいいと思うのですよ。
行使すると思いますけれどね。 代表者さんが。
いや別に辞めたけれど 大変お世話になったから、引き続き株持っておいて って意思決定しても駄目ではないので。
それは権利でいいと思うのですよね。
で、尚且つ、全株を 直近株価で買い取りって言うのも、権利として置いておくっていうのは 変な話ではないと思います。
いろんなバージョンの設計案があるのですが、こういうひとつの設計案も あるのではないかな。
結構ネットに落ちているのは すごい会社よりのハードな設計案が多いので、こういう設計案でも いいのではないかなと思います。
僕らの方でも よく使うような契約書の雛形っていうのも、ネット上に置いておこうかなと思います。
またそれは YouTubeの概要欄からリンクを貼って、オフィシャルサイトの方にアップしてお きますので、是非ダウンロードして みてもらえたらなと思います。
自主的な退任か解任か
で、もうちょっと詳しいところで、前回言っていた例えば 代表が50%プラス10%持っていて、他の4人が10%持っている。
例えば5人で会社作ろうって言って、5人で会社作った時に、誰を代表にするよって言って、俺かな ちょっとお前かな、みたいな。
いろいろディスカッションした結果、A君に決まりました、と。
で、20%ずつっていうのは ナンセンスなので、もう代表A君に決めたって言う事は、もう代表の方に60%持ってもらおう、と。
他のメンバー10%で頑張ろうって言って、そういう着地する事って多いのですね。
多いって言うか 僕らは結構そういう着地の仕方を推奨しています。
もっと代表者が持ってもいいのですけれど、例えばそういう着地のような仕方があります。
で、この時例えば、副社長とかCTOが辞めた時 その10%が3年経過すれば例えば6%確定とか、そういうような設計可能なのですけれど、代表の分ってどう思います?
例えば60%持っていて3年経ったら、60%の6割の36% 代表が持って帰っていいと思いますか?
そうなると意思決定とかに 支障が出ますよね。
そうですよね。
もう縁もゆかりもない人が 36%の大株主って言ったらちょっと問題ですよね。
どうしたらいいと思います?
パーセンテージの上限を 決めるとかですかね。
そうですね、例えば?
代表だから20%まで持てる って言うのも、結構な割合になってしまうので、10%ぐらいですかね。
うん、そうですね。
例えば、仲良し5人組が会社作ろう って言った時に、20%ずつするのは ナンセンスじゃないですか。
大丈夫ですよね?
代表に50%プラス 残りの50%の5分の1である10%を配る、みたいな意思決定をした場合って、代表だから50%を渡しただけであって、代表者A君の個人的利益のために 渡した訳ではないのですよね。
何かわかります?そのニュアンス。
わかります。
で、やっぱり代表社長やる上では、意思決定権ないと 代表社長できないから、ま、それをやるって言うのだったら、それをやる代わりに それだけ持たしておいてあげるわって言う、それだけの話なので、例えばその人が辞めるって言ったら、いや、その50%分は1株も渡さない、と。
次の代表に 取得価格で譲渡しろよ、みたいな。
一方で残りの50%を 5人で平等に10%ずつ分けたよね、と。
その10%部分に関しては3年頑張ったから、6割の6%持っていっていいよ、みたいな。
そういう設計とかが、全体的なバランスが取れてるのではないかな っていう気がしますね。
どう思います?
でも、すごい腑に落ちますね。
何か、そこまで結ぶと、逆に、例えばA君の立場からすると、俺に60%、お前らみんな10%。 これでいい。これで行こう。
そうでないと 俺代表できないからって言って、残りの4人が これ比率に差がありすぎじゃないか、とかって文句言ってきた時に、分かった、と。
仮に俺が辞めた時 50%は手付かずのまま、次の代表に取得価格で渡すから、みたいな。
そういう設計だったら問題なくない? みたいな話も、A君からもしやすいと思うのですよね。
短期バイアウトのケース
別の設計の話に 次移りたいと思うのですが、退任理由についても 設計の余地があるかなと思います。
例えば副社長が退任する時、2つあるのですよね。
自分で退任するケースと、解任されるケースと。
解任されるケースって どんなケースがあると思います?
不祥事を起こした場合とかですかね。
そうですね ひとつは不祥事を起こした場合。
他は?
解任って誰ができると思います?
代表ですかね。
代表ではないですね。
ベンチャーキャピタルとか 株主ですかね。
そうですね。
取締役の解任は51%以上の 普通決議なので、解任もあり得るし、次の取締役に選任しない というのもあるのですが、取締役の選任は普通決議なので、51%なのですけれど。
で、アカネさん さっき言おうとされていたと思うのですが、不祥事以外に どういう理由で解任とかされます?
パフォーマンスが発揮できてない。
そうですよね。
パフォーマンスを フル発揮してるかもしれないけれど、要はパフォーマンスが 満足値に届かない時ですよね。
その時って 株を置いていけって言うルールに、何かインパクトあると思います? ないと思います?
どういう設計が一番ベストだと思います?
でも自主的な退任よりは、辞める人に対しての利益が 上回るような設計になるかなと思いました。
解任の方が?
はい。
それはなぜですか?
退職金的な発想をしました。
うん、なるほどね。 そういう考え方もありますよね。
レオさんはどうですか?
もうちょっとシンプルな質問しましょうか。
自主的に退任した時と解任の時と、どっちが辞める人本人に メリットを残すべきだと思いますか?
どちらも一緒がベストですか? どうですか?
退任の方に利益が残る、多く残るべきだと思ってて
それなぜですか?
退任はまだ 例えば他の事業を起こしたりとか、そういうポジティブな理由で辞める事が 考えられますが、解任ってやっぱり ネガティブな印象があると言うか。
そうですね。
レオさんとアカネさんで意見が割れましたね。
そうですね でも解任は別に辞める人に対して、メリットを作る、作らない関係なく 解任させる事ができるので、そこでメリットを作って辞めてもらう、という発想には至らないのだろうな と今思いました。
レオさんの言う通り、例えば、解任時、もっと言えば 不祥事とかの時、即解任するわけなのですけれど、使い込みしましたとか。
解任時に株を持っていっていいなんて、緩い契約書って緩すぎると思うのです。
それは大丈夫ですか?
大丈夫です。
そんなの全株置いていけ、と。株は。
もうそんなのは取得価格で全株置いていけよ って言うのが、解任時の適切な設計っぽい印象を まず、普通は受けると思うのですね。
ただ、ここに問題があって、例えば VCが入った後も社長が60%持ってます、と。
で、副社長が20%です、と。
で、業績がすごく良いです、と。
株価も上がってきました、と。
社長、この規約があったら 何も悪くないのに解任しかねない訳ですよ。
意味わかりますか?
わかります。
だから時々、経営陣としてジョインした人の 創業間株主契約とか見せてもらうと、俺株持っているって言いながら よくよく読んだら、解任されると株全部置いていけ って書いているわけですよ。
で、これ、解任って 誰ができるのって言ったら、社長ができるっていう話なのですよ。
で、これ株もらったように見えてるいるけれど、1株ももらってないとも言えなくないって言う。
社長がこの人に株渡したくないと思ったら、解任して全株置いていかせるって言う、この連携パックを設定できるので。
もちろん、その経営陣が すごいパフォーマンスを発揮してみたらいいのですけれど、例えば残り2年、年収2000万クラスの活躍を 2年間やってくれたら、4000万のパフォーマンスがあって、しかもそれを年収1000万でやってくれるから、2000万のオーバーパフォームを している訳なのですけれど、でもこいつクビ切れば 10億円の株が俺の手元に来ると思ったら、もうクビ切りかねないわけですよ。
いかにパフォーマンスしてても。
そういう意味では すごく危険な規定かなっていう気がします。
強いてやるなら、一方でマジで 不祥事する人もいるのですよ。
ベンチャー企業で。
不祥事した人がそんなボロ稼ぎするのも すごい許せない事なので。
その会社の人間としても許せないけれど、もう業界人としても許せないので、これも不祥事も色々あって、いや、日本の法律を犯しているとかだったら もちろん不祥事なのですけれど、社内規定を犯しているなんて すごい柔らかいので。
その不祥事の規定も なかなか難しいのですけれどね。
要は悪用しかねないので。
でも不祥事を設定しておいて その不祥事をした場合は、全株置いていけ、みたいな設計をするのは、変ではないのではないかな っていう気もします。
で、自主的な退任時も解任時も、特に差を設けないって言うのが 現実的な設計かなっていう気はしますけれどね。
税務リスクに関して
あと、またこれも 別のパターンの設計の話なのですけれども、例えば五人の友達で会社作って、60%、10%、10%、10%、10%の 会社になりました。
ここまで大丈夫ですか?
はい。
で、上場まで 10年目指して頑張っていこうって言って、俺、意思決定権持って やっていくわって言って、で5人がフルコミットで頑張った結果、半年後に5億で売却の話が来ました。
これどう思います?
そうですね、もし上場までという 契約であったのだとしたら、そこでエグジットと言う事で、そこから退任をする時は、株を置いていかなくていい というようなルールがあるのですかね?
バイアウトなので 全株を5億で買いますよ、って言う買い手が出てきたって事ですよね。
会社作って半年後に君たちがやっている このプロダクトはすごい可能性がある、と。
ついては会社丸ごと5億で買うよ。
全株を丸ごと5億で買うよ っていう話がきました。
その時に社長は 3億持っていける訳ですよ。
で、残りの人は 5000万な訳ですよね。
どんな印象持ちますか?
そうですね 意思決定権を集約するために、社長は株を多く持っていたので、そうすると不公平な印象があります。
そうですよね。
短期バイアウトのケースにおいては、A君、ボロ儲けだね。
A君以外全然儲かってないじゃないか、っていう気が凄くしてならないですよね。
例えばB君、C君、D君、E君が、1年、2年経つごとに1人ずつ辞めていき、上場した時には結果、創業メンバーの5人の内 2人が残ってまして、で、上場後も社長は5年、10年 経営を続けてますって言われたら、当初の比率って違和感ないな って感じなのですけれど、みんなでアイデア出し合って フルコミットして半年で売却したって言ったら、それだけ差をつけるって問題だよね っていう感じもなくはないですよね。
だから短期バイアウトのケースは、もうちょっと株を調整し直すっていうのも、入っていても変ではないのですが、ここら辺になってくると、ちょっと税務署からのチェックも あるかもしれないので、贈与税みたいな観点が 出てくるかもしれないので、なかなか難しいのですけれど、そういう規定を入れるケースも、僕の経験ではなくはないですね。
実際のケースとして そういうのが多いって言う?
いや、多くはないですね。 なかなか見ない。
なかなか見ないけれど、例えば、俺60%で みんな10%ねって言われた時に、みんながおいおいって言った時に わかった、と。
じゃあ俺が退任したら 50%分はその取得価格で渡すよ。
うん、なるほどな、みたいな。
わかった、もう1個付けよう、みたいな。
2年以内に売却した時には、もう20%ずつ5人 の形に修正し直すから、みたいな。
これでどう?みたいな。
なるほど みたいになるかもしれないですよね。
ちょっと税務的なリスクがあるので 何とも言えないのですけれど、僕の知り合いで ある経営者がほぼ全ての株を持っていて、メンバー5人の会社だったのですね。
で、ある会社が買収を検討した時に、早々に自分の株を値段が付く前に 4人のメンバーに平等に割って、何の契約書もないのにですよ。
で、その後、買収プロセスを進めて、売却利益はみんなで割ったって言う、そういう人もいますね。
その人は本当にお金に興味なくて、すごく仕事はできるのですけれど、全然お金に興味がなくて、そんな事をしてましたけれど、契約書がないのにそれをするのも またリスクが高いなと思いますが。
そういうケースもありますよ っていう話です。
創業株主間契約に対する投資家目線
この税務リスクっていうのは結構あって、僕らの創業メンバーが 平等だ、平等でないとか、事前契約があるとか、ないとかではなくて、税務署っていうのは 好きに攻めてこられるので、しかも最終的には 文句があれば裁判に持ち込んで、裁判で白黒つける事も 税務署に対してできるのですけれど、体力的にも時間的にも そんな事やってられないので、それまでいったら 税務署がやっぱり勝ってしまうので、そういう意味ではなかなか難しいですね。 税務リスクって言うのは。
これ何か意味わかります?
例えば直近株価が10億円なのに、創業した時の株価で株を譲渡する って言う事が、贈与なのではないか って突っ込まれるリスクがあるのですね。
いや、贈与ではないですよ。
この人、上場までコミットする って言っていたのに、今辞めるから罰金、ペナルティとして 安く譲渡するのです、みたいな。
いや、でもそれは 税務的に認められないですね、みたいな。
やっぱり今の株価で譲渡するか、安くしてもらってもいいですけれど、差額分は贈与と言う事で 半分分、贈与税と言う事で、請求させてもらいますね みたいな事を言われかねないです。
実際ベンチャー業界で そのリスクがあると言われながらも、僕の身の回りで そんな税務リスクが現実化した事は、僕の周りではないので。
レアかなとは思いますけれども、一応あるのは事実だと言う事は 認識しておいてもらえたらなと思います。
で、このリスクを低減するためには どうしたらいいかって言ったら、例えば 株を例えば社長がはじめ全株持って、副社長を採用した時に、その内の1割の株を譲渡する時に、譲渡した瞬間に そういった契約書を結んでいる方がいいですよね。
その方がリスクは低いです。
実際、辞めるとか辞める前とかに 契約書結んだところで、いや、これもう副社長が無意味に損しているって 言うのは贈与ですよって突っ込まれるので。
もう渡す時から約束してました っていう方がセーフティです。
2つ目は それで株価を変えている方が尚セーフティです。
10年以内に辞めたら 株取り上げるっていうルールなので、それも含めて考えると、今株価10円ですけれど それも含めると9円で譲渡しておきますね。
って書いておけば、それがペナルティの根拠になるので、よりセーフティかなと思います。
ともかく契約書も すごいシンプルに書かず、シンプルに書くのが 契約書のいいところなのですけれど、やっぱり理念を書いておく事が重要で、これはこうこうこういう理由で 株を持ってもらっている、経営陣は経営にコミットして、パフォーマンスを出してもらえるって言う事で 株を持ってもらっている。
退職するって事は それの枠組みが構成されないので、そういう時には 株は取得価格で戻してもらいます、みたいな、そういう風な 理念を書いておく事が重要で、シンプルな取引条件だけ書いているよりかは 理念が書いている方が、抗弁しやすいかなとは思います。
で、あと贈与税のリスクが発生するのは、これはあくまで個人間の株の売買なので、発行会社は関係ないのですね。 これも大丈夫ですか?
例えば代表者が安く株を手に入れました。
副社長が辞めたので。
贈与税がかかってくるとしたら 代表者なので。
発行会社、その会社には関係ないので。
会社としてすごくリスクが高いか って事はないけれど、代表者が多額の税金を請求されたら 会社がややこしくなるので。
そういう意味では リスクのうちの1個かなっていう気がします。
あと、細かい話 もうちょっといくつか続くのですが、創業株主間契約、例えば、退職したら残りのメンバーに株譲渡してね っていう契約と、投資家との結ぶ契約って言うのは、そこにもいろんな関係性があって、ひとつはさっき言った通り、投資家としてはその創業メンバー間で そういう契約を結んでおいてよ、と。
辞めた時に辞めた人が たくさん株を持っていて、他の人がモチベーション下がるみたいな事は 勘弁してくれ、みたいな。
で、誰がどういう設計してもいいから、結構悪くない形で設計しておいてね っていうようなニュアンスではあります。
もしくは、辞めた人に1株も残せない、と。
1円も持たせないぐらいの 強気の投資家もいるかもしれないですけれど、ガイアックスはまあまあ 現実的な契約を結んでおいてくれたら、それでいいよって感じ。
ゼロ株にしろ、とまでは言わないし 人間関係もあるし、頑張った人にもインセンティブ 用意しておかないと、5年経っても辞めさせられたら ゼロになるぐらいだったら、明日辞めますって辞められても困るので。
ともかく何か契約書を結んでおいてくれって言う、そういう感じではあります。
で、できたら代表が辞めた時にも 誰かが代われるように、その副社長とか他の取締役だけが サインするのではなくて、総合的な契約の方が嬉しいな っていう感じはあります。
我々からすると。
で、あとまた別の話なのですけれど、投資家として投資契約を 創業者とか株主とかと結ぶのですね。
で、その条項と創業株主間契約の情報が ぶつかったりするのですよ。
で、整理整頓するケースもあるのですけれど、実際、J-KISSやったり、創業株主間契約やってJ-KISSやって、シリーズAの契約巻いて シリーズBの契約やって、シリーズCの契約やってとかってやると、それぞれの契約書の情報が よくよく見るとぶつかってるケースってよくあって、これ5年前に結んだ契約なのですけれど、2年前に結んだ契約とぶつかっているので、ここ修正してもらえませんか みたいなのが、上場前の審査の時に 修正依頼が来たりするのですけれど、しかもそれバックデートで当時からそうだった って言う事でお願いします、みたいなそういう話も あったりするのですけれど、結構世の中のベンチャー企業 そういうトラブルは多いですね。
トラブルでもないですけどね。
だいたいいろんな契約が重なりまくって ややこしすぎるので、いちいち全部きれいにできてない って言うのが現実的かなって気がします。
いろんな設計の仕方について お話ししてきましたが、大体今回の話は以上で、最後、質問とか感想とかあればと思いますが どうでしょうか?
今回の話だと結構損するか得するかで 退任を選ぶようなケースがあったのですが、それ以外にも人と人との関係とか それぞれのキャリアとか、色々実際だとありそうだと思うので、設計段階が すごく難しそうな印象を受けました。
そうですね、退任の多くは 人間関係じゃないですかね、現実的には。
あとは事業がうまくいかないから。
3年目越えると60%確定するから、3年目超えたところで辞めますとか、あんまりそういう人いないですよ。
だから契約は結びますけれど、契約が意思決定のトリガーになる事は あまりないと思います。
どう思います?
そうですね それって日本の傾向という感じなのですかね?
いや、海外もそうなのではないですか。
やっぱり人間関係が多いと思いますよ 現実として。
で、ともかく辞めた時に あまりにも酷い状態にならないように、と言って合意書作っているので、だから合意書も創業株主間契約も すごくややこしくなるかって言ったら、そこまでややこしくならないと 思いますけれどね。
逆に、いろいろややこしい事 言ってくるのだったら、ちょっと真意を問いますよね。
基本辞めないよね 今日時点の俺らの感覚としては、みたいな。
ちょっと人間関係もバッチリだし、このビジネスいけると思って 創業してるのに俺ら、みたいな。
だから万一の事考えて 結んでるだけで、みたいな。
その万一はテンプレ通りでよくて、いや、そこまで何か拘る?みたいな。
何かそういう気はしますけれどね。
もちろんそのテンプルにもさっき言った通り、色んなバリエーションがあるので どれが適切かって、その創業者とか創業チームの感覚には よると思うのですけれど、
創業株主間契約って、万一のケースが起きた時に、その都度修正とかってできるものなのですか?
もちろん契約当事者が合意すれば 全然変えられるし、創業株主間契約って 発行会社が絡んでいないケースが多いのですね。
意味わかります?
当事者間って言うか創業メンバー間で
そう、例えば株式会社ガイアックス って言うのを5人で創業しました、と。
この5人が契約をしているだけであって、そこの契約当事者に 株式会社ガイアックスは入ってないんですね。
ですので、5人の契約なので 5人で話し合って変えるのは自由ではあります。
実際変わるかって言ったら そんな変わらないかもしれないですね。
正直5人からスタートして 1人ずつ減っていくって感じではないですか。
で、上場の時は 2人か3人残っていて、みたいな。
なるほど。
具体的な今大きくなっている会社が、初期の創業者間契約を どのように結んでいたのかって、見る事ができるのですかね?
それは全く開示されてないですね。
結んでいたかどうかも わからないですよね。
すごい昔はこういうの結んでませんでした。
で、途中からやっぱりこういうの 結んでおかないとややこしいよね、と言って結ぶようになりましたね。
ほんと昔は辞めるたびに揉めてましたね。
お前辞めるんだったら 株置いていけよ、みたいな。
いや、この株は俺が昔自分の金で買った株だから 置いていけるか、みたいな。
もう本当にそういうやり取りを 毎回していたのではないかな、昔は。
目論見書見たら もしかしたら、退任した時にいくらの株価で 誰かに譲渡しましたって言う、そういう取引履歴が残るので、それを丹念に追いかけると わかるかもしれないですけれど、基本はあまりわからないですね。
わかりました。
では何か参考にしたいと言う時は、知り合いの会社のものを見せてもらうとか 聞いてみるとかなのですかね?
そうですね 一応悪くないテンプレは置いておくので、それを参考にしてもらえたら と思いますけれど。
考えるポイントとしては、さっき挙げたような事を考慮しながら、考えていったらいいのではないかな と思いますね。
わかりました。 ありがとうございます。
では、 今日はここまでで終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
This Post Has 0 Comments