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100%子会社、連結会計、持分法適用など、株式比率などによって会計の形は変わります。それぞれにどういうメリットデメリットがあり、経営者はどのように意思決定をしているのかを学びます。

本日も経営カレッジをやっていきたいと思います。
ガイアックスの上田です。

アカネ

ガイアックス新卒1年目のアカネです。

レオ

ガイアックスインターン生で 大学3年生のレオです。
よろしくお願いします。

アカネ

お願いします。

お願いします。 レオさん、前回はどうでした?

レオ

前回は、今までと違って力学の話だったので わかりやすく、結構理解できました、勉強になりました。

だいぶ、過去の積み重ねの理解が 進んできているようですが

レオ

はい。

どうですか、今の理解度レベルは?

レオ

なんとか復習しながら 85%ぐらいですかね。

なるほど、いいですね。 わかりました。
今日は、また、だいぶ変わって、

グループ経営の会計

連結決算、グループ会計、そういったところをやっていきたいと思います。
普通、会社っていうのは、ひとつの株式会社で 成り立っているんですけれども、100%子会社を持っている時に、そういったようなグループ会社を どう処理したらいいのか、と、いう風なことでグループで足し込んで、表現した方がいいんじゃないかと いう風になっています。
歴史を遡ると 昔は基本的にはその会社の決算がベースで、参考情報として連結の情報があったのですが、最近は連結の情報が主で 単体の情報なんて参考情報だよね、という風に変わってきています。
では、こういった連結子会社とか、

どのように評価すべきか?

他の会社の株を持っている時、会計上どのように評価したらいいと 思いますか?
どういう風に表現したらいいと 思いますか?

レオ

ちょっとわからないですね。

アカネ

その子会社とのやり取りはもう打ち消して、で、全体の評価として っていうのを見るのが1つと、でも、その中でも ひとつひとつの事業が、どうなってるかっていうのも また、評価すべきだと思います。

そうですね、 ちなみに持ってる株式が100%の時もあれば、1%の時もあるんですが、それぞれのパーセンテージ いろんなバリエーションがありますが、どういうような処理が考えられますか?

アカネ

50%以上持っていたら もう、子会社として評価すると思います。

そうですね、そうすると51% まぁ、51%以上なんですけども、51%持っていても 100%持っていても同じですか?

アカネ

どうなんですかね。 そこはパーセンテージで、はい

パーセンテージで?

アカネ

計算するのかなと思いました。

どんな感じでパーセンテージの計算を すればいいと思います?

アカネ

利益の例えば50%を大会社の方が もらうみたいな形で評価すると思います。

売り上げとかはどうしますか?

アカネ

売上も同じくですかね。

じゃあ、例えば51%を持ってる会社を 子会社に入っている状態だと、売上の51%を足し込む?

アカネ

はい、そうだと思います。

なんか想像するだけで ちょっと面倒くさそうな印象がありますよね。
逆に例えば50%の会社は子会社として 認定しない?
51%以上なので、そっちの会社の種類はどうしたらいいと思います?

アカネ

えー、どうなんだろう。

そこをどう処理したらいいのか、例えば我々、ガイアックスが ちょっとお金が余裕資金があるので、マーケットでトヨタ株を0.000001%買いました。
この時に、うちが、またそれで、トヨタの業績を 我が社に取り込もうというのは変な話ですよね。

アカネ

はい。

そういう意味では3パターンあります。
それを順にやり方も含めて 説明していきたいと思います。

子会社・関連会社の種類

ひとつは完全子会社 100%子会社です。
それから次に連結子会社。 51%以上のところが連結子会社になります。
そして次に20%以上50%以下、これが持分法適用会社ということになります。
それぞれの処理を見たら あーなるほどね、となるかと思います。
まず連結ですけれども、

連結・持分法の基本的な考え方

PLもBSも 連結子会社の時は全部足し算します。何も考えずに。
グループ内の取引は消去するんですが 基本的には足し算します。
最後に、自分たちが持っていない株式、我々が支配してるとすると、非支配株主さん。
例えば、僕らが60%持っていたら、40%の株主さんが別にいるわけで、その40%の支配をしていない株主さんの、持分の利益を減らすってことです。
一方、持分法の方は足し算しません。
基本にはうちの会社の決算だけを出します。
ただ、最後の一行で30%持っているとしたら、その会社が100利益を上げたら 100の30%だけ足し込みます。
ちなみに 20%未満の場合は連結に入れません。
単なる株式所有です。
ノリで言うと 卵買ってきました、と一緒ですね。
株を買ってきただけ。
もちろん その株が値上がりすれば利益取れますし、配当があればそれも足し込めるんですけれど、連結決算の対象外となっています。

事例

では、事例です。
売り上げ100、営業利益10の会社が、同じく売上100、営業利益10の会社の 50%を所有しています。
過半数役員で連結化。 これちょっと後で説明しますけれど、まぁ、ともかく連結に入っています、と。 こういう時どういう風に処理をするのか?

売上は100と100足して200、利益は10と10を足して20、で、営業利益、経常利益、税前当期、純利益 全部足し込んでいって、子会社の方の10の利益の半分の5は、僕らが持っているんじゃなくて 別の人が持っているので、それは最終利益から差っ引きます。
で、最終的に出てくるのが 当期純利益15という形になります。

連結決算の処理方法

で、ちょっと改めてなのですが、原則は50%超。 50.01とかが連結の処理なんですけれども、実質支配している場合、具体的には取締役が過半数、送り込んでいるとか、そういった場合は なんと40%以上の時から連結扱いにします。
ただ、例えば41%で連結扱いしたからと言って、最終利益のところで、59%は消されてしまうので、結局41%しか採用できないんですけれども。
はい、では続いて、

連結決算の事例

持ち分適用会社。 例えば取締役を過半数送り込んでいません、と。
そうすると、50%だと連結化しません。 持ち分適用になります。
で、売上100、営業利益の会社が、同じ規模の会社の50%の株式を持っている場合、どういう風な決算書になるかと言うと、

売り上げが100利益が10で進んで、で、最後に持っている会社の利益10の内 50%持っているので、持分法投資損益ということで5を足し込みます。 最後に一行で。
で、当期純利益が15という形になります。
なので、前半部分の売上から、税前当期利益のところが足し込んで最後引くのか、足し込まずに最後 利益だけを取り込むのか、の違いになります。

持分法適用会社の処理方法

詳細なんですけれども、原則としては20%から50%の間が持分法です。
ただ、例えば 関係性が深い、取締役を派遣しているとか、取引が一定以上あるとか、例えば、貸付を過大にしているとか、そういったことがあると 15%以上から検討されます。
15%を切ってくると検討されません。
持分法には入りません。
なので、怪しければ 15%を切って14.9%とかにすると、持分法にしなくて、楽チンです。
楽チンと言うのは、連結会計になると、少なくとも 相手の決算書を入手する必要があるんです。
一行連結でも。
一行連結と言うのは 持分法適用。
相手の決算を取得するっていうのは 意外に面倒臭いんですよね。
もちろん上場企業同士であれば ぜんぜんできますけれど、世の中には わけのわからない会社がいっぱいありますから、決算書作っているのか、みたいな、それをこちらのスケジュールに 提出してくるのか、みたいな、そういうところがあるのですごく 安心ですと、言う風になります。

単なる株式所有をしている際の処理方法

3つ目は これはPL書きませんが、基本は20%未満、ただ、 怪しい時には15%未満は確実にそうですね。
これはもう何も反映させません という形になっています。
ここまでで何か質問ありますか?

レオ

大丈夫です。特にないです。

レオさん、今のルールだと頭に入りました?

レオ

ちょっと難しかったですね。

どのあたりが難しかったですか?

レオ

完全子会社、連結子会社 持分法適用会社の辺りが、ちょっと曖昧になっています。

そうですね。 今ちょっと説明不足でしたけれど、100%の時には何も処理しないんですね。
全部足し込んでおしまいです。
で、99%から51%までの間、例えば80%であれば連結子会社

レオ

うん、なるほど。

になります。

レオ

はい。

で、最後20%分 その子会社の利益を減らすということですね。
連結と持分法 最後一行で調整しているんだ、とわかると、すごくわかり易いかなと言う風に思います。
逆に、売上を足し込めるかどうかというのは、連結に入るか入らないかで 決まってしまうので、売上を大きく見せよう という思考がある経営者の場合には、どうすれば連結に入れるのか ということを拘ることになります。

持分比率の調整で、会計上、可能なことは?

では、こういった持分比率に応じて、完全子会社、連結子会社、持分法適応会社 という風になりますが、こういったようなことで会計が 先ほどのように表現が変わってくるんですが、それを踏まえて 会計上どんなことが可能になると思います?
もしかしたら、こういうこと できるんじゃないかな、みたいなことあれば

アカネ

今仰ったみたいに売上を大きく見せるとか、あとは自分のコントロールできる範囲の中で、財務諸表の見せ方をちょっと良くするとか、あと、 できるだけその子会社とやり取りをして、やり取りをすることで より全体としては良い財務諸表を作る、っていうことができるのかな と思います。

ちなみに子会社ととやり取りすると なぜよく見せられるのですか?
持分法の時には、例えば、40%待ってる会社とのやり取りは PLに取り込めるんですけれど

アカネ

はい。

連結子会社の時には内部取引ということで 消去されてしまいますね。

アカネ

はい。

大丈夫ですかね?

アカネ

はい、大丈夫です。
じゃあ、あんまり関係ないんですかね?

連結子会社になると関係ないですね。

アカネ

でも、現金流出がなくなるとか そういうことはないですか?

あー、そういうことですね。 それはあります。
これは同じ会社でもそうですけれど、外の会社が売っているご飯を食べるより、うちの事業部が作っているご飯を食べた方が、グループ外流出が減るという観点では ポジティブですね。
でも、そのグループ内取引を推奨していると、会社全体が腐っていくっていう そういう残念なことがあるんですけれど、それはまた別の機会で。

アカネ

はい。

売上を取り込むために会計上、結構無理をして、連結に入れるということは 世の中的にもよく行われています。
まぁ、無理してって言うか、 それが会計なので別に無理も何もないんですけれども。
例えば、ソフトバンク・ヤフーさん、直近はどうなっているかわかりませんが 結構長い歴史の中で、ヤフーさんの業績は結構いいので、株をバンバン売って現金を手に入れながらも ギリギリ41%をキープして、で、取締役を過半数送り込むことによって 連結に入れて、ソフトバンクの決算に取り込んでました ということはあります。
また、逆のパターンで、業績が悪い会社 もしくは、もうどうなるか分からないような会社の、決算に取り込みたくない時には、50%を切って持分法にしたり、もしくは14.9%を切って持分法にも入れず、例えば、ストックオプションとか 転換社債を持っておいて、業績が安定していたら その段階で株を取得して、連結に取り込むというようなやり方も 行われているケースもあります。
基本的に会計を良くすることが 会社の目的ではないのですが、結構、経営者の目的が会計上の数値を 良くすることが目的になってることが多いので、そういう意味では、ここの苦労っていうのは いろいろ苦心されているわけですね。
で、先ほどアカネさんが言っていた話で、グループ内の取引を多くして 数字を良くするというのは、連結内だと消去されるのでダメですけれども、連結外の会社との取引は計上できるんですね。
過去、世の中で不正と呼ばれるものの、結構多くは、何割かは こういった実際は支配しているんだけど、会計上支配外に押しやって、それで利益を取り込むっていうことが よくなされていました。
例えばエンロン(Enron)って聞いたことあります?

アカネ

ないです。

アメリカの電力会社で もう、すごい、どうだろな、時価総額で言って、おそらくトップ10に入らないかもしれないけど、それぐらいの規模まで膨れ上がった会社が 急遽倒産したんですけれども。
なぜそこまで膨れ上がったかというと、連結外の投資先とやり取りをして 数字をどんどん、架空の数字を作っていって、非常に時価総額が上がったんですけれど、公認会計士と 結構厳しい戦いをやっていたのですが、ある時に連結外だった会社が連結になって、それで結局損失が目に見えて、これは全部嘘じゃないかってことで、もう、すぐに倒産したんですかね。
そういった事がありました。
ライブドアショック これは聞いたことありますよね?
ライブドア

アカネ

はい。

最後どうなったか分かります?
何が発生したのかわかります?あれは。

レオ

何でしたっけ? どっかのメディアを買収しようとして、何だっけ?

フジテレビを買収しようとして

レオ

フジテレビですね。

でも買収しようとした事は ダメなことじゃないですからね。

レオ

何だっけ?

何か悪いことをしたような気がする って感じですか?

レオ

暗黙の了解と言うか わりとあれをやってる企業はあるのにも関わらず、なんかホリエモンだけ摘発された っていうイメージなんですけど

そうですね。
どこからどう見ても 問題のない取引をしていたんですけれども、あれは、連結子会社を使ったのではなくて、ファンドを使ったんですけれども、ファンドの数字を取り込んでたんですが、厳密に言うと 取り込んではダメなんじゃないかっていうことで、粉飾したんじゃないかということで 捕まってしまいましたね。
これはまたどこかで 詳しく説明できればと思いますが、正直言って何も悪くないですね。
話し戻りますが、持分比率の調整で会計上良くするということは、すごくチャレンジが 世の中的にもよくされているということですね。

事業部か?子会社か?

持っている株式の比率の話ではなく、会社を経営していて これは事業部でやった方がいいだろ、もしくは、これは子会社化した方がいいだろう、このメリット・デメリットってどう思います? レオさんどうですか?
まず会計上はどうですか?
事業部か子会社かって。

レオ

ちょっとわからないですね。すみません。

どういう風に想像します?

レオ

事業部は株100%持っていて 子会社は50%以上ですね。

じゃあ、100%子会社 完全子会社と事業部の違いは?

レオ

100%子会社と事業部の違い・・・。

例えばガイアックスの中でTABICA(タビカ)というのは 会社ですか?事業部ですか?

レオ

事業部ですね。

そうですよね。

レオ

はい。

例えばベンチャー広報っていう会社があるんですが

レオ

はい。

100%子会社ですね。ガイアックスとして。
これは株式会社ベンチャー広報という別の会社です。
これの違いで考えるとどうですか?

レオ

単純にやってる事業が 違うんじゃないですか?

両方事業部でもよければ 両方子会社でもいいんじゃないですか?

レオ

事業部の方が本社からの 意思決定などが円滑にされるのかな、っていうイメージなんですけれど わからないですね。

意思決定の問題じゃなくて 会計上はどうですか?

レオ

会計上ですか・・・。 ちょっとわからないです。すいません。

どう想像します?

レオ

わからないです。

会計上っていうのはPLとBSでの表現上 どう違いがあるかって話ですよね。
TABICAのPL、BSとベンチャー広報のPL、BS ガイアックス社からすると、どっちがどうで どっちがどうなんですか?

レオ

もちろん事業部がガイアックス社のPL、BSで、子会社のやつは全く別ものじゃないですか?

そうですね、単体決算 ガイアックスの決算としてはそうですよね。
じゃあ、ガイアックスの連結決算 としてはどうですか?

レオ

子会社は100%持っているっていう前提ですよね?

はい、そうです。

レオ

だから完全子会社として 成立しているんじゃないですか?

つまり、連結決算としてはどう違うんですか?

レオ

どう違う?

事業部と子会社で一緒なんですか? 違うんですか?どう違うんですか?

レオ

一緒なんですかね?

そうですね、会計上一緒ですね。

レオ

そうなんだ。

ガイアックスは 単体決算が重要視されているんですか?
連結決算が重要視されているんですか? どっちですか?

レオ

連結決算ですかね。

そうですね。世の中の会社は 全て連結だけが評価されます。
単体がどうだとか全然気にされません。
そう考えると 会計上は事業部でも子会社でも一緒。
じゃあ、会計以外の点でメリデメなどはどうですか?

レオ

先ほども言ったように

メリットとしては 事業部の方が意思決定が迅速になされるとか

レオ

本社からの・・あの・・。

指示命令系統が効きやすい。
まあ、そうですね。 スピーディーに意思決定できるのは子会社です。
本社を伺わなくていい可能性が高いので。
もちろんガバナンスの形式にもよりますけれど。
ただ、本社の意向を聞かせ易いのは 事業部でしょうね。
他、アカネさんどうですか?

アカネ

事業部でも不可能ではない と思うんですけれど、ルールとか福利厚生とか 何かその辺が事業部だと、全部一緒になっちゃうイメージがあります

そうですね 事業部だとルールがどうしても一緒になる、逆に言うと別のルールを適用させたければ 子会社にした方がいいかもしれないですね。
他はどうでしょう?

アカネ

子会社だと子会社は子会社で ちゃんと財務諸表を完成させて、で、後から本社と合体させて 色々調整してってやるのが、結構手間なのかなと思いました。

そうです、その通りです。 やっぱりひとつの会社の方が楽ですね。
で、連結決算を作るという第一歩目を 踏み出すのがめちゃくちゃコスト高いですね。
単体決算1本で済むんだったらめっちゃ楽。
ただ、1社作ってしまえば2社目、3社目作るのが めちゃくちゃコスト高いかと言われると、1社目作るよりかはだいぶ少ないので、もう踏み出しちゃったら 踏み出してもいいかなって感じですね。
ただ1社1社、会計コストを加えて税務コスト、1社1社が税金を納めないといけないので。
地方税という形で 存在するだけで発生する税金もあるので。
そういう意味では ちょっと会計コスト高くなってきますね。
会計コスト以外にも例えば社保、社会保険とか、そういった雇用系の届出なども 必要になってきますので、まぁ、だいたい 面倒臭いと言えば面倒臭いでしょう。
ちなみに一番大きい点は、事業部のトラブルは会社が契約主体なので、会社が全部責任を取らないと いけないんですね。
ところが100%子会社とは言え 子会社のトラブルは、出資者は出資した金額が最大のリスクなので、その子会社が倒産する以上の被害を、親会社の方が受けることはあり得ないですね。
これはめちゃくちゃパワフルなんですよね。
めちゃくちゃパワフルと言うのは 何て言うんでしょうか、曖昧なルールがいろいろあるんですよ 世の中にはね。
例えば税務とかめちゃくちゃパワフルなんです。
それとか日本において雇用とかも めちゃくちゃパワフルなんですけど、税務であろうが労働者であろうが、この資本の壁を越えて攻め込んでくるのは さすがに不可能ですよね。
ちなみに 株主代表訴訟と言うものがあってですね、例えば ガイアックス株を持っている一般投資家が、ガイアックスの経営が明らかに故意とか そういった形で、よくない事をした場合 訴える事ができるんですね。
その時にガイアックスの取締役は 訴える事ができるんですけれど、ガイアックスの子会社の取締役を 訴えることができるかと言われると、これも一言で言うと難しいんですよ。
ガイアックスの子会社の取締役を 訴えられるのは、ガイアックス社、株主であるガイアックスが 訴える事ができるんですけれど、一般投資家からすると2つ飛ばしなので、直接株主の立場で訴えるのは難しいと思います。
ただ、そこもちょっと法律改正があって、主要子会社の取締役に関しては、訴えられることにできるっていうのは ここ数年の動きなんですが、という風に変わりつつあるのですが、そういうところでもリスクが 切られているということですね。
次にポイントとなってくるのが、やっぱり事業部だと資本戦略の自由度がない。
当たり前ですが 当社の事業なので資本戦略の自由とかはない。
一方子会社だと20%ちょっと 親密先に株を持ってもらいましょうか、みたいな。
そういったことが可能になってきます。
仮に20%外部の投資家が その会社の株を取得した時には、会計上の影響は先ほどお話したとおり、子会社の連結を全部しちゃうんですけど、最後はその子会社の利益の20%は、減算して調整するという形になります。 だいたい大丈夫でしょうか?

アカネ

はい。

では、続いて、

親子上場とは?

親子上場。これ聞いたことありますか?

レオ

は、ないですね。

アカネ

初めて聞きました。

これは親会社と連結子会社の 両方が上場しているという状況です。
これは結構問題をはらんでいるんじゃないか とよく言われているんですが、どんな問題をはらんでいると思います?

レオ

わからないですけれど 上場した際に、株式公開をした時にややこしくなるとかですかね? いや違いますか?

アカネ

その子会社が上場するタイミングで 親会社が株式の割合を増やして、よりリターンを上げようとする っていう動きができちゃうとかですかね。

そうですね そういうのも含まれるかもしれませんが、もうちょっと一般化して説明すると、子会社の株主は誰がいると思います? 親子上場状態の時。

アカネ

メインは親会社ですよね。

そうですね。メイン以外は?

アカネ

個人の投資家とか。

そうですね。 例えば30%一般投資家、個人の投資家がいて、70%親会社が持っています、と。
で、上場マーケットっていうのは、要はスーパーだったりデパートだったりする。 上場マーケットっていうのは。
店頭に靴下とかワイシャツとか たくさん売っていますけれど、同じように株を売っているわけですよ。
市場っていうのは。 市場なのでね。
で、買いに来た人が安心して この靴下買えますって、そういうことを取引所としては 大切にしているわけです。
投資家保護ね。 ここまで大丈夫ですか?

アカネ

はい。

30%の一般投資家が株とった時に この会社が何のために存在しているのか?
この会社の経営方針が 本当に株主1人1人が儲かるように、意思決定してくれるのかっていうのが 少し疑いがあるんですよ。
ともすると70%の株主の親のために、一生懸命動いたりすんじゃないの、みたいな。
そこがリスクの高いところなんですね。
例えば、ガイアックスの100%子会社である ベンチャー広報が、親密先の会社に20%株持ってもらいました。
それでもまったく 構図としては一緒なのですけれど、所詮、内輪の話と言うか、そのリスクも知って 20%株持たれたんですよね、とか、結局、3社で話し合えば話済みますよね、とか、20%の株主も最後の最後に80%のやつに 持っていかれてもしょうがないな、と思いながら出資したりしているわけ。
大人の世界の内輪の話なんですよね。
ところが一般大衆に株を売るとなると、大人の話の内輪の話じゃないので、例えば賞味期限3日過ぎた牛乳、ちょっとまだ飲めると思うけど飲む? って弟に勧めるのは自由ですよ。
それをスーパーで売っちゃあダメだよねっていう、同じように上場マーケットとして、70%の意思決定権を持っている、支配されている親がいる中で、30%持つっていうのは リスク高いですよっていう問題です。
で、アメリカでは親子上場とかは あまりないですが、日本では結構多いです。
その時にはこのリスクをどう回避するのか という事が結構重要で、一番のキーパーソンは 取締役会の中にいる取締役の中で、独立している社外取締役が、一般投資家の代弁者になるわけなので、構造上は、その方の意思決定が結構重要になってきます。
GMOさんの中ですごい たくさん親子上場されていますし、昔、財閥系もたくさん親子上場してて、 日立さんとか、だいぶ減ったとは思いますけれど。

持株会社(ホールディングカンパニー)とは?

では続いて 持株会社は聞いた事がありますか?

レオ

はい。

アカネ

はい。

これはどんな意味でしょう?

レオ

意味はあまりわからないですね。

どうですか?アカネさん。

アカネ

高校の時に習ったなー っていう感じなんですけれど、なんか、禁止されたりもしてたのを うる覚えであって、意味をちょっと今覚えてないです。

禁止されていることはないです。
金融業界で禁止されている部分もあるので もしかしたらそちらの記憶かもしれません。
普通は会社が事業活動をして、一方で株を持って子会社もある みたいな形が多いんですけれども、その親会社の方がひとつも事業をやっていません、と、我々は10社の会社の株だけ持って、スタッフは総勢5人です、みたいな。
そういうのが持株会社ですね。
こういった経営の仕方の メリット・デメリットはどうですか?

レオ

それこそさっき言った、スピード感のある 意思決定などは難しいのかなって思います。

そうですね。持株会社親会社として スピード感のある指示命令系統を、グループ会社全体で効かすことは 不可能でしょうね。
一方でそれぞれの会社は それぞれの会社になるので、それぞれの会社の意思決定スピードは 上がるでしょうね。
例えば、TABICAであれば 部長の原田さんという立場より、タビカ株式会社の社長の原田さんの方が 意思決定スピードは上がるでしょうね。
他はどうですか?

レオ

トラブルなどに関して 会社が責任を取る必要がなくなるんですかね。

そうですね。全て別の会社なので、それぞれのリスクは それぞれの会社で集約されるので、残念ながら3番目の会社さん倒産しました。以上 ですよね。

レオ

なるほど。

それに近いですけれど 持株会社にした方が、より、それぞれの会社の業績がどうで 会社全体の資産効率を考えると、どの会社を売却した方がいいとか、どの会社を新規でM&Aした方がいいとか、そういう意思決定が よりし易くなるとは思います。
当たり前ですけれど、ひとつの事業しかやっていない時には 持株会社にする必要はなくて、親会社があって100%子会社があって以上。 なんて全然意味がなくて、複数の事業もしくは事業グループ に分かれてきた時には、もしかしたら持株会社にした方が マネージメントがし易いのかもしれません。
ガイアックスとしても徐々に持株会社に 近づいてきてるなという気はしています。
そして、それぞれの会社の持分比率も、グラデーションで 100%持っている会社もあれば、50%持っている会社もあれば、30%だけ持っている会社もある という形になってきやすいです。
ただ、会社になる前の所のサポートが ガイアックスの本業なので、良い人材を採用してきて いろいろ事業経験を積んでもらって、いろんなトライアンドエラーを繰り返す。
トライアンドエラーを繰り返すユニットが 子会社であってもいいんですけれど、それをサポートするユニットは まぁ本体に取り込む必要があるので、そういう意味では完全持株会社になるって事は ないんじゃないかなっていう気がしますね。
では、続いてですが、

海外事業展開時は、会社?支社?

海外事業を展開する時に、これも子会社にする必要があるケースもあります。
支社ですませるケースもあるんですが、会社にする時は 現地の法律にもひっかかってくるので、外資規制とかがあって、日本法人が51%持ってはダメよ 49%までね、みたいな、現地の会社が51%以上とかなければダメですよ とかっていうケースもあれば、1%以上現地の会社が入ってなければいけない ケースがありますとかあれば、いろんな国によって 法律が変わってくるのですが、そういった法律にも基づきながら 会社にしたり支社にしたりします。
単体決算しかやってなかった会社が、泣く泣く会社を作ったが故に連結決算する のは嫌だなみたいなことも結構あるんですが、重要性が低い時には省略できるので、そういう時にケースによっては 重要性が低いのでって言って、連結決算にせずに 単体決算だけでいく可能性もあります。
では、最後、

ティール組織と会計制度

ティール組織と会計制度 ということで書いているんですけれども、ティール組織ってわかります? アカネさんわかります?

アカネ

はい。

どんな組織ですか?

アカネ

フラットで情報も全て公開されていて、生命体っていう風に言われるように 階層があるって言うよりは、それぞれが命令で動くっていうよりは、自分のやりたいことをやる みたいな方向が強いような組織だと思います。

そうですね。指示命令で動くというよりかは 自発性で動くという形ですね。

アカネ

はい。

ガイアックスではグループ会社とか 投資先とかいっぱいあるんですが、ほとんどが連結対象でもなければ 持分法対象でもないです。
例えば30%の株式を持っているアディッシュ という会社は上場してますけれども、当社の持分法適用会社でもないです。
実は60%株を持っていた時も 連結子会社でもなかったです。
原則は51%持っていると 連結子会社なんですけれども、ベンチャーキャピタル条項と言うのがあって、ガイアックスって会社は ベンチャーキャピタルやってます。
この株はあくまで 売ったり買ったりするだけの株であって、経営に関与しません。 ていうことが外形的に説明できれば、ベンチャーキャピタル条項は適用され、単なる株として評価されるんですね。 連結決算ではなく。
我々はベンチャーキャピタルだからそうである ということもひとつあるんですが、もうひとつ重要なのは、そもそも支配するマネジメントスタイルを 取ってないんですね。
アカネさんの同期のメンバーが いくつか会社作ったりしたり、1個上2個上の先輩が いくつか会社作ったりしますけれども、ガイアックスとしては、いつでも、例えば、仮に40%株持ってようが 60%株持ってようが、議決権放棄を差し入れしているんですね。
我々、議決権60%持っていますけれど、議決権放棄しますって言う差入書を いつでもサクサク差し入れているんです。
そうすると、そもそも支配していない、連結決算というのは支配基準に基づいて、会計が認定されるので、あれ?これ残念ながら支配できてませんね ってなると、会計上連結にもならないっていう、それが良いとか悪いじゃなくて、普通に考えたら 一般投資家の方からもそうなんですけれど、ガイアックス連結売上が小さくないか みたいな。
っていう風にすごく 如何なものかみたいな事があるのですが、ただ、マネージメントスタイルとして 支配ではなく、ティール組織的に 自発性を大切にやっている中で、現実として契約内容としても 支配ができていない中で、会計上おのずと連結にならないね と言う風にならざるを得ないと、言う風な形になっています。
非常にガイアックスの場合は イレギュラーなので、普通の、どうでしょう。
こんなケースは上場企業の中でも たぶん1社もないと思うんですが、そういうような適用をしている という形になっています。
以上で今日 連結会計、グループ経営に関して勉強しました。
ここ、全体以上でどうでしょうか? ご質問など。

アカネ

ホールディングス 例えばZホールディングスとか、最近すごいいろんな会社を 取り込んでいてすごいなと思うし、そんな中どういう目的でやっているのか いまいちわかってなかったんですけど、なんか、そこがまだ あんまりつかめていなくって、売上を大きく見せたい だけじゃないですよね。

違いますね。 元々ヤフーっていう会社だったんですね。

アカネ

はい。

いろんな会社を買収していって、ともするとヤフーの傘下に入るような事業以外も 買収するようになってきたんですね。

アカネ

はい。

例えばアスクルっていう会社の 株の何割かを所有したとか、例えばzozotownも買収しているとか、これが、一休とか買収したりとかもしているのですが、例えば、ある映画メディアを買収してきて ヤフー映画に統合するぐらいだったら、ホールディングスにする必要は ないんですけれど、これヤフーの事業じゃないよね。
別で業績管理したいよね。
と言うと連結決算に移っていくわけです。
ヤフー本体、自社本体と子会社の決算を 見比べましょう、みたいな。
ただ、それもどんどん加速してくると、そもそもヤフーが本体で別扱いする って言うよりかは、ヤフーも含めて 5つの事業をみましょう、みたいな。
そういう風なマインドに変わってくると、ホールディングカンパニーになって 本体では事業を持ちません。
1つ目の事業はヤフーです。
2つ目の事業はzozoです。
みたいにしていった方が 平等にみられるって言うか。

アカネ

はいはい。

つまり、ひとつの事業しかしなければ単体決算、主の事業と従の会社が 並ぶんだったら連結決算、でもどれも主じゃないと言うか どれも従と言うか、どれもフラットにみようと思ったら ホールディングカンパニーにしていく、っていうような傾向が増えてきています。

アカネ

じゃあ、 あのホールディングスに入っている会社たちは、シナジーを起こしたい みたいなのが強いんですかね?

シナジーを起こしたいかどうかと 会計は若干違うんですけれども、まあ、もちろん グループに入れてる時点で、シナジーを起こす前提はあるとは思いますね。

アカネ

うんうん。競合しないのかな と思ったりもしたことがあって

もちろん競合することもアリだと思って やっていると思いますね。

アカネ

はいはい。

それは会計的にどう表現するかじゃなくて、株式を所有した瞬間に、ホールディングスじゃなかろうが 競合し得る事はあると思いますね。

アカネ

はいはい。

競合もし得るし、提携もし得るし

アカネ

じゃあ、もう日本で一番大きな会計 を作ろうとしてるって感じですかね?

いや、会計上というよりかは、やっぱり全体的な傾向として、事業が多岐にわたってくると 単体決算から連結決算になって、連結決算の中でも、ホールディングス化していく という傾向はあるのかなとは思いますね。

アカネ

わかりました。 ありがとうございます。

はい。では、大丈夫ですかね。

アカネ

はい。

はい、じゃあ以上で本日は終わりたいと思います。 ありがとうございました。

アカネ

ありがとうございました。

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